カテゴリ: 日本のHR/HM/プログレ

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「俺、このDVDになってる会場におってんで~」というのがこれだけあります。
本当はもうちょっとあるはずだし、特典映像で各地の様子が少しずつ映ってるのも含めたらここに収まりきれません(笑)。
なにぶん大阪在住なので、関西で撮影のものは12巻中5巻、転勤で関東にいた頃のが3巻、したがって遠征までしたのは4巻のみです。BOW・VOWと矢沢永吉2回(内1回は恭司さん参加)なのが私らしいとこですが。
東京在住だったらこんなもんで済んでないだろうなあ…(^-^;
なお、客席に私の姿を発見出来たものは1つもありませんでした(爆)。

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予習モードですのよ。
覚えきれてない曲もいくつかあるから、聴き込まねば。

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関西が誇る名ギタリスト・金谷幸久さんの傑作ソロアルバム「CRY FOR THE MOON」、ギターはもちろんのこと、歌もバックの演奏も楽曲も素晴らしいのですが、ヴォーカルの藤本朗さんが書き下ろした「DIRTY BUT SO BEAUTIFUL」と「HAPPY WEDDING」の連作2曲の歌詞が要注目なのでそちらに関してちょろちょろっと。

「今まで書いたことのない新しい世界にチャレンジした」との言葉通り、X-RAYや後期EBONY EYESでは見られなかった新境地なんですが…「禁断の恋が招いた悲劇」と一言で表せば美しいけど、その行きつく先はあまりに残酷でやりきれない、とてつもなく後味の悪いものです。
よこしまな恋の果てに愛する女性を殺し、自らも後を追う…というのが大まかな流れですが、歌詞カードを片手に聴いていると自分の表情の曇ってくるのがはっきりわかります。どちらもハードでカッコいい曲ですが、歌詞の意味を考えながらだとライブでもノレません。だから私、ライブでは曲と歌唱と演奏に意識を集中し(藤本さんごめんなさい)、家でCD聴く時は歌詞の意味をかみしめながら重い気分になる、という聴き方をしています。

ここで私が思ったのは、綾辻行人のホラー小説に近い感触かな?と。確かに残酷さや後味の悪さはそれっぽいですが、物語の展開はむしろ小池真理子の方が近いかも。藤本さんがそれらの作家の作品を参考にしたのかどうかはわかりません。でもその辺に通じるサスペンスな文学性を感じるのです。

こういう音楽の歌詞って深い意味がないとかよく言われますけど、昨今は世間でもてはやされてるJ-POPの歌詞の薄っぺらさと対照的に、皆さん深い歌詞を書いていらっしゃいます。陰陽座の瞬火氏あたりが代表的ですが、よく本を読んでるし、今のMUTHAS PRIDEで南さんが社会的な歌詞を多く書いておられることから、ニュースもよく見てるというのを感じます。
ベテランのみならず若い人たちも演奏のみならず歌詞に力が入ってるものが多いし、今の日本のハードでヘヴィな音楽はそっちに注目しても楽しめますよ。

それなら歌詞の一部でも載せろとかいう声も聞こえてきそうですが、そこは我慢の子で、買って聴いて下さい。それだけの価値はあります。損はさせません。私が保証します!
キーボードは岡垣さん、ドラムはろまんさんだよ!

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先頃、和風ガールズ・メタルバンドの「雛-hina-」が惜しまれながらそう長くなかった活動を終えました。思えば全員女性で、しかも「和風」というコンセプトを打ち出したバンドとしては天狗櫻が同じく短期間で活動停止していることから、女性だけでこういうタイプのバンドをやることが難しいのだろうか?という疑問点が浮かんできました。

嬢メタル隆盛の昨今、アイドル的なノリのバンドが多くて「WOMEN'S POWER」等のイベントでも私好みの「カッコいいバンド」というのは全部で5~6バンド出たらその中で2バンドあればいい方で、他はやってる方も見てる方もまるでアイドルグループのライブのようなノリにうんざりしてたものでした。そんな中でも雛-hina-は楽曲の良さと高い実力を持ち、天狗櫻が楽曲には光るものがありながらもアイドル的な部分が拭い去れなかったのとも違って正統的なメタルといった趣で、私は大いに期待を持っていたものです。
が、既にご存知の通り解散というあんまりな結末。彼女たちも天狗櫻もメンバーの脱退や休養が直接の原因だったようですが、どうもそれだけではないように思えるんです。

