カルメン・マキ&OZ LIVE 2019


DISC-1
① 崩壊の前日
②六月の詩
③ LOVE SONGを歌う前に
④ COSMIC JAM
⑤ UNDERSTAND
⑥ Blue-Tange
⑦ 閉ざされた町

DISC-2
① Image Song
② 午前1時のスケッチ
③きのう酒場で見た女
④ 街角
⑤ 26の時
⑥ 私は風
⑦ 昔


カルメン・マキ:Vocal
春日博文:Guitar
川上シゲ:Bass
武田治:Drums
厚見玲衣:Keyboards


 カルメン・マキ&OZ、2019年の再結成ツアーより、11月24日の川崎クラブチッタ公演を収録したライブアルバム。同内容のブルーレイも同時発売されている。

 私はこのツアーの大阪公演に行ったのだが、歌も演奏もとにかく凄まじかったのを覚えている。当時68歳とは思えぬマキさんの迫力と艶も張りもある歌声に痺れ、シゲさんの爆音ベースに驚き、そして他のメンバーの確かで高度な演奏にひたすら打ちのめされていた。
 その時と曲目・曲順は若干違うとはいえ、それがパッケージされて世に放たれるというのはこれまた感激で、私はCDもブルーレイも両方手に入れた。

 大枠は78年の「LAST LIVE」を踏襲した感じだが、インストの1-④⑥、ブルース・クリエイションとの共演アルバムからの1-⑤、2-③④がアコースティック・セットという一味違った趣向も凝らされている。
 ここでの厚見さんは、オルガンやメロトロンでの貢献度が高く、ミックスの関係もあろうが、かなり前面に出て来ている。インスト2曲でもそうだが、数々の名曲に彩りを加えており、そしてコーラス面でも大きく貢献している。実は90年代から断続的に復活してきたこのバンド、鍵盤はその都度厚見さんだったのだが、もうすっかりメンバーとしてその一角を担っていると言えよう。

 音源として腰を据えて聴くと、やはりある程度は年相応の声に聞こえてしまうのだが、ブルーレイを見ているとそれは全く感じなかったし、年相応と言っても衰えたのではなく、むしろ円熟味を増したと言うべきだろう。
 日本で女性がロックを歌うということの道を切り開いてきたマキさんの魂の歌唱、この時のツアーで見れなかった人は是非本作でその凄みを感じてほしいと強く願う。