2016年11月

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はー、もう何もかもが凄すぎた…

このライブの開催が発表された時点からワクワク感と不思議な感覚が同時に感じられていた。
まずは岡垣さんと赤尾さんは当然ながら、なぜ今足立さん?確かに初期に在籍し、数々の名曲を残してきたのだが、音源としてはデモテープを発表しただけでアルバムも出さずに脱退していったのだから、当然よく知られたアルバム3枚分以前のレパートリー中心になるのだろうが、それでライブが成り立つのか?
そしてそうは言っても足立さんは過去に在籍していたから当時の曲なら問題なく演奏出来るだろう。だがリズム隊は全く在籍しなかったどころか、正直に言えば「なぜにこの2人?」な感覚を拭い去れなかった。少なくともベースは浜田(勝徳)さんが現役で活躍してるのだから、当時を再現するのなら彼を呼ぶのが自然なはずなのに、と思っていた。
だがその辺は実際に蓋を開けてみて全てが納得いくわけで。

で、このライブ開催までは私の体調もボロボロで、風邪っぴきの中MUTHAS PRIDE/FORCEFIELDに行ったは良いが、某夜会の方は当日に不調が治まらずに断念したのだから今回もかなり心配ではあった。だが前日くらいには回復基調に乗り、当日には全快とはいかないまでも諸症状はほぼ止まっていた。
よし、これなら大丈夫!と早い時間から出発、腹ごしらえ(笑)を済ませてから会場の梅田Zeelaへと向かった。

会場に到着すれば、既に見たような顔が幾つか。それにかなり多くの人数が並んでいる。そして開場時間となってホールに入ってみたら…
狭い…
8年前も心斎橋MUSEが溢れんばかりの人に埋め尽くされて立錐の余地もないくらいになっていたが、今回は更に狭く、やはり同じく入りきれない人が少なくなかった。なぜもうちょっと余裕を持った会場設定出来ないかね~と思ったが、そこは日程やら何やらの問題もあったからとのこと。
まあ、東京・名古屋も曜日設定が良ければ全部行こうかと思ってたくらいなんだが、それも会場を押さえるにあたって実際決まった通りになってしまったことは、東京の翌日の「しゃぶしゃぶトークライブ」の時にステージを降りたご本人たちから聞いていたので「まあそれなら仕方ないか」と納得してみせた。
あ、あの時に「だまされた~!」と書いたのは、しゃぶしゃぶを我々一般客も食べれるもんかと勘違いしてたからなんですね、実は。今思えばそれも間抜けな思い込みだったんだけど(笑)。

さて、無駄話がまた長くなってきたのでそろそろ現実の話に戻そう。

「入り口付近が混雑してますので、もう少し奥の方にお詰め下さい」と何度も案内され、それでも入りきれない人が多かったためにやや押して場内が暗転し、聴きなじんだ曲…「中世貴婦人の最期」が流れる。そしてデモテープ第2弾のクロージングになっていたオルガン独奏が流れた後、幕が開いて開演となった!

岡垣・赤尾コンビがステージの上に並んでいるのは8年前以降も「様式美大作戦」等で何度かお目にかかっているし、そこにプラス足立さんという構図も数回あった。だがそれらはファンサービスで1~2曲やる程度で、全編というのは私にとって今回が初めてだからそれだけで期待が大きく膨らんだ。
そして出てきた音は…まさしく期待以上!だった。

ギターとオルガンが奏でる序曲からなだれ込む「A HELL RAY」、まずはこれでノックアウト。その後間髪入れずに「BEWARE」、もうここで「参りました」という状態になっていた。
いやもう、岡垣・赤尾コンビが組んだらどんなに凄いかはよく知ってるんだけど、そこに足立さんのギターが加わると、三宅・鈴木・今井といった歴代後任たちとはまた違う凄みが感じられた。