彼女たちが手本にしたであろう陰陽座…女性ヴォーカルを前面に出した和風メタルの先駆けとなって今も他の同系統のバンドよりはるかに抜きん出た存在としてひと際大きく輝いているこのバンドが他とどう違うのか…やはり瞬火という確固たるコンセプトを持った支柱となる人物が強力なリーダーシップを握っている、それに尽きると思います。
彼の頭の中には常に何作も先のアイデアが存在し、10作目となったコンセプトアルバム「鬼子母神」ですら結成当時から「アルバム10枚出せるくらいになったらコンセプトアルバムを作りたい」という案があったようです。

単純に「和風な世界を表現する」という点だけなら、大学の文学部は女子学生の比率の方が高いことから、むしろ女性の方がそういう面では強いんじゃないかと思ったんですが、やはりリーダーシップとなると文系女子じゃ弱いのかな?とも思えてきます。雛-hina-も天狗櫻もその辺がネックだったのかなあ…

これから先、こういうタイプのバンドが出てくるかどうかはわかりませんが、やるなら徹底的に強力なコンセプトとリーダーシップを持ったメンバーが引っ張っているバンドでなければ長くは続けられないんじゃないかと、私なりに思った次第です。そう、そんなリーダーが引っ張っていればメンバー脱退があっても乗り切れるはずなんですよねえ…

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「聖闘士星矢」主題歌「ペガサス幻想」、4パターン揃いました(本当はもっとあるそうですが)。
オリジナルMAKE-UP、再結成MAKE-UP、再結成MAKE-UP with 中川翔子、そしてDAIDA LAIDAですが…
何だか年々NoBさんのテンションが上がってきてる気がするし(おかげでオリジナルのがおとなしく聞こえる)、キーを落としてないのも凄いです。

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日本のHR/HMキーボード奏者の人気投票やったら1位になることの多い厚見玲衣さんですが、私はその「投票結果」に大いなる疑問を抱いています。
いや厚見さんは大好きなんですよ。岡垣さん・永川さんと並ぶ国内3トップだと思ってるし、恭司さんや元基さん同様に参加作品は徹底調査して購入し、詳細なレビューを書いてるし、「これは!」というライブがあったら遠征も厭わない、そのくらいのファンです。

私が疑問に思ってるのは、VOW WOW再集結とかMOON DANCERやCASINO DRIVEみたいな、この人のキャリアの中で重要なバンドの復活以外の(セッション系の)ライブに来る人が少なくて、「投票した奴ら、厚見玲衣が好きなんて嘘やろ!」いうことなんです。

岡垣さんがパープルやレインボーをやるセッションだとか、永川さんが同様のことやプログレセッションをやる時には結構集まるのに、この人の場合はそうじゃないんです。
以前神戸のチキンジョージでナルチョさん(Ba.)を中心に厚見さん(Key.)とか北島健二さん(Gt.)とか生沢佑一さん(Vo.)とか、物凄いメンバーが集まって(洋楽カバーばっかりだったけど)ライブした時に、来客数50人に満たなかったんですよ?他のメンバーも熱心なファンが多かろう人たちばかりなのに、何ですかこれは?

恐らく投票した連中の大半は、「キーボード奏者はよう知らんけど、ヴォーカルで人見元基に入れたからこっちも厚見玲衣でいいか」という考えじゃないでしょうか?
以前私が閉鎖した旧ブログで同じ投票やった時も、コメントに「人見元基最高!」って書いてたバカがいましたからね(-_-メ) あのね、私がやったのは「キーボード奏者の」人気投票。ヴォーカリストじゃないの!なのに何?「人見元基最高!」って…呆れて物が言えませんでしたわ。

岡垣さんはTERRA ROSA以降もジルプロやAPHRODITEがあるし、永川さんはNOVELAやEARTHSHAKER以降もGERARDがある…どちら様もご自身が中心のバンドを運営して活動されています。が、厚見さんはVOW WOWからCASINO DRIVE以降は矢沢永吉や忌野清志郎のサポート等、HR/HMとはやや距離を置き、今はメインのバンドがありません。あってもフロイドやヒープのカバーばかり…その辺もアピールが弱いのかな?と思います。
VOW WOW時代には凄まじい演奏のみならず、バンドの代表曲を幾つも作ってたのにねえ…
ハモンドオルガン(年代物)のみならず、ミニモーグやメロトロンも使いこなす技量は本当に凄くて、あの「要塞」が伊達じゃないことは1回でも見て聴いたらわかりますよ。

それにしたって、厚見さんを元基さんのおまけにしか思ってない元基(だけ)ファン、恭司さんの悪口を平気で垂れ流す元基(だけ)ファンの存在にはうんざりするばかりです。そういう連中に限って元基さん出演のライブだとかVOW復活ライブには来なかったり、「1回行ったからいい」と、他の歌手やアイドルに浮気するザマ。
私は元基さんの出たライブ、今まで16回行ってんですよ。その内の半分以上は遠征。恭司さんのみならず、厚見さんも元基さんも熱心に追ってますよ、相変わらず。恭司さんや厚見さんを軽視する元基(だけ)ファンには全く負けてませんよ。
まあ、元基さん出演ライブの後でいつも一緒に飲んでる面々には先述のようなバカは1人もいないから救われてますけどね。

