さて、昨日のSHOW-YAレポです。
SHOW-YAは2年ぶり6回目になるんだけど、再結成してからしか行ってないものの、毎回その圧倒的なステージングに感服させられる。若い女性バンドが多く出ている昨今、その先駆者として他を寄せ付けない技量と存在感が味わえるから、毎年とはいかなくても都合が合えば行ってきたものだ。
さて今回、新作を制作中っていうことで新曲も披露されるというのが楽しみだった。三連休中日だし、他に見たいのも被ってたりしたけど、やはりしばらくぶりに見たくなったということで。
近年ちょっと納得のいかないことがあって、VIP席12000円、スタンディング6800円という設定。VIP席は椅子ありでフロア前方なんだけど、どうもこの設定は金持った中高年を狙ったものと思えるが、金持ってない中高年だっているんだぜ。でもSHOW-YAのライブっていつも2時間ピッタリくらいだから、迷わずスタンディングを選んだ。
場内は結構な入りで、やはり年齢層は高め、というか本当はそこまで気にしてないのだが、私は例によってキャプテンがよく見える下手側に陣取った。
さて時間通りに場内が暗転、「移民の歌」のSEが流れてメンバーが続々登場。やっぱり恵子さんが最後に出てきたらひときわ大きな歓声。そして開演となった。
まず意外な「奪いとれ!」から始まり、その後も新しめの曲やこれまでライブであまりやってこなかったであろう曲が続いて、だからここに「何の曲をやった」というのがあまり書けなくて、途中「叫び」「何故?」があったのはわかったが、いつもと違う展開にちょっと驚き。でも私は毎回「OUTERLIMITS」からの曲が要所要所を固めるという構成はそろそろ変えた方がいいと思っていたので、これはこれで良い。
そしてMCに入って、いつもの如く恵子さんのおもろい話は絶好調なのだが、今回のツアーは特別なものという。それは…
キャプテンの還暦記念ということ!
え?と思う人も多いと思う。今まで知られてきた情報では、キャプテンの生年月日は1961年9月27日、だからもうじき来る誕生日になっても58歳でしょ?となるはずだが、実は私、ちょっと前から知ってたんです。本人のブログのプロフィール欄に「1959年9月27日」って書いてあったし、2年前のMCでも61年生まれとするには辻褄の合わない話があったりして、「やっぱりサバ読んでたん?」となったのだ。でもそれを知らない皆さんがほとんどの手前、知らないそぶりを見せていたんです。
そっかあ…ずっと松田聖子や岩崎良美や藤あや子と同学年という認識だったのだが、実は永川さんはじめEARTHSHAKERのメンバー、二井原さん、令文さんと同じ学年で、タッカンや岡垣さんや赤尾さんより1つ上だったのか…
でも女性有名人で同学年を探してみれば、田中美佐子と石川ひとみが浮かんだし、お二人の今の姿を思い浮かべれば、なんだまだまだ若いじゃない?と思った。
きっとSHOW-YAデビューの時に一人だけ26歳じゃあ若くないじゃん、ということで2つ下げて24歳ということにしたんだろうな。
だから今回はキャプテンが主役という感じで進行、そこでキャプテン作曲でGソロもなくKeyがリフを奏でソロも独壇場の「魔性」が。そこから数曲やって、恵子さんが「こんなエロい歌詞の歌、キャプテンが本当にやったら不倫じゃん」と笑いを取る。ご存知の方も多いかな?このバンド唯一の既婚者がキャプテンだってこと。
「キャプテンは最年長なのにこのバンドで一番乙女なキャラじゃない?でもガチ怒りしたら一番怖いんだよ。怒ったとこは2回くらいしか見たことないけどさ」
いつもはSUN-GOがよくいじられるけど、今回はキャプテンをいじりますってことで、まさにその通りの展開に。
それから今制作中のアルバムからの新曲を披露ということだったが、今度のアルバムは海外発売を視野に入れて全曲英語詞とのこと。実は私、これにちょっと不安を抱いていた。だって恵子さんって、日本語で意味の伝わる歌を歌ったら超強力だけど、英語のカバー曲を歌ったらイマイチその威力を発揮出来ないから。結構前にそういうライブがあって、しかも前の週に赤尾さんの「歌詞が乗らないスキャットでも圧倒させる声そのものの凄み」を味わった後だから、申し訳ないが聴き劣りしてしまったのだ。
だが実際聴いてみればそれは杞憂だった。確かに元基さんみたいに発音も良くなきゃ恭司さんみたいに単語が聴きとれる歌い方でもない。でも声そのもので惹きつけられる、それでカバーして余りあるものだった。もともとハイトーンが凄いとか声量で圧倒するタイプではないけれど、ここにきてキャリア相応に「声そのものの旨み」が増したんだなあと思った。
でもやっぱりその後に歌われた日本語のバラードの方が持ち味を発揮出来てたんだけどね。
それから演奏陣の話のコーナーで、いつもはミッタン→サトちゃん→キャプテン→SUN-GOの順番なんだけど、今回はキャプテンが最後。20代でデビューした頃はこんな年までやってるとは思わなかったけど、今こうしてやってるのが感慨深いという話でジーンとくる。サトちゃんの「最近たまにキャプテンがぜんまいで動いてるように思える時がある」には笑ったけど。
キャプテン、ミッタンのソロのコーナーが続くが、つくづくその演奏力の高さには舌を巻く。全員女性でしかも皆さんもう若くないのに、男のバンドにも全く負けていないこの迫力は何なんだ?SUN-GOのギターも、そしてサトちゃんのベースもそうなんだけど、とにかく音圧が凄い。見た感じ誰も女子プロレスラーみたいなメンバーいないのに(笑)。やっぱり迫力のある音を出すには性別とか体格とか関係ないんだね。
さて終盤はおなじみ「私は嵐」「BATTLE EXPRESS」と続き、長いことアンコールの定番だった「FAIRY」で本編が終わった。
アンコールはまずちょっとなじみのない曲をやって、これもおなじみ「限界LOVERS」に続く。そしてSE「地下水道の月」が流れて全編終了となった。終わってみればいつもより10分くらい長かったので、ちょっと得した気分。
それにしても、いつもライブのたびに感服させられるバンドだ。このところギターに関しては、今時の速弾きの人は綺麗に弾くけど迫力が足りないなという話題がよく出てきて、最近ようやくスウィープがどういうものかわかってきた程度の私なんだが、ああいう撫でるような弾き方よりもがっつりピッキングした方が迫力があるのは当たり前なんだなというのはわかった。SUN-GOにしてもそうで、女性で(いや男でも)あれだけ太い音を出してる人はなかなかいないよ。そしてそれは単に握力とかによるものでもあるまい。手が小さくても握力なくても弦のテンション緩くても迫力って出るもんだし、それはどれだけ情熱を込めて弾くか、なんだろうね。
今回はキャプテンが主役なので最後は彼女について書くけど、オルガンの迫力とピアノやシンセの繊細さの絶妙な同居が魅力と言っていいだろう。そしてコーラスでもその貢献ぶりは見事で、もともとアマチュア時代にはヴォーカルもやってたこともあってか、たまに恵子さんより高いパートを破綻なく歌ってしまうこともある。厚見さんみたいに並みのヴォーカルだったら食ってしまうというでもないが、ANTHEMにおける柴田さんくらい不可欠な声であると言えよう。
もう還暦ということだけど、いつまでも若々しくて可愛らしく、優しいお姉さんといった雰囲気はまるで変わらない。いつまでそういられるかは想像もつかないが、まだまだ元気に「女性がロックをやるというのはこういうこと」という手本を示し続けてほしいものだ。