ここで最初のMCが入り、まだ序盤とあってか若干すべり気味?だったが楽しいツアーになったことが語られた(と思う)。

続いては「I WILL LOVE YOU AGAIN」「DREAMING COOLER」…この辺になると、リズム隊の働きにも注目出来るようになり、なぜ今回この2人になったか?それは単に懐かしさだけでやるのではなく、今の最良の音を出すにはこのメンバーでなければならなかった、そう感じられるようになった。

ここからのMCは、デモテープを作ってる時に足立さんが急にいなくなったり戻ってきたりしてたという話。某D.E.というバンド(皆さんご存知の通りだけど)と掛け持ちしててそっちと行ったり来たりで最終的に後足で砂をかけて(苦笑)あっちに行ってしまったとか、だんだん調子が出てきましたね~。

ここからは当時のライブでやってたけど音源化されずに埋もれた曲を3曲やったのだが、それもまたクオリティが高く、発表されなかったのがもったいないなあと感じた。
で、実はその2曲目でまさかのMASAKIさんのベースソロが入るんだけど、これがまた超絶技巧で…DAIDA LAIDAのライブでもお目にかかって知ってはいたが、今回は小道具のやかん(!)を持ち出したりして視覚的にもアピールした。なるほど、これは現在浪漫座等で優美な世界を描いている浜田さんには出来ないかも。あの人の爆音ベースも魅力なんだけど、こういう新鮮さを持ち込んで「過去の再現」に終わらせず、「過去と現在の融合」を表現したかったんだと思えば全てに納得がいった。
そして3曲目は珍しいバラード調の曲で、こういうタイプの曲ってあんまりなかったんじゃないか?しいて言えば「PETRUCHKA」がそれっぽいくらいで。こういう曲での足立さんのギターは泣きまくりが冴えまくり、やはり彼でなければ成り立たない、それが痛感された。

さてその後は岡垣さんのソロの後「MY POOR SOUL」に続き、「HOLY ONE'S HOLY VICE」、そして「DO WORK」と畳みかける。もうここまできたら本当にリズム隊含めたこの5人だからこそこの音ってのがひしひしと伝わってきた。

で、メンバー紹介の後にまさかの新曲が2曲披露される。足立さんがこのために作ってきたそうだけど、これがまたカッコよくてねえ…どうにか音源として発表することが出来ないもんか?と思った。

さあ続いてはまさかの?「THE ENDLESS BASIS」!足立さん抜けてからの1stアルバムの曲なのに?いやいや、作曲は足立さんなんだからここでこれをやることに不自然はない。
そしてとうとうラストということで、ついに出た「BATTLE FEVER」!
TERRA ROSAの存在を知ったのが解散しようとしていた頃だった私は当然現役時代のライブを見たこともなく、だからこの曲を生で聴いたことは全くない。それでもデモテープをCD化した「PRIMAL」ではとにかく圧倒されたものだから、もうそれだけでこのライブに来た甲斐があったというもの。
岡垣さんの鍵盤群がいつものセットに加えて奥の方にまだあると思ってたら、この曲で使うために持ってきたのかミニモーグ(似てるけど違うかもしれない)が乗っかっていて、あの独特の音にしびれた~。原曲のキーが高いために赤尾さんはところどころメロディを変えていたが、そこは圧倒的な声量でカバー。
いやー、もうすっかり昇天しそうになりましたよ私は。

ここで本編が終わるがもちろんアンコールの手拍子が始まり、まずは潤一さんのドラムソロ。そして全員が再び登場、何をするのかと思ったらまさかの「SASE」に「ONE OF SECTIONS ‘LAP'」。自分が完全に脱退して全然関わってこなかった時期の曲なのに弾きこなしてしまう足立さん、やっぱ凄いわ。

そして2回目のアンコール。まずは岡垣さんと足立さんの2人だけで掛け合いの演奏が始まるが、足立さんが鍵盤を押さえてみたり、岡垣さんがギターのアームを動かしてみたりと茶目っ気もありながらもさすがの演奏。
そして最後の最後にもう1曲、これがなきゃ終われない「FRIDAY'S FREE FAIR」がぶちかまされ、約2時間半にわたったライブ全編が終わった。