ほんまに、厚見さんを「ただの便利屋」と思わず(いやキーボード奏者全般か?)、もっとその技量を評価してほしいもんですよ。

…すいません、(いつものことですが)勢い余って暴走してしまいましたm(__)m

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① Eclipse
② D.D.C.
③ Daybreak
④ MOONSTONE
⑤ DEEP-G
⑥ Hyperfly
⑦ Waves
⑧ Phantasia
⑨ Amnesia
⑩ Scapegoat


蛇石マリナ:Vocals
及川樹京;Guitars
HIBIKI:Bass
弓田秀明:Drums


 元DESTROSEのMarinaこと蛇石マリナが昨春に同バンドを脱退して始動させたソロ・プロジェクトが正式なバンドとなっての1stアルバム。

 マリナは11年のDESTROSE加入以来、その優れた歌唱力とステージでの振る舞いのみならず創作面でも貢献してバンドを大きくレベルアップさせ、13年には待望の1stアルバム発表にまで漕ぎつけさせたのだが、自身の目指す音楽を追求するためにと翌年には脱退。その直後にはDESTROSE以前のバンドメイトだった及川氏とともに新プロジェクトの立ち上げを発表、「Mardelas」を名乗って7月には名古屋での「ELECTRIC LADY LOUD」で初ライブを敢行する。そしてベースにLIGHT BRINGERのHIBIKIを迎え(ドラムは打ち込み)、アルバムの予告編?として本作にも収録された③⑧をシングルとして自主制作で発表する。これが好評を博し、15年にはフルアルバムの発表もアナウンスされ、俄然期待が高まってきたのだった。
 当初は「まずミニアルバムを発表する」という話だったが、マリナと及川氏の共同作業で生まれていく曲の出来の良さに、「まずはシングル、続いてフルアルバム」という流れに変更になったようだが、更に驚きはアルバムがメジャーのキングレコード(NEXUSレーベル)から発表されるということ。同じくDESTROSE出身者たち(但し在籍時期はマリナとは異なる)が結成したMARY'S BLOODが先にメジャーデビューしていたが、彼女たちに続いて古巣バンドを飛び越えて大きくステップアップすることになったのだった。
 さてここで心配だったのは、女性ヴォーカルのバンドや全員女性のバンドでメジャーに行ったものの多くが次第にポップな方向性に転換させられたことで、元々DESTROSEでもMina隊長の作るゴリゴリなメタル曲とやや違い、ハードな中にも親しみやすいメロディを作ってきたマリナだけに、「ひょっとしたらJ-POP的な方向に持っていかれるのでは?」ということだった。だが及川氏の作曲によるシングルの2曲はしっかりメタルしてたし、AKBやももクロに水樹奈々で潤ってる分は不採算部門であろうメタルやプログレの方にも力を入れるようになった今のキングだし(昔のジャパニーズ・プログレ名盤の紙ジャケ再発やNOVELAのBOXセット等、他のレコード会社ではまず考えられない)、陰陽座にも長い曲や3部構成の組曲、更にはコンセプト・アルバムや2枚同時発売などと好きなことをやらせてるような会社だから、その辺はまあ、大丈夫じゃない?とも思えてきた。同じレーベル所属のLIGHT BRINGERが活動休止したことでHIBIKI、そしてそれまでライブでサポートしていた弓田氏も加入が決まり、いよいよ待ちに待った4月22日、満を持して発表されたのが本作である。

 まずは激しく疾走する①からしてメタルであること、そしてこのMardelasがもうソロ・プロジェクトではなく確固たるバンドであることを強く感じさせる。DESTROSE時代以上と思えるパワフルでなおかつ表現力も豊かなヴォーカルもさることながら、本作で最大級の驚きは及川氏のギターの演奏力と創作力だろう。先行シングルでもその片鱗は感じさせていたが、以前のバンドが解散して13年末にSCREAMING SYMPHONYに加入するまで音楽活動を停止していたというのが信じられないくらいの強力さだ。速弾きのみならず、メロディに重点を置いた味わいのあるプレイも出来るのが素晴らしい。リズム隊の2人はLIGHT BRINGERで既に実力を見せつけていた通り、こちらでもガッチリとバンドの底辺を支えている。特に先行シングルだった③⑧はドラムが生身の人間になった効果が期待以上に出ている。

