2019年07月

ぺスター

「すいませんねえ、2人分占領しちゃって」

京アニ放火

皆さんご存知の通り、被害者の方々にはあまりに痛ましく、犯人には激しい怒りを覚える放火事件が起きた。犯人も大火傷を負い、やっと意識を回復したようだが、いつもの私なら他の多くの方々と同様、「こんな奴、そのまま放置して苦しみながら地獄へ堕ちれば良い」「絞首刑だけじゃ甘い。火あぶりに処すべき」と言うところだろう。本心はそうだ。
だが、何やらこういう事件が相次ぐ今の世の中だからこそ、逆に冷静に考えてみた。

こういう犯罪が起きるのは今の世の中の仕組みが招いたこと。だからこそきちんと司法の裁きを受け、その上で処罰されるべき。

近頃の無差別殺人は例外なく弱者ばかりが標的にされている。そしてどいつもこいつも口をそろえて「誰でも良かった」…本当に誰でも良かったのなら、組事務所にすれば?結局、自分より強大なものには向かわず、弱いものが更に弱いものを…という、どこかで聞いたような悪循環になっているのだ。

これ、やっぱり元をただせば軍国主義に由来する体育会的な悪しき「伝統」がこんなところにも出てきているとしか思えない。

バブル時代の売り手市場は、「規律という名のいじめ」を伝統として守ってくれる体育会系が強かったのが実態で、結局スポーツなんて「勝つか負けるか」の世界だから、数字でしか物事を判断出来ないブラックな上層部には都合がよく、そういう連中が要職に就いて社会の中枢を担っている現在、それがこういう方向にも出てきているとしか思えない。

こう言うと私が「スポーツ全否定」に思われるかもしれないが、まあそこは最後まで読んでみて下さい。
確かに運動音痴ゆえにスポーツマンたちにいじめられてきた、そして体育会系の考えの持ち主に今も不快な思いをさせられているが、一応フォローはするつもり。今まだ全体のプロットも見えないまま勢いで書いてるからどう進むかわからないが。

弱者を狙った無差別な犯行、その犯人が「じゃあ俺もそういう社会の被害者なんだ」と思ってもらったらそれはとんでもないことで、罪を犯した時点で「加害者」なのだ。その犯行は到底許されるものではない。だからこそ、そういう社会を作り出した責任として、国家…司法がきちんと裁くべきだと思うのだ。

これで責任能力云々の話になって無罪放免になるのなら、それこそその時は雪藤さんや松田さんに登場お願いしたい。しかし遺族の感情や社会全体への影響を考えると、犯行時の精神状態は抜きにして、罪は罪。こういう時こそ日本国の名において情状酌量なしの厳罰をお願いしたいのだ。

それにしても、こういう犯罪に向かう者って、怒りをぶつけるべき対象にではなく、弱者ばかりを巻き添えにする…どうせ死刑になるのなら、自分をいじめた奴とか、もっと大きなものをやっちまった方がすっきりしません?私は怒られたって誰かに八つ当たりするようなことはせず、怒りはそれを向けるべき対象にしか向かわない性分だからそう思いますけどね。
元が芸術家肌なのか、出来ることと出来ないことの差が激しく、それで叱責されることも多いけど、弱者を巻き添えにした犯罪に向かわずに済んでるのは両親の教育が良かったこととか、ロックや美術鑑賞といった趣味を持って発散出来てるのが大きいと思う。何もスポーツだけが発散の場じゃないんだぜ。芸術を作り出す、または愛する者はそういうADHD・アスペルガー気質が多く、だから今の世の中では迫害されがちだけど、短所ばかりをあげつらってここぞとばかりに叩くんじゃなく、長所を伸ばす世の中の仕組みにしなきゃいかんと思うんだけどね。

そもそも芸術家だけじゃなく、科学者やスポーツマンだって歴史に名を残した人はそういう「一部突出、他ダメ」な人が多いという実態もある。前者ならエジソン、アインシュタイン、後者なら長嶋茂雄とか。誰もかれもが平均的で上に逆らわない世の中を作ったって、そこから進歩も何も見えてきませんよ。

東京オリンピック2020


そしてとうとう来年に迫ってしまった東京オリンピック、返上するのが一番いいと思うんだが、もうこの時期にそれは不可能だ。東日本大震災の復興も進んでないというのに、今これをやる意義がどこにある?
1964年の時は、戦後の焼け跡からの復興に勢いをつけ、更なる好景気へとつながった。だが今は不景気の抜け道も見えない、被災地の復興も進まない、凶悪犯罪は増える一方、そんな中でやっちゃっていいんですか?それも64年の時みたいな秋ではなく、年々猛暑化が進んでる真夏に…

何だかこのオリンピックのスローガンが、こんな風に思えて仕方ない。

一億総筋肉脳化で日本はこれからも、強いものに媚び、弱いものが更に弱いものを叩く社会作りを推進します!

