2019年06月


VOW WOW LIVE 1989

Disc 1

1. SIREN SONG
2. NIGHT BY NIGHT
3. DON'T LEAVE ME NOW
4. DON'T TELL ME LIES
5. HELTER SKELTER
6. SHOCK WAVES
7. KEYBOARD SOLO II
8. I FEEL THE POWER
9. YOU'RE THE ONE FOR ME

Disc 2

1. KYOJI'S GUITAR SOLO 1989
2. NIGHTLESS CITY
3. KEEP ON MOVING
4. HURRICANE
5. ROCK ME NOW
6. SHOT IN THE DARK
7. DONCHA WANNA CUM (HANGAR 15)

山本恭司:Guitar
人見元基:Vocal
厚見玲衣:Keyboards
新美俊宏:Drums
Neil Murray:Bass


昨年の山本恭司&厚見玲衣DUO LIVEで予告されていた89年3月8日・英レディングでのライブアルバムが、今年になって形になった。

一部で既にその存在が知られていた音源だが、公式なものとしては初お目見えとなる。そして今回の発売にあたって恭司さんがマスタリング、実に生々しく迫力ある音に仕上がっている。
私がVOW WOWの現役時代にライブを見たのは88年の冬の1回だけだが、その直後とあって、おぼろげな記憶にあるセットリストとかなり近い。「SIREN SONG」でスタートするのは、当時の最新作「VIBe」にオープニングにふさわしい勢いのある曲が欠けていたからだと思うが、あの時「完成度は高いが生々しさに欠ける」と感じていて、だから再集結ライブの方がその点では上回っていると感じた。だが今こうして聴くと、若々しい勢い、そして迫力が十二分に伝わってくる。

まず耳を惹くのは元基さんのスタジオ盤以上に迫力あるヴォーカルだろう。元の高さがとんでもない部分では若干のフェイクも見られるが、原曲の印象を損なうことなく、またライブならではの生々しさを感じさせる。英国でのライブとあってMCも英語だが、これがまた素晴らしい。GENKI SESSIONでの無駄話だらけのダラダラMCとは大違い(笑)。実に歯切れよく進めている。

そして演奏面の充実ぶりも見事なもの。「HELTER SKELTER」の間奏のバトルで「SPEED KING」の掛け合いをお遊び的に挟み込んでいることに象徴される通り、恭司さんも厚見さんもライブならではのオリジナルな弾き方をしているのが楽しめる。2人のソロコーナーも、それぞれが「曲として」聴けるくらいにまとまった内容だし。
更に特筆すべきは新美さんのドラムだろう。こんな迫力のある音で叩いていたのかと、改めて驚かされた。フロントの3人ばかりが注目されがちだが、バンドの屋台骨を支えている彼の貢献度の大きさはもっと認められるべきである。
半面、ニールのベースが目立つ場面はほとんどないのが惜しいが、彼はもともと華やかなギタリストと一緒だと支えに回ってしまうため(だから弾きまくっていたのは実のところムーディ&マースデン在籍時ホワイトスネイクくらい)、まあそんなもんだろうと思うしかない。

それにしても、よくこれだけ素晴らしいライブアルバムが発表されたものだと思う。キンさん在籍時の「HARD ROCK NIGHT」がその「煽るベース」の存在ゆえに勢いのあるアルバムになっていたため、こちらがちょっと心配ではあったが、杞憂だったどころかそれ以上の驚きそして感激を与えてくれた。
これは全てのVOW WOWファン、いや全てのロックファン必聴!と断言してしまいたくなる、それほどの作品である。

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昨日の2日目は、Emerald Aislesのワンマンそしてアコースティック・ディナーショーだった。
遠方からのお客さんのことも考えて開始を早めたそうだが、出かけるときに何やかんやあったので私が到着したら開演ギリギリだった。ほんま余裕のない奴…
そんじゃ、さっそく行きます!

Emerald Aisles

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このバンドの魅力はたびたび書いているので、もう改めて書くこともそんなにないかな~と思ったりするんだが、それでもやっぱり気が付いたら書いてしまうのが私なのである。

まず、前日のLOVEHUNTERがほぼ同じメンバーで、鍵盤がいるかいないかだけなのだが、やはり聴いた感触は全く違うのだ。前日は全て他人の曲、当日は全てオリジナルという決定的な違い、そして主導してるのが千田さんか三谷さんかという大きな違いもある。
「歌があってギターがある」「ギターがあって歌がある」というのは非常に大きいし、前日は高校生の私が南港特設会場にいるような錯覚を起こさせたのに対し、当日は他ならぬEmerald Aisles以外の何物でもない、いつもの彼らのステージをまるまる2時間に拡大して更にパワーアップした印象があった。

そう、オリジナルで確固たるアイデンティティ(この単語は日本語で合うものが思い当たらんな)を持っているからこそカバーをやっても質の高いものが出来るし、逆に他からの影響も自己のものとして消化しているからこそ素晴らしいオリジナルも出来るというもの。
同じメンバーでオリジナルとカバー…DREAM THEATERが他人のアルバムの完全再現をやるような?いや違う。あれはいわば「余興」の域を出ていないと思うし(あくまで個人的な感想)、どちらにも全身全霊を込めているという意味では、ほとんど同じメンバーでも全く違う感触になって当然なのである。