 更に驚くべきはバラエティに富んだ楽曲で、まずは及川氏の優れた創作力が注目に値する。①はマリナとの共作、③④⑤⑥⑦⑧が彼単独での作曲であるが、典型的なメタル曲のみならずややファンキーな④やポップな⑦みたいな曲も作れるし、⑥みたいに遊び心のあるものまで作れるあたり、引き出しの多さを感じさせる。一方のマリナも②⑨⑩を単独で作曲しているが、ハードな②⑩のみならず⑨みたいなバラードもあり、これまた及川氏の曲に劣らず素晴らしい。

 それにしてもマリナの歌唱力はここに来て更に高いレベルに達しているようだ。DESTROSE時代からライブでは凄みを発揮していたとはいえ、アルバムでは必ずしもそれがうまく反映されていないと感じられる部分もあった。だが、本作では大迫力のシャウトからバラードでの切ない歌唱まで、その表現力の豊かさをたっぷり味わえる。この辺は「DESTROSEでは自分の方向性をバンドに沿わせていた」との言葉通り、自分の好きなようにやれるようになったのも大きいのだろうか?実にのびのび歌ってるように感じられるし、きっとライブでは更に凄いことになるんだろうなと、まだこのバンドになってからのライブを体験出来ていない私は思うのである。それだけに5月の大阪でようやくリアルに体験出来る、それが楽しみでならないのだ。

 演奏・楽曲とも素晴らしいし、マリナの歌声の素晴らしさはメタルファンなら「日本人だから、若いから、女だから」という偏見を持たずに聴いてほしいし、更にはメタルファンでない人たちにもアピール出来るものがあると思う。的確な例えかどうかわからないが、若い頃の大黒摩季にも通じるような、歌声だけでジャンルを超えて多くの人にアピールする魅力があると思うのだ。
 というわけで本作、現時点で今年最大の強力な作品と言いたくなる。12月が終わるまでにいろんな人たちが優れた作品を出してくるだろうが、恐らくはそれらに負けることなく2015年の私的ベスト作品の有力候補になることだろう!

前々から考えてた「仮面の忍者・赤影」をメタルな人たちでやったらおもろいやろな~というのを披露してみます。少なくとも「RED SHADOW・赤影」よりおもろいと思うぞ(笑)。


赤影…HILE(CRYING MACHINE)
青影…うちの甥っ子
白影…金谷幸久

木下藤吉郎…西田昌史(EARTHSHAKER)
寧々…きのっぴぃ(WINDZOR)
竹中半兵衛…小野正利(GALNERYUS)
織田信長…二井原実(LOUDNESS)
濃姫…黒猫(陰陽座)

甲賀幻妖斎…瞬火(陰陽座)
鬼念坊…岩城保夫(EBONY EYES EXCELLENT)
蟇法師…堀江睦男
傀儡甚内…村中♪ろまん♪暁生
闇姫…蛇石マリナ(Mardelas)
朧一貫…南安秀(MUTHAS PRIDE)
不知火典馬…下山武徳(SABER TIGER)
魚鱗流伯…三宅庸介(STRANGE,BEAUTIFUL&LOUD)
白蝋鬼…長田昌之(CONCERTO MOON)
猩猩左近…SATOSHI(KNOCK'EM DEAD)
黒道士…脇本靖
魔老女…五十嵐美貴(SHOW-YA)
むささび道軒…鈴木広美(KRUBERABLINKA)

宣教師ペドロ…JJ(紫)


オリジナルに忠実に、幻妖斎が敵のボスだった前半をベースに考えてみました。金目教編は悪童子と夢堂一ツ目があんまり必要なさそうだからカット、卍党編は誰もが個性的だったから全員採用しました。
青影は…やっぱり子供がいいけど、どなたかの息子さんでよく見かけるとか無いし、メタルじゃなくてEXILEが好きだけどうちの甥っ子(中1)でいいかということに。やんちゃ坊主だけど大目に見てやって下さい。
寧々と濃姫はオリジナルには登場しませんが、あんまり女っ気が無いので加えてみました。

さーて、見ものは金谷さんの凧と脇本さんの傘での空中戦!どんな凄い映像になりますことやら。

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① ブランコ
② 8
③ サイコロ
④ キウイ
⑤ ピエロの心臓
⑥ 夜光虫
⑦ スゴイダンス
⑧ 火の玉が海を泳ぎきる
⑨ 案外


赤尾和重:Vocals
鈴木広美:Guitars
泉谷賢:Drums
片岡祥典:Keyboards
鎌田学:Bass

今給黎博美:Piano(⑧)