終演後は場内に溢れてた人たち、中に入りきれずに外でモニターを見てた人たちでごった返し、顔見知りの皆さんといろんな話をしてたんだけど、「店内清掃に入ります」からと追い出されて帰ることになったんだが、本当に満足出来たライブだった。

「後足で砂をかけて辞めていった」と言われながらもこうして一緒にライブをやり、今も岡垣さんたちと仲良くしているのは足立さんの能力の高さと人柄ゆえだろうし、「僕はこれで脱退します。あとはリーダー次第です」に「辞め慣れてるからね。じゃあ4人でびっくりドンキー行こうか」と返されて「あ、戻ります」なんてやり取りが出来るのも本当は仲が良いからに他ならない。トークライブで明かされていたが、今回の再結成ツアーは足立さん側から言い出したものだということもその証明になるだろう。

岡垣さんの華麗で押しが強く、それでいて芸の細かいプレイ、赤尾さんの力強くて繊細さもあり、歌声そのもので圧倒する歌唱の凄さは毎回書いてることだが、今回改めて感じたのは足立さんのプレイの凄さだ。リフを刻む時は正確でありながら、ソロになると独特のビブラートで耳を釘付けにされてしまう。このビブラート、下手な人は言うまでもなく上手くても譜面通りのプレイしか出来ない人がやっても音ズレだとかチューニングの狂いにしか思えないだろうに、それが見事に曲を盛り立てる役割を果たしているのだから、これは天性のものか努力の賜物かはたまた両方か、とにかく五線譜では表現出来ない部分にその凄みがあるのだ。今まで彼のインストは何度も聴いてきたが、こうして歌もののバンドのライブでそれを改めて実感出来たというのもまた今回の収穫だったと思う。

はー、もうとにかく満足。今後はそれぞれの活動に戻ることだろうし、それらが充実してるからこそこうしてたまに集まっても凄いものが出来るわけで。だから今後どうなるかわからないけど、当分は個々の活動を楽しみながら、また機が熟した時にこういう機会があることを待ってみます。

おまけ

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会場限定販売の、「PRIMAL」をリマスターして「DO WORK」と未発表ライブ音源をプラスした新装盤。終演後には完売してしまってたので涙をのんだ人も多数。またじっくり聴かせて頂きます!

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予習モードですのよ。
覚えきれてない曲もいくつかあるから、聴き込まねば。

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何だか私のライブレポもいろんな人に読まれて、おかげさまで一部では好評頂いてたり影響力も出てきてることを考えたら個人的な無駄話はカットした方が良いのかな?と思ったりもするんだが、別にプロのライターでもない一個人が書いてるものなので、やっぱりいつも通りに進めさせて頂く。

ここしばらく身辺がゴタゴタしてて、田舎の叔父が逝去、葬儀のために弾丸帰省した後に思いっきり風邪をひいてしまい、それもかなり重症だったので今回のライブも直前まで行けるかどうか心配だった。が、前日の様子では思ったよりマシになってたのでギリギリに取り置き依頼、当日もまだ完治には程遠い状態だったが、「ええい、荒療治だ!」とばかりに完全防備して会場に向かうことに。

今回はどちらも今年新作を発表して勢いがついているし、今時貴重な古典的ハード・ロックをやるバンド2つをたっぷり味わえるということで非常に楽しみだった。常々5~6とかしまいに7~8バンドで持ち時間30分ずつといったライブに不満を持ってる私としてはこういうツーマンは非常に有り難い。だから多少無理してでも行きたくなったわけで。でも椅子が出てたからその点は助かった(笑)。
知った顔率&ミュージシャン率の高い客層だったが、そこそこ入りも良く、いよいよ開演となった。

