2014年02月

 先日アップした「現代の(偽)ベートーベンについて私見」だけど、mixiの方にも同じものを載せたら、ある人がそれに対して非常に真剣に自身の意見を述べたコメントを下さった。まだ表層でしか捉えられていなかった私よりずっと核心に触れた内容だったので、そのコメント及び私の返信を転記させて頂く。

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様々な分野で一連の騒動は色々な波及を見せているようですね。私自身も氏の存在は新聞広告で目にする程度だったんですが。

関連ニュースをネットで見るにつけ、やれ高校時代の逸話だとか、やれ義母のコメントだとか、本質を離れる事甚だしと言わんばかりの報道で、なんだかなあと思うばかりです。

今回の流れの本質的なコトは全て、新垣氏の最初の言葉で結論にまで至っているのではないか?と言うのが持論です。

曰く、「これは共犯である」と。曰く「自分の作品が世に認められて嬉しかった」と。曰く「信頼関係だけで成り立っていた」と。

日を追う毎に、それぞれの人となりがつまびらかになっていき、あたかも悪人と善人の主従構造みたいなところまで世論は進んだ感じですが、第一声はどんどん忘れ去られて、等しく裁かれたいとした新垣氏の言葉は薄れるばかり。

世論としては、ハンディキャップを盾に詐欺を働いたと言う事や、それをマスコミが煽った事が槍玉に上がってますが、それを言うならそこにドラマを求めた事には罪はないの?と正直思う訳です。

もっと言うなら、契約上ではない信頼関係だけで進んだ中で、圧倒的な動機付けは著作権の一部とはならないの?と言う話です。ここは私は法律家ではないのでどういった判例があって、とかの話は判りませんが。

全ろうどうこうってのは二次的な話に思えるのです。

長々と失礼しました。すぎさくさんのおっしゃる内容に異を唱えたりとかの意図はありません。単独の日記として書くべき内容だとも理解しています。

なんか自分でも色々と思っていた所に、一つの正直な意見を目にした事が嬉しくてこの場を借りて自分の意見を書いてしまった次第ですm(__)m

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いやー、ここまで徹底して掘り下げたコメント頂けて私は嬉しいです。
私はまだ上っ面でしか捉えられてないから、今回の件の本質とかまで考えが及びませんでした。

まず、私がこの件に関してゴーストライター云々というのをさほど問題視していないことは、読んで頂ければすぐにおわかりと思います。
文春の記事に対して新潮が反論してますが、クラシックの楽曲は複数の人間が作って、代表者が作者として名乗っていたことが多いそうですし、そうであればこの件もさほど大きな問題ではなく、私が書いた通りに最初から共作として出せば良かったのにという気がします。

障害に関しても嘘八百というのは大問題で、これに関しては怒りを抑えられないとこですが、確かに障害を抱えながらも作曲ということに感銘を受けて支持してきた人たちは、本当に音楽そのものをきちんと聴いているのか?嘘だとわかった途端に手のひら返しで非難する…私が「障害を抱えてるからと言って特別視しない」姿勢なのとは真逆です。
そういう人たちの中で「新垣さんは恥じることはない。貴方の音楽は本物だ」というのが見受けられるのもおかしなところで、昨年秋の段階で既に佐村河内名義の楽曲に既存のものの使い回し的なものが見受けられるという指摘を受け、新垣氏がそこで観念して真相を明かそうと決意したというのだから、やはりわかる人にはわかるものです。

私は「佐村河内」「新垣氏」と呼び方を変えているので、新垣氏に同情しているかと言えばそんなわけではなく、最初から申し出を断るとか2人の共作名義で出そうとか、そういう提案をすれば良かったのに結果としてこうなったことの片棒を担いだ責任は免れないし、確かに共犯であることは間違いないのです。

ひとつ付け加えるとすれば、佐村河内は「あいつの言ってることは違う。全部俺が作った。耳も聞こえない」と言って名誉棄損で逆提訴することも出来たであろうに謝罪文を出すあたり、