 今年5月に発売された3rdアルバム…って、4月のレコ発ライブで先行発売された時に入手してたのだが、レビューするのがすっかり遅れてしまった(汗汗)。

 昨年初頭の前作「KAIZU」を発表後にキーボードの岡田英之が脱退、後任にALL IMAGES BLAZINGの片岡さんを迎えてその後もライブは続けられるが、年末にはベースの山崎浩一までも脱退、正式な後任探しが難航、サポートとして元MARINOの鎌田さんを迎えて予定されていたライブは敢行された。なお、その時にはドラムのボン(泉谷)さんも事情により欠席、たまりゃんを代役に迎え、リズム隊の違う珍しい編成を拝めることとなった。

 ボンさんが戻り(別に抜けてたわけではないが)鎌田さんもそのままサポートして制作された本作は、それまでの2作よりも更にTERRA ROSAの色が抜け、もはや「様式美」と呼んでいいのかも難しい内容となった。もちろんその仕上がりは素晴らしく、赤尾さんの絶唱も広美さんのギターも、脇を固める他のメンバーの演奏も見事なものだし、各曲の完成度は非常に高い。だが、それまでの作品ではまだ色濃く感じられた構成のはっきりした部分よりも、自由奔放な部分の方が強く出た作品となっている。
 それまでは突っ走るタイプの曲で始まっていたが、今回の①はミドルテンポだし、曲名通り前作の「メロン」の流れの上にあると思える④など、ユニークな曲も散見される。ユニークと言えば曲名もユニークさを増し、パッと見どんな曲なのか想像もつかないものが多いのもご覧の通り。とは言え、⑤までやや面喰いながら聴き進んでいく中で、曲名通りロマンティックな⑥からハードな⑦に続くあたり、従来通りの部分もあってホッとするのだが、かなり作り込まれた部分も多く、1度や2度聴いたくらいでは全体像を掴むのも難しい。シンプルにノリやすい曲が少ないこともあってか、ライブでやるのも難しいようで、レコ発でも本作からよりそれまでの2作からの曲の方が多いという不思議なレコ発となっていたものだ。

 なお、⑧に参加している今給黎さんというのはクリスタル・キングのメンバーで、そのピアノが独特の味を出している。
 そして疾走する⑨は「やっと出てきたか」という感じで最後の最後に盛り上げての締めくくりとなっている。

 いわゆる典型的な様式美の色は薄れたが、このバンドにしかない個性的な音楽という意味での様式美ならしっかりキープされている。TERRA ROSAと言うよりはカルメン・マキ&OZに近い…いや、それすら半分も当たってはいないだろう。他の多くのバンドで見られるように、1作目=提示、2作目=発展と来て、3作目=実験に当たるのが本作での多様な試みだとすれば、次の4作目=完成(実験の成果)となるのだろうか?いや、このバンドのことだからきっとまた大きく予想を覆す作品を出して驚かせてくれるだろう。

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BLUE DISC

① 時には母のない子のように
② マキの子守唄
③ のこされた人形の唄
④ 坊や大きくならないで
⑤ 死んだ男の残したものは
⑥ 戦争は知らない
⑦ 種子~はだしで歩いて行くと~
⑧ 子供~家族の肖像~
⑨ 時には母のない子のように(イタリア語バージョン)
⑩ 月の沙漠
⑪ 赤とんぼ
⑫ The Water is Wide
⑬ アフリカの月
⑭ 海の詩学
⑮ ペルソナ
⑯ 街角
⑰ ジェルソミーナ
⑱ ムーンビーチの砂の上
⑲ Lilly was gone with Windowpane(我友‘CISCO’に捧ぐ)

RED DISC

① UNDERSTAND
② LORD,I CAN'T BE GOING NO MORE
③ JAMAICAN GETAWAY
④ B.C.STREET
⑤ FLY HI FLY
⑥ ROCK'N'ROLL STAR
⑦ FEVER
⑧ EASY COME,EASY GO
⑨ 私は風
⑩ 六月の詩
⑪ 崩壊の前日
⑫ 閉ざされた街

PURPLE DISC

① 夜間飛行
② AWAKENING
③ アポトーシス
④ 時計を止めて
⑤ 記憶の海
⑥ いつまでも
⑦ A Red Flower
⑧ Lilly was gone with Windowpane(我友‘CISCO’に捧ぐ)
⑨ 空と陸の交わったところ
⑩ それはスポットライトではない
⑪ 1999
⑫ NORD~北へ~


先頃発売された、カルメン・マキのオールタイム・ベスト。これが優れものです!
70年代のOZ、80年代の5Xあたりでこの人をHR/HMシンガーとして認識している方も多いと思いますが、それだけに留まらない魅力が満載です。

BLUE、RED、PURPLEの3枚組で、フォーク歌手としてデビューした頃から比較的最近までのソフトな曲を集めたBLUE、OZや5Xあたりのハード・ロッキンな曲中心のRED、そして90年代から現在までのドラマティックな曲を集めたPURPLEという構成が秀逸です。ロックな彼女の好きな方はREDが気になるところでしょうが、意外にもOZの曲は4曲のみ…ご本人はいつまでもOZだけのイメージに縛られるのは嫌だそうで、その辺が聴きたければ1枚もののベストもあるし、安いです(笑)。