FORCEFIELD

まず先攻はFORCEFIELD。アルバム完成後にベーシストが逝去という大変なことはあったが、後任を迎えてツアーを敢行、その後任・竹田さんもいろいろあって今回の出演が危ぶまれたが、蓋を開けてみれば無事ステージに立っていた。
さてこのバンド、ギタリストの石井享一とドラマーの山中洋一を中心に、いろんなところで活躍しているヴォーカリストのRAYをフロントに据えた編成なのだが、とにかく全員の演奏が強力な上にRAY氏の歌唱が素晴らしく、実に高品質なHRを聴かせてくれる。
石井さんの速弾きも泣きも見事なギター、山中さんのパワフルなドラミングもさることながら、やはり特筆すべきはRAY氏の見事な歌唱だろう。基本は伝統的なHRでありながら曲調は一様ではなく速い曲にバラードに洒落たシャッフルとバラエティに富んでおり、それらを各々違った表情を見せながら歌いあげている。声量もあるし音域も広く、時に「人見元基を思わせる」と評されることもあるが、それも決して大袈裟ではないと思った。
なお、メンバーの中では若手である岡田氏の年齢に似合わぬ渋いオルガン・プレイも非常に貢献度が高かったことも付け加えさせて頂く。
アルバム12曲中の10曲を演奏、1時間以上にわたる熱演だったが、7月に見た時よりもその完成度は上がっており、これからにも大いに期待が持てると感じられた。

MUTHAS PRIDE

そして後攻は重鎮MUTHAS PRIDE。最近ギタリストのRonnyこと永守晃が脱退というアクシデントはあったが、鈴木広美という強力な助っ人を得て今回がその2回目。1回目は見れなかったが、広美さんがどういうテイストを加えているかも今回の楽しみの一つであった。
オルガンの筒井佳二、ヴォーカルの南安秀というベテラン2人と、若いながら堅実にボトムを支えるリズム隊2人の組み合わせが絶妙なところに、広美さんの独特なプレイがどう絡むか…これがなんと、見事にしっくりはまってたから驚き!だった。
永守さんは地味なたたずまいながら巧みなギターを聴かせてくれていたものだが、広美さんはその上に押しが強く攻撃的で、それが他のメンバーをも触発したようで、いつもなら大筋落ち着いてて時折ハッとさせる凄みを見せる筒井さんも負けじとかなり派手目な演奏になっていた。そうなったら南さんもただでさえ力強い歌声が更にその凄みを増して、先程のRAY氏とはまた違うキャリアゆえの貫禄にプラスされたものがあったように感じた。
こちらもいろんな曲調がある上に内容の濃い歌詞で非常にシリアスに攻めてくるのに、曲間のMCは笑いを取る方向というギャップが面白い。南さんと広美さんはかつてBAD LOSERを一緒にやっていたが、そちらの曲「LET ME SHOUT」まで披露されたのにはこれまた驚いた。
こちらも約1時間、アルバムの中から(恐らく時間の都合上)「Ronnyの作った以外全曲やります」との言葉通りになったが、広美さんがサポートに決まった時に南さんが曲のデータを送り、「キーボードとのユニゾンは省略してええで」と言ったにも関わらずそこまできっちりコピーしてしかもそれ以上の効果を上げたのは広美さんさすが!と言うしかなかった。

そしてアンコールでプレイされたのはUFOの「LIGHTS OUT」。広美さんのマイケルぶりも見事だったが(一瞬アーム使って「マイケルはアーム使わへんぞ」思ったり)、筒井さんの小技…サビ前の「キュンキュンキュン」っていうグリス…も「ああ、こうやってるんやね」というのが目の当たりに出来て興味深かった。
このメンバーでの前回は広美さんがギターの弦を切ってしまって大変なことになったらしいが、今回はそれもなく、無事に全編が終わりとなった。

…両バンドとも担当パートの編成が全く同じで音楽性も共通する部分が多いが、リーダーがギタリストかキーボーディストかという違いや各メンバーの個性、楽曲の個性ゆえに同じに聞こえるはずもなく、伝統的HRと一口に言ってもやってることは一様でないのが初めての人にも実感出来たんじゃないかと思う。