来年この時期の総理が安倍さんなのか違う誰かなのかはわからないけど、もっと「弱きを助け強きをくじく」社会に変えなきゃダメですよ。64年当時はかつての敗戦国だった日本が大国相手にメダルを勝ち取ることにロマンがあったけど(私はその時に生まれてないが)、今はそういうのもないでしょう。
そもそも選手たちは狭い雑魚寝みたいな選手村に寝泊まりなのに、IOCの偉いさんたちは高級なホテル、ここが既に間違ってると思いません?こういうのが悪しき伝統なんですよ。

武士道の基本精神の中で、「弱いものをいたわる」というのがあるけど、そもそも武士道自体が士農工商の身分制度が出来上がった上で確立された「上から目線」なものなわけで、だからその後の富国強兵政策、そこからの軍国主義の流れの上にある体育会系ノリがいまだはびこる世の中じゃ日本の未来はありませんよ。

そうそう、もう少し書き加えるなら、終戦後70年以上経った今では実際に戦場で戦った人たちもどんどん亡くなっていき、当時をリアルに語れる人がいなくなってきている。私の祖父さんもそうだったけど私が生まれた時にはいなかったから、親戚や近所の爺さんたちから聞いた話が全てだった。
今の政府の中枢は戦後生まれがほとんど、そしてその親たちも実際に戦場に赴いた人たちではなく、自らは傷つかない高みから指令を下す立場だった者ばかり。だから戦争の悲惨さを「身をもって」知るわけもなく、簡単に改憲で戦争出来る国に変えようという発想が出てくるんじゃないか?

そりゃ近隣の国々と領土問題があるし、国防は大事だと思いますよ。でも可能な限り話し合いで解決し、国民が傷つかないようにするのが政府の役割なんじゃないですか?自分が戦争に行かなくて済むような議員が「国民はもっと血を流せ」とか言っても説得力ないというか、ただの横暴でしょう。
「平和ボケ」とか言うけど、我々は毎日守るべき家族や親しい人たちのために戦ってるんですよ。戦場で血を流すだけが戦いじゃないんです。愛する家族や友人、そしてそれを育んだ日本の風土を守るためならいくらでも戦う覚悟はありますよ。自分なりのやり方で。
それを実際の戦場に出たこともないのに「戦争がカッコいいもの」とでも思ってるかのような今の政府要人どもの方がよっぽど「平和ボケ」に思えますけどね。

今の凶悪犯罪が「ゲーム感覚」と言われ、サブカルチャーが悪とされる報道が目に付くけど、国の偉い人たちがそもそも戦争をゲーム感覚で考えてるようにしか思えないんだから、そりゃそうなったのは国の責任でしょう。

だから最初に戻るけど、今の日本に多発する凶悪犯罪が国家のあり方を象徴しているのだから、政府の要人たちはその責任において臨むべきではないでしょうか?
大国に対して媚びへつらうのではなく、毅然とした態度を見せる。そして国内の犯罪や災害に対しては自らの責任をもって対処する、そういう人に出てきてほしいものです。
そうは言ってもいつも選挙で消去法でしか投票出来ない実態は悲しいし、選挙前には立派なこと言ってた人が当選したら手のひら返しも多いからなあ…

上手い締めくくりが出来ないけど、もういい加減長くなってきたのでこの辺で。

BIG JACK1

このところレポもFBで走り書きが増えてるので、今回もそのパターンかなと始まる前には踏んでいた。
だが、実際見てみたら、この凄さを伝えなきゃいかんと執筆意欲が湧いてきたので、指に宿った言霊に従って書かせていただきます!

RINDOW
RINDOW1

金谷夫人の祐美さんがベーシストとして在籍するバンド。ロックではありながら歌謡曲的なものやバラードもあり、多彩な曲調と耳に残るメロディで飽きさせない。メンバーの、実は高度なテクニックも聴きもの。

Will O' The Wisp
Will O1

Arisa改め高橋信成(なんで?)が歌うバンド。彼女がKNOCK'EM DEADで歌うことになったため長いこと休止していたようだが、あっちがサトシさんの事情で無期限活動休止になったこともあってか復活。ずいぶん久しぶりに見ることになった。
とにかく歌声の力が半端じゃなく、だからノックエムでは1ステージ聴き通すのがキツいことが多かった。別にこのバンドの演奏陣が弱いわけじゃなく、十分パワフルなのだが、それでも聴き疲れすることもなく見ることが出来た。

VIRAL RUMOR
VIRAL RUMOR2

金谷幸久さんのオリジナルHR曲をやるバンドで、私は見るのが2回目。前回の京都では、気心の知れた面子と楽しんでやってる印象だったが、今回は凄まじい気迫を感じることが出来た。
バンドの声質としてはSecret JOKEやFINAL FIGHT PROJECTと近いが、こちらは「全部1曲目みたいな曲で固めた」というコンセプト通り、ハードで難しい曲ばかりで、聴く方はいいけどやる方は大変そう。しかし今回はメンバー間の結束が一層固まったこともプラスされたのか、それが功を奏して更なる凄みを感じさせてくれた。