OZばかり求められるのは嫌だと言いつつ最近のライブでも気が向けば歌ってくれるし、この3枚に収められた楽曲を聴けば、彼女がどれだけ多彩な歌を歌えるか、そして今も進化を続けていることが実感されます。
個人的には、PURPLEで聴ける曲が最も気に入ってて、最もおすすめです。年々深みを増している歌声を聴けば、REDで聴けるHR時代の歌唱でさえ発展途上に思えるほど。
寺田恵子や赤尾和重といった偉大な人たちにも影響を与えた彼女は、今では小さなライブハウスでピアノやバイオリンをバックに歌っていますが、その歌声には長いキャリアゆえの重み、深みが感じられ、胸を強く打たれます。更に年月を重ねたら、美輪明宏の女版とも言える領域に達するのではないかとさえ思われます。

70~80年代をリアルで知る人にも、寺田さんや赤尾さんからさかのぼって知った人にも聴いてほしいし、今の若い女性メタル・シンガーの好きな人にも「こんな凄い大先輩が道を切り開いてきて、今も凄い歌を聴かせているんだ」ということを知ってほしいので、RED1枚だけでなく、3枚全部聴いてみて下さい。損はさせないというか、値段分以上の価値は十二分にあります!

そして、機会があるならライブに足を運ぶこともおすすめします。アコースティックな演奏をバックにしながらも、その歌唱には魂を揺さぶられることを保証します!
 

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我が人生で最も思い出に残るライブ2つを収録した、一生の宝と言うべきDVDです。

私の最も愛するバンドの双璧であるVOW WOWとTERRA ROSA、片やレコードで散々聴いてはいたがライブは1度しか行けずに解散、片やその存在を知ったのは解散直前でライブを観ることは叶わず、後に再発されたCDを聴いてリアルタイムで知らなかったことを悔しがり…

21世紀を迎える前後からかつての大物バンドが次々復活する中で、彼らの復活はないのだろうかとひたすら待ち続けておりました(BOW WOWとしては復活して今も続いていますが)。

だから08年のTERRA ROSA、09年のVOW WOWの復活ライブ(後者はバンド名を冠せず「アックスの奇蹟」名義でしたが)はまさしく待望、切望、渇望していたものでした。
そしてそのライブの素晴らしさに感激、それが(結構待たされたけど)DVDとして形になった…TERRA ROSAは完全収録ではありませんが、それでも場面場面で当日の思い出が蘇ってきます。

信じ続けて、待ち続けて良かった、そしてこの日まで生きてて良かったと心から思いました。そしてこうして手元にその記録があるのだから、希望を失いかけた時でもこれらを観ればあの日の会場にタイムスリップして、それを糧に生きていける…

これからも私が生きていく上で心の支えになり続けてくれるでしょう。

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ここ数日で観たDVD…外道とDESTROSEって、キャリアも随分開きがあるし性別も違うし、日本のハード・ロック/へヴィ・メタルという以外共通点ないやろっ!とツッコミ入りそうですが…
熱いロック魂がビシバシ伝わって来さえしたらそこにキャリアも性別も(演奏形態も音楽性も)大きな問題じゃないんです。
外道は今の上手いリズム隊もいいけど、オリジナル・メンバーの勢い任せの演奏も「熱気」では負けてません。
DESTROSEはMarinaの歌が素晴らしい!惜しくも本DVD発売を待たずして脱退したけど、彼女のソロ活動、そして後任・里彩を迎えたバンド本体の活動、双方に期待が持たれます。

HR/HMという大きなくくりの中なら、ファンの誰もが仲間でいたいですよ。自分が好きなもの、聴き馴染んできたものしか認めないという人も多く、年代ごとに輪切りになったり、好きな方向性の違いで対立したり、しまいには同じバンドの中でも自分の好きなメンバー以外の悪口…そんなのに辟易するばかり。
良いものには国籍もキャリアも性別も関係ないですよねえ?
やってる方は老いも若きも一緒にやって刺激し合ってるのだから、ファンも古い世代と新しい世代が情報を交換し合ったりして、皆仲良くしましょうよ。それがシーンの更なる活性化につながると信じてます。

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 まあ、どこのどなたとは申しませんが(笑)。

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① VENUS & MARS
② REAL
③ CHANCE
④ MOTHER OF THE EARTH
⑤ WING~翼~
⑥ SPACE HERO
⑦ WORLD OF LOVE
⑧ TAKING OFF
⑨ あなたがいたから
⑩ STARCHILD


森川邦子:Vocals
福村高志:Drums
後藤晃宏:Guitars
七條義則:Bass
遠藤コースケ:Guitars


 RAJAS、実に28年ぶりとなるフルアルバム!