昨日書いたのを読んだ人なら、私が復活レインボーのDVD見て残念な思いをしたことはおわかりだろうが、丁度そんなこともあったために、本家がもう出来ないのならこういう音楽は「今良いものを出来る人たち」が継承すればいいのではないか、と思った。もちろん、両バンドとも影響は大いに受けているはずだが、やはりそれぞれの個性ゆえに全く同じにはならないし、それこそ80年代以降数限りなく出てきたレインボー、そしてパープル影響下のバンドと比べても間違いなくその質は高い。海外のB級バンド聴くくらいならこっちを聴きなさいよ、と言いたくなる。
若い人たちのやる新しいスタイルの音楽にも良いものが多いし私もよく聴くが、やはりこういう伝統を継承していく人たちの存在も不可欠だと思うし、両方があってこそシーン全体も健全になるのではないかと思った。

それにしても広美さんのギター、マーサスにはまってたなあ…クルベラもあるから難しいとは思うけど、このまま入っていいんじゃない?と思ったよ。

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このたび発売のDVDでじっくり見ようと思って、開催後すぐYouTubeに上げられてた動画は敢えてあんまり見ずにいたんだけど…
何だか演奏に関してはいい話を聞かないので、フルで見るのがちょっと怖かったんですね。

でも、実際見てみたら…

まあ、恐れてたほど悪くはなかった。

でも、オルガンを使いこなせてないイェンスともっさりしたリズム隊に刺激を受けなかったからなのか御大が衰えてしまったからなのか、やはりそのプレイにかつての切れ味はなかった。どの曲も全体的にテンポが遅いし…
ウリ・ジョン・ロートやニール・ショーン、はたまた同年代のジェフ・ベック、カルロス・サンタナ、ロバート・フリップにはいまだDVDの画面に釘付けにされる強烈な求心力があるというのに、思わず画面に引き寄せられるほどのものを感じなかった。

ヴォーカルはさすがに上手い。過去の名曲の数々を見事に歌いこなせている。でもこれから先、御大と一緒に新しく素晴らしい音楽を「創作して」いける可能性があるかと言えばそこは「どうかな~?」だ。

結局、もうとっくに「終わってしまってる」ことを確認しただけだったような気がする。
そう、ドゥギーとの再結成レインボーでやり尽くしてしまってたのだ。
もうハード・ロックはやんなくていいです。奥さんと今やりたいことを続けていくなり何なり好きなようにして下さい、としか言いようがありません。

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昨日は仕事終わってからこちらでした。
誰もが「あっち」だと思ったことだろうし、「あっち」では「間違いなく来てるはずのあいつがいない」と言われてたことでしょう。
でも昨日の気分は「こっち」だったんです。
まあね、最初はあまりのゆるゆるぶりに「だまされた~!あっちにしときゃ良かった~」思いましたよ(笑)。
でも、世間話からだんだん真面目な音楽談義になり、「あ、これ音楽記事書くのや仕事にも応用出来るな」という話も出てきて、「やっぱりこっちに来て良かった」となりました。

しかし…2人であれやこれや話して3時間…よくこれだけ話すことがあるもんだと思ったけど、普段2人だけの時なら倍の時間は話してるとか!?

その後は2時間くらい岡垣さんと同じテーブルでいろいろ食べながらいろんな話を聞かせて頂きました。さすがにこの世界で長いこと生き残ってきただけに、含蓄のある深いお話がいろいろと。

で、近鉄は終電が遅くまであるからと余裕ぶっこいてたら、そこまでの四つ橋線が終わってたんですね。だから仕方なくタクシーで帰ったんだけど、思ったより安くて助かった…
以前ネカフェで(トイレ行った隙に?)財布から1万円抜かれたこともあるからね。それ考えたら安いもんです。