単独のギターソロ、ドラムソロという個々の見せ場もあり、改めて今のメンバーの強力さを思い知る。木本・長田という日本屈指のリズム隊に支えられ、三谷さんのギターも千田さんのヴォーカルもまさに水を得た魚。

そしてオリジナルを出し切ったからと、アンコールはANTHEM2曲。まずは「SHADOW WALK」。元を弾いたのは洋也さんなのに、やはり三谷さんが弾くと「中間ANTHEM」の感触。そして「BOUND TO BREAK」で本当に終わるが、オリジナリティが強いからこそカバーも生きる、それを見事に体現してくれた。

Tadahiko Chida Acoustic Show

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その後は唐揚弁当付きのディナーショー。千田さんがメインで歌い、三谷さんのアコギと長田さんのタンバリン、そして荒木真為さんがコーラスで参加。
しょっぱなの「SEPERATE WAYS」「IS THIS LOVE」でまずうっとり。次のPOISON…すんません、私知りません(笑)。まーLAメタルは通ってこなかったし、近年ちょろっとは聴いてるといってもそっちまで手が伸びないもんでねえ~。
で、せっかくマイさんという素晴らしい歌い手がコーラスだけというのはもったいないのでと、LOUDNESSの「CRAZY DOCTOR」と「アレスの嘆き」を。二井原さんのハスキーなハイトーンと違って女性らしい伸びやかな声で聴くのもいいもんよ。
次のCINDERELLAもわからない、ひょっとしたら1曲くらい飛んでるかもわかんないし、この辺は記憶が怪しいが、その後の「THE FINAL COUNTDOWN」「LIGHTS OUT」がまた良くってねえ…美味しい唐揚弁当と素晴らしい歌で酒も進み、非常に満足のひとときであった。

え?AMADEUSもEmerald Aislesも曲名書いてないのにカバーだけ詳細に書いてるのは不公平だって?

いや、私が全曲詳細に書ける人・バンドって実は数えるほどなんですよ。陰陽座もGALNERYUSも聴いて曲名が出てくるのはむっちゃ少ないし、KRUBERABLINKAだって最近は新曲を覚えるのを諦めてるし。山下達郎やエレファントカシマシみたいなメジャーな人たちはその晩のうちにセトリがネット上に出るからそれを拾ってるだけなんです。

でもまあいいじゃないですか、とにかく熱い歌と演奏を浴びて心地良くなれば、「いんだよ細けえ事は!」なんです。激情のギター!魂のヴォーカル!のたうつベース!雷鳴のドラムス!それこそが生命線であることがわかって頂ければ。

本当はもっとお話とかしたかったんだけど、さすがに2日連チャンはキクなあ~ということで、歌が終わってしばらくうだうだして帰途に就いたのであった。
とにかく満足満足の2日間でありました!

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まず最初に、こちらのブログでライブレポを書くのは、この2DAYSのが最後になると思います。Yahoo!のブログサービス終了というテメー勝手な理由からなんですが、今月中には他社ブログに引っ越ししてそちらで書き、過去記事もごっそり移すので、これまで書いた内容も残ります。でなきゃ今まで書いたのが無駄骨に終わってしまうので。

今回は三谷哲也さんが今やってる主な「バンド」をごっそり集めた濃い~2日間ということで非常に楽しみだった。今まで同じ人・バンドを続けて2日見たというのは、VOW WOWの再結成ライブくらいではなかろうか?私は特定の人たちを追って回るという習慣がないので、両日違った内容でなければ「どっちかでいい」となるのだが、今回は2日間全く違う内容(メンバーはかなり被ってるけど)なので両日、ということにさせて頂いた。

Tetsuya Mitani's AMADEUS

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まずはインスト曲をやるバンド。ドラムは長田さん、ベースとキーボードは若者2人。
前にも書いたと思うけど、もともとインストも数多く作ってきた三谷さんだから、レパートリーには事欠かない。激しい曲から泣きのバラードまでバラエティに富んでいる。
そしてMCの人工知能も絶好調。インストでライブを成り立たせるギタリストで喋り倒す人というのは足立祐二さんくらいしか思い浮かばないので、これもどんなネタを仕込んでいるのかがいつも楽しみだったりする。
今回はセッションコーナーで「BLACK NIGHT」を土台に山門秀彰、西村守、橋本貴弘という3人が順番に登壇してソロ回し。それぞれ個性も違う実力派のため、聴きごたえ十分。
そして「ROCK BOTTOM」を歌なしでやって終わったのだが、ここまでで2時間近く(正確には1時間45分)。非常に濃厚な1ステージ目だった。

LOVEHUNTER

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先ほどの編成からベースが木本さんに替わり、ヴォーカルに千田さんが加わる…そう、Emerald Aislesにキーボードが加わったもの。いつもは千田・木本を中心とした広島組に三谷さんが加わる形のようだが、今回はこういう形。
名前でわかる通りWHITESNAKEのカバーをやるバンドなんだが、この名前だからと言って初期楽曲メインではなく(それは東京のEARLY SNAKEがやっている)、やはりサイクス期がメイン。そして今回は「SUPER ROCK 84」の再現という意味でこれまた期待が高まった。