 80年に結成された同バンドは、関西メタル界の例に漏れず幾多のメンバー・チェンジを重ね、X-RAYに加わる臼井隆文(Ba.)やPRESENCEに加わる白田一秀(Gt.)等が初期には在籍していた。やがてセンちゃん(森川)、ババちゃん(福村)、アックン(後藤)、山本好一(Gt.)、CRAZY COOL JOE(増本正志、Ba.)というメンバーで84年にメジャー・デビューを果たした。オムニバス・アルバム「BATTLE OF METAL」、単独のミニアルバム「RAJAS」を発表後にCRAZY COOL JOEが脱退、元GANGLANDの河内倫子が加わって、翌年に初のフルアルバム「TURN IT UP」を発表…とまあ、ここまではいい調子で活動していたのだが、その年の暮れにババちゃんとノンちゃん(河内)が脱退。バンドは後任を迎えるもやがて失速、しばらくして解散に至った。
 その後は音楽活動を続けたメンバー、引退したメンバーと様々だったが、21世紀になってから「HARD ROCK SUMMIT」出演のために「TURN IT UP」発表時のメンバーで再結成、ライブも開催した。それから再びメンバーの異動を繰り返しながらミニアルバムを2枚発表、緩やかながらもライブ活動を続け、今年になってようやく待望のフルアルバム発表となった。それが本作である。

 センちゃん、ババちゃん、アックン以外のメンバーがしばらく落ち着かなかったが、ノンちゃんの後任だった七條さんと、同バンドには初参加となる(しかし付き合いは長かったらしい)コースケさんが加わったことでようやくそれも落ち着いたようである。

 さて本作だが、「TURN IT UP」の次に来てもおかしくないアルバムを目指したというが、うーん、それはどうだろう?あのアルバムは確かにハードではあるものの、オムニバスやミニアルバムに比べたら、プロデューサーだったマーシーの意向でポップな部分も加味されてたし、若さゆえの粗削りな勢いがあった。それに対して本作は、ポップな部分よりもハードな部分を強調した作りとなっている。でも歌メロは馴染みやすく、またメンバーの年齢にふさわしく落ち着きというか、重厚さ・余裕・貫禄…そういうものが強く感じられる。

 演奏面はババちゃんの重量感あるドラムを中心にがっちりまとまっているのが強みだが、何といっても特筆すべきはセンちゃんのヴォーカルだろう。若い頃からその歌唱力に対して高い評価を得ていたとは言いにくいし、バンド解散後には長いこと歌ってなかったこともあって、再結成間もないころは昔の曲が歌えておらず(特に高音が出ていなかった)、聴いてて痛々しい場面も多々あった。が、それもライブを重ねるごとに勘を取り戻し、その上に円熟味も加わって、現在では若い頃以上に迫力と説得力を増している。そりゃ細かいことを言えば、もっと上手いと思える人は多くいる。だが、今のこの人の歌声にはそういうものを超越した「凄味」が感じられる。実際、あの赤尾さんと対バンしても聴き劣りすることは無かったし、むしろその2人の翌週に聴いた某・寺田さんの歌声が鼻歌に聞こえてしまうくらい、センちゃんの歌に込められた「力」は大きかったと言える。いや、寺田さんは寺田さんで今の彼女なりの良さがあるんだけどね。あの人はその時みたいな洋楽のカバーを歌うより、言葉の意味のはっきり伝わる日本語の歌を歌った方が持ち味を発揮出来るかなと。
 赤尾さんがカルメン・マキとすればセンちゃんは金子マリ、そんな域に近づいているのではないかと思った。

 ラストの⑩は「TURN IT UP」のラストだった「YOUR SONG」を思わせる壮大なスケールのバラードだが、あの時点でのあの曲とは比べ物にならないくらい歌声の深みが感じられ、実に感動的だ。

 「RAJASなんかあんまり知らんし~」とか「センちゃん?他に上手い人もっといるでしょ」なんて思ってる人にこそこのアルバムを聴いてほしいし、出来ればライブでもっとぶったまげて「へへーっ!」とひれ伏してほしい。たとえ歌詞を間違えようが「SHOCK!」の大部分を観客に歌わせようが、この人の歌声の持つ「力」は本当に凄いんだから。

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① THE GENERATIONS OF CHAOS
② HEADLESS GODDESS
③ SWORD OF AVENGER
④ SKYKILLER
⑤ DESTINATION
⑥ ROMANCER
⑦ FENIXX
⑧ LIFER 13
⑨ NOSTPHILIA
⑩ 破壊の薔薇