前日の東京ライブも盛り上がって凄く良かったらしいし、26日の大阪にも期待が高まってきました。

岡垣さん、足立さん、楽しくてためになるお話ありがとうございました<(_ _)>

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実は今回、このライブというか当分どのライブも行くことが危ぶまれていた。毎日の激務やら心労やらで体調がすぐれず、もういっそ1ヶ月くらい土日は休養に充てるか、と考えていた。が、そんな時に限って頂くお誘い(笑)。しかも前日のMBJ JAPANと連日(笑)。逆にこれ、皆さんが「そういう時はライブですっきりした方がいいよ」と言っているような気がしてきた。なので今開催中の正倉院展の方を諦め(…きれてはいないが)、景気づけのためにもライブ行くか、という気になった。

で、まずはちょっとだけ前日のMBJ…METAL BLESS JAPANについて。東日本大震災のチャリティーイベントなんだけど、目当てのLOUDSTORMとDEATH☆LANDの純度の高いメタル、Adrasteaのシンフォニックな音と伸びやかな女性Voに「おおっ」と思い、ラストの豪華セッション…ステージ狭しと並んでいた(いやもはや「並んでる」という状態ではなかった)Vo&Gtの饗宴に圧倒された。

で、翌日はゆっくりしてからこちら…近年足を運ぶ頻度の高まってるBIG JACKへ。狭い会場でありながら、音響の良さを理由にあの岡垣さんでさえ愛用してる場所だ。今回の主役である三谷哲也さんも、やはり音響を考えたのかキャパが丁度いいと考えたのか、このシリーズは2回目以降ずっとこの会場を利用している。ケリーさんとの時は場内ぎゅうぎゅうで同会場の最多動員数を記録したらしいが、それ以外は丁度良いくらいの客の入り。しかも椅子があったりして、ご老体(笑)にはありがたい。

今回は1回目に別の場所でも一緒にやった、植木英史さん率いるRachel Mother Gooseとのツーマン。しかも両バンド持ち時間たっぷりらしい。常々、5~6バンドを押し込めて1バンド30分程度の持ち時間しか与えられないライブに不満を抱いている私としては、こういうのは非常にありがたいことで、3~4バンドくらいが数としても持ち時間としてもいいくらいだと思っていたところにこのツーマン。しかも各バンド1時間以上。これなら存分やりたいことも出来るだろうし、聴く方も満足が行くというものだ。

…私の悪い癖で無駄話が長くなってきたので本編行きます。

Rachel Mother Goose

私としては長いこと、現REGULUSのMikkaさんのいたバンドというイメージが強かったのだが、実は彼女がいた時には1度も見たことがない。というか前に見たのも1回きりのはずで、その時のメンバーも今回とは大きく異なっていたはずだ。その時にはきちんと整った音を出すバンドという印象が強かったように記憶しているが、今回も大筋はそうでありながら、もっと自由度が高まったというか、一般に「様式美」と呼ばれることの多いこの傾向のバンドにしては型にはまらず、各メンバーの個性が強く打ち出されていた感じだった。
その中でも驚きはヴォーカル。伸びやかなハイトーンで声量も表現力もあるし、一体どこにこんな良い歌い手が埋もれていたんだ?と思ってたら、MCの時にはスマホ片手に片言の日本語。あれ?と思って後で聞けば韓国人らしく、実力者の多いあの国出身ということに妙に納得した。
そして植木さんのギターは、後で登場する三谷さんと比べたら綺麗に整った感じだがそれだけではなく荒さもあり、やはり根っこは「ロック・ギター」なんだということを強く感じた。
なお、今回はレコ発になるはずだったが諸事情で間に合わず、それでも近々発表出来るとのこと。ライブの素晴らしさに、そちらへの期待も高まってきた。

EMERALD AISLES

もう何度も見てきてるし、改めて書くこともないかなと思いつつ、やはりまだまだ書くことはどんどん出てくる。
今回は新作ミニアルバムもようやく出たことなのでそちらの曲も織り交ぜながらになったが、以前の曲との違和感もなく溶け込んでいる。今回も三谷さんのギターは荒々しく尖ってて熱い、そして時にハッとするような美しさもあり、胸に突き刺さってくる。
また、特筆したいのは千田さんのヴォーカルで、前日に地元・広島で悲しい出来事があったというが(まあ、何のことかは皆さんおわかりかと?)、その悔しさを晴らすが如くいつも以上に情感がこもっていた。パワフルでワイルドかつソウルフルな歌声は、他にいくつもバンドを掛け持ちしながらもすっかり「EMERALD AISLESの顔」となってきている。
そしてリズム隊の働きも見事。特にベースの杉森氏のソロは大きな見せ場となっていた。