まずは金谷さんのギターが鬼気迫るとしか言いようのない凄まじさだったこと。今年に入ってからその音色が硬すぎず柔らかすぎず心地良いと改めて感じていたが、速弾きの強烈さと泣きの染みることという、相反する要素が矛盾することなく私の心を直撃した。
特に速弾き、1音1音を激しくピッキングする様は、世間に溢れる速弾き(だけ)ギタリストのそれとは全く感触が違う。何というか、そういう有象無象の連中のは撫でるような感じで力強さが感じられないのだが、金谷さんのはまるで弦を引きちぎらんが如くの力がこもっているのだ。
そして泣きのメロディを弾けばこれがまた染みる。現在進行中のインストアルバムに収録予定で、今年なって何度か披露してる新曲がどんどん進化・完成されている様子もうかがえた。

他のメンバーの貢献度も見事で、芝本さんはもはやもりけんさんや藤本さんにも劣らないとさえ思える気迫の歌を聴かせて存在感を放っていたし、ベースとキーボードの女性陣の演奏も見事。そしてうちの甥っ子と同い年のドラマー君のエグイばかりの演奏。これらが相まって、金谷さんがあそこまで触発されたのだと思う。ここまで凄まじい演奏は、私が見てきたところではFINAL FIGHT PROJECTを初めて見た時以来かもしれない。

アンコールの2曲も含めて1時間半くらいやってたけど、その間ずっと意識はステージに釘付け、一瞬も目が離せないほどだった。

インストのアルバムもその完成が楽しみだが、このバンドも長いこと続けてほしいと思った。とりあえず、年内にはもう1~2回行くことになると思うので、またその時を楽しみにしています!

吾妻光良1
1. ご機嫌目盛
 2. 大人はワイン2本まで
 3. Photo爺ィ
 4. Misty
 5. やっぱ見た目だろ
 6. でっすよねー
 7. Try a Little Tenderness
 8. 焼肉 アンダー・ザ・ムーンライト
 9. 正しいけどつまらない

10. 150~300 ~2018年12月1日 Recorded live at 渋谷クラブクアトロ~ (Bonus Tracks)

 11. 最後まで楽しもう ~2018年12月1日 Recorded live at 渋谷クラブクアトロ~ (Bonus Tracks)

吾妻光良(Vocal, Guitar)
牧 裕(Contrabass)
岡地曙裕(Drums)
早崎詩生(Piano)
冨田芳正(Trumpet)
近 尚也 (Trumpet)
名取茂夫(Trumpet)
西島泰介(Trombone)
山口三平(Baritone Saxophone)
小田島亨(Alto Saxophone)
渡辺康蔵 (Alto Saxophone, Vocal.)
西川文二 (Tenor Saxophone)


中納良恵:Vocal(④)
人見元基:Vocal(⑦)


ギタリストでヴォーカリストの吾妻光良を中心に活動する、ブルース&ジャズ系バンドの最新作。

79年に早稲田大学の音楽サークル仲間で結成されたというから歴史は古い。他に仕事を持っているメンバーがほとんどのために活動は不定期で、だからライブも音源も少ないが、非常に個性的な音楽を聴かせてくれる。
ただ、歌詞がコミカルなのとメンバーの半数以上が管楽器で、前者の理由で米米CLUBがダメだったり、大人数で音を出されると頭が混乱するためにジャズのビッグバンドやクラシックの交響曲が苦手(1つの楽器が前面に出される協奏曲は別)な私にとっては、あまり得意な分野ではない。それでも購入に至ったのは元基さんが1曲歌っているからに他ならない。

元基さんが歌うのは、GENKI SESSIONの常連さんなら何度も耳にしているであろう、オーティス・レディングが歌って有名になった曲(但しオーティスのオリジナルではない)。いつもはロックバンドのスタイルの中で歌われるが、ここでは管楽器も含めていつもと全く違った味わいになっており、元基さんもいつもより抑えめではありながら、終盤には強烈なシャウトをぶちかましてその存在をアピールしている。

更にもう1曲、EGO-WRAPPIN'の中納良恵もゲストで歌っており、こちらは普段から管楽器も含めた編成でのライブや音源発表をしているので違和感はない、というかほぼEGO-WRAPPIN'。

まあぶっちゃけた話、この2曲だけが別世界。カバー曲で歌詞も英語で、他の曲がコミカルな中でシリアスなムードのこれらが完全に隔離されているのだ。アクセントという意味もあるんだろうが、元基さんのライブでは欠かせないレパートリーが音源化されたのは嬉しいながらも、もっと違った形で発表出来なかったのかな~という思いは拭い去れない。

とまあ、文句ばかり書いてしまったが、とにかく元基さんの歌が聴きたい!という方、歌詞がコミカルでも大人数の管楽器が鳴ってても気にならない方なら聴いて損はないと思う。

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