Marina:Vocals
Mina隊長:Guitars
成美:Guitars
miho:Bass
Haruna:Drums


 東京のガールズ・バンド、待望の1stアルバム。

 Mina隊長を中心にDESTROSEが結成されたのは07年のことだが、同時にそこからメンバー・チェンジも繰り返されており、現MARY'S BLOODのSAKI(Gt.)や元・朱雀のSatty(Gt.)も在籍していたことがある。が、このバンドの決定的な弱点は、ヴォーカルが次々入れ替わるということだった。同じくデビュー前にメンバー・チェンジが多発したバンドと言えばTERRA ROSAが思い浮かぶが、あちらさんは岡垣・赤尾コンビが不動だったためにバンドとしての軸は大きくブレなかったと思われる。だが、ヴォーカルがよく入れ替わったと言えば…そう、SABER TIGERを思い浮かべてしまった。あちらさんもそのためにアルバム発表に漕ぎつけるまで10年くらいかかっていたし、このバンドも初のシングル「破壊の薔薇」を発表したのは既に結成から3年経過した10年暮れのことだった。それからVo.とDr.が入れ替わって翌11年にシングル「DEATHLESS MEMORIES」を発表、その後に隊長以外のメンバーが脱退して、一時は活動休止に陥る。
 だが、その後にMarinaをはじめとする現在のラインナップに近いメンバーが集まり、12年にシングル「FENIXX」を発表。その後Gt.の片方が華子から成美に入れ替わり、同年末にシングル「NOSTPHILIA」を発表。長らく続いたメンバー・チェンジもようやく落ち着いたと見えて、今年ついにアルバム発表がアナウンスされた。そして今月に入って発表されたのが今回紹介の本作である。

 さて本作、既発曲がかなりの割合を占めており、③⑤⑦⑨はMarinaと現リズム隊加入後のシングルからで、リミックスやアルバム・バージョンでの収録となっている。④⑧⑩は旧メンバーで発表のシングルを現メンバーで再録、②⑧は歌詞を書き替えての収録である。つまり、既発音源に入ってなかった曲は2曲だけで、序曲の①を除けば⑥のみ。これは作者クレジットから新曲だと判断されるが、今回こういう選曲になったのは、ライブでの人気曲を集めたらこうなったらしく、結果的に同バンドのここまでの活動集大成となったように思う。

 さて、メンバーが定まらなかった時期のライブでは一体感も弱く、全体の音がグシャグシャにしか聞こえなかった彼女たちだが、最近のライブではMarinaの強力なヴォーカルと存在感に引っ張られるが如く、隊長のギターも本来の持ち味を発揮し、リズム隊のコンビネーションもバッチリ、成美のギターも隊長と違った持ち味で活躍と、バンド全体が良い方向に向かっていたのがはっきりわかったので、アルバムの方も非常に楽しみだった。そして出来上がった本作は、まさに期待を裏切らない素晴らしい仕上がりとなっていた。

 細かいことを言えば、ライブでの迫力を再現することに必死になりすぎて、Marinaのヴォーカルがやや力みすぎに思える場面もあるし、元々SHOW-YAのコピバンを母体に結成された経緯からか、「SHOW-YAみたいやん」って思える曲もあったりするんだが、これが最初のアルバムだということを思えば上々の出来である。

 やはり特筆すべきはMarinaの創作力の高さで、作詞がほとんど(④⑩が隊長単独、⑦は隊長との共作)なのは別に珍しいことではないが、作曲面でも①②④⑧⑩が隊長単独、⑤が外部ライターである以外は、⑥⑦が隊長との共作で、③⑨を単独で作っている。これがまた完成度の高い曲ばかりで、本作中で特に印象に残る曲には大抵Marinaが作曲面でタッチしているというのは凄いことだ。良い曲を作れて歌唱力も高く、その上に容姿も良いのだから(私好みだから贔屓してるわけではありません…多分)これは本当に強力。

 そしてリズム隊のコンビネーションも良く、ギター2人も同様。特に隊長の方は以前の不安定なラインナップの中ではグシャグシャにしか聞こえなかったのがまるで別人のように高度な技術と、胸が熱くなる感覚を味わわせてくれる。その上にMarinaの伸びやかでパワフルなヴォーカルが乗るのだから、これは本当に聴き応え十分だ。

 メンバー・チェンジが慢性化していたバンドだから、今後どうなるか予想もつかないが、どうか今後もこのラインナップを維持して2作目、3作目と作っていってほしいものだ。特にいろんな面で優れた能力を持ったMarinaには「これなら私ソロでもやっていけるじゃん」なんて言わさずに、是非このバンドの顔として定着してもらうことを強く希望する。
 

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