結果から言えば微妙に曲順とか曲目も違ったので「完全再現」ではなかった。でも、本物は不完全なDVD…変な編集がされてたりミックスが悪くて迫力不足だったものしか現存する映像作品がないので、完成度の高い生バンドで見れるのは非常に嬉しかった。
私はあれが高3の夏休みで、予備校の夏期講習で京都にいたんだが、その真っ最中に大阪南港で開催ということで非常に悔しい思いをしたものだ。「GAMBLER」「GUILTY OF LOVE」「LOVE AIN'T NO STRANGER」「READY AN' WILLING」「AIN'T NO LOVE IN THE HEART OF THE CITY」「SLOW AN' EASY」「CRYING IN THE RAIN」、ここら辺までが「あの日」の再現。
千田さんはDCの影響は受けながらも実のところ声質は結構違うし、ヨルン・ランデみたいに細かい歌い回しまで真似してしまうわけでもない。でも、上手い人が集まるとオリジナルでもカバーでも聴きごたえのあるものが出来てしまうのだ。
そして驚くべきは長田さんによるコージーの再現っぷり、木本さんが「あの頃のニール・マーレイ」を感じさせてくれたことだった。もちろん三谷さんもサイクスと同じにはなり得ないが、自身のスタイルでそれに近いプレイをしていたこと。だからこそよくある内輪ノリのコピバンとは全く違う、完成度の高いものになるのだ。

その後はキーボードの入籍記念ということでなぜかケーキがふるまわれ、彼に捧げる意味での「IS THIS LOVE」。そこからは87年のサーペンスになり、「HERE I GO AGAIN」「STILL OF THE NIGHT」で本編終了。

アンコールはやっぱりというかの「FOOL FOR YOUR LOVING」。アレンジはリメイクの方だったけど、ソロはヴァイのコピーではなく、サイクスだったらこう弾いてただろうというイメージ。関西スネイクのギターの人もそんな感じで弾いてるが、私にとってはそっちが嬉しかったりする。

割と早い時間に終わったが、今日もあるので私はまっすぐ帰った。それにしても初日がこの濃い~内容で、今日も連チャンで大丈夫?と思うけど、まあ何とかなるでしょう!

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私が世界一好きなギタリストは、皆さんご存知の通り山本恭司さんです。
外国人ならリッチー・ブラックモアが一番で、長いこと両者甲乙つけがたいほどだったので「日本人なら恭司さん、外国人ならリッチー」としてた時期もありましたが、今は「恭司さんが一番!」と言えます。
一部の舶来至上主義な御仁からは、恭司も所詮リッチーの影響下の存在、ルーツをリスペクトしろ、だからリッチーが一番だろという声もありますが、そういうもんじゃないんです。
恭司さんはリッチー以外にもジミヘンやベックからも影響を受け、独自のスタイルを築いてきました。そして他の誰でもない、「山本恭司」のスタイルだからこそ「世界一好き!」と胸を張って言えるんです(めったに言わないけど)。

その御仁、ルーツがどうのこうのと言う割にチャック・ベリーはバカにしてたし、リッチーとベックを中心にしたロック観で世界が動いてる了見の狭い方で、ハード・ロック全般を知らない(知る必要もない)、若い世代もそうでなきゃいけないと思ってるような方なので、無視するに限ります。

同じようにウリ・ジョン・ロートも大好きですが、こちらも「ジミヘンのフォロワーだろ」ということから、ジミヘンを上に持ってくるべきだと言われるかもしれません。私はジミヘンも好きだし、ウリはスコーピオンズとエレクトリック・サン以降は音楽性が変わってしまったから好みの時期も限られる=コレクションも少ないですが、でも彼独自のスタイルはジミヘン以上に心にヒットし、本家ジミヘンと部分ごとに「こっちの方が好き」はありながらもビミョーにウリがリード、という状態です。

また同じように、ゲイリー・ムーアの影響下にあるジョン・サイクス、ヴィヴィアン・キャンベル、ジョン・ノーラムの方がゲイリーより好きっていうのがあってもいいと思うし、プロのギタリストで高崎さんやイングヴェイ、あるいは聖飢魔Ⅱのお三方の影響下から出てきて、それ以前はよく知らなくても全く問題ないと思います。その人にしか弾けないスタイルを築いていれば。

キーボードでも一緒です。私にとってはジョン・ロード、厚見玲衣さん、岡垣正志さんがほぼ横並びですが、なら結局はジョン・ロードだけでいいってもんじゃありません。厚見さんも岡垣さんもジョンには出せない個性も持ち合わせているんです。

極端な例を挙げてしまえば、山下達郎は好きでも彼のルーツであるドゥーワップには全くと言っていいほど興味がありません(笑)。でもそれはそれで全然構わないと思ってます。

まとめ:「国産が一番!」でいいじゃないか!

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