このバンドも一言で言えば「純度の高いメタル」なんだが、こういう曖昧な表現しかしない私の書き方では前日のLOUDSTORMやDEATH☆LANDとの違いをわかって頂くのが難しいだろう。LOUDSTORMは懐かしさも感じさせる実直なメタル、DEATH☆LANDはクリーンな女性Voをメインに据えた硬質なメタル、そしてEMERALD AISLESはよりギターを全面に出しながらもパワフルな歌唱を生かした剛直なメタル…これだけ書いてもそれぞれのイメージは半分も伝わらないだろうし、実際に見て聴いて頂くしかない、といったところだ。
本当は三谷さんとマッツさんと天太さんのギター・スタイルの違いについても書きたいが、それだけで字数を使ってしまうし、それでも音のイメージを浮かべるのは困難だろうから、それはまた別の機会に検証させて頂くとしよう。いつそんな機会が設けられるかわからないが(笑)。

1時間半近くにも及ぶといろいろバリエーションに富んだ曲を聴けるというもので、このバンドというか三谷さんの懐の深さを思い知った気がした。

…さてその後は三谷・植木両氏によるギター・セミナーということだったのだが、私は時間の関係やら何やらで、バンド演奏が終わった時点で皆さんに挨拶して会場を後にした。まあね、日曜開催だとあまりゆっくりもしていられないんですよ。セミナーも面白かったらしいけど。

今回は同世代のギタリスト2人の共演というのが売りだったが、通じる部分・違った部分の両方が味わえてなかなか興味深かった。いろんなバリエーションのある同イベントだが、出演者の顔ぶれが限られてるというのが難点と言えば難点かな?今後、今までになかった組み合わせも期待したいところだ。

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さて、この日やっと入手出来た新作ミニアルバム…「LOVE IS ALMIGHTY~CHAPTER 2 : Love Side~」について少々。

前作「Dream Side」とはテーマを変えて、今回はラブソング主体のようだが、よく勘違いされる「ラブソング=バラード」ではなく、ハードな曲が多いし、男女の愛だけではないいろいろな愛の形があることも表現されている。
レコーディングは三谷さんと千田さんの2人だけで成されているが(ベース演奏もドラムその他打ち込みも三谷さん)、不思議なことにバンド感が強く出ており、この辺は2人のコンビネーションの見事さゆえだろう。歌入りの曲の素晴らしさもさることながら、2曲入ったインストも秀逸であることは特筆しておきたい。

三谷さん自身の「俺は影響を受けたギタリストも少ないし、それ以前にさかのぼって聴くこともしてない」との言葉通り、ブルースだとかクラシックのような古典的なものを感じることもなく、いわゆる80年代的なギターなんだけど、それが決してマイナスにならず、むしろメタルとしての純度を高めていて、楽曲の良さとのマッチングが見事であることも力説したい。陰陽座とかGacharic Spinみたいにルーツが幅広いバンドも魅力的だが、あの辺は数少ない成功例で、一歩間違えば「あちこちの美味しいとこ取り」になってしまう。影響元が少ないのも「ただの真似事」になってしまう恐れがあるが、三谷哲也以外の何者でもない強力な個性を確立しているから何の問題もないのだ。

とにかく力強くて完成度も高くて、しかも6曲入り30分少々だから中だるみもなく聴き通せます。本作だけでも十分優れた作品だけど、出来たら前作と併せて聴けば一層その世界観の広がりが味わえると思います。来年には出るであろう次作が完結編にふさわしいものになるであろうことを期待して、まずはこの2枚から聴いてみて下さい。損はさせません。私が保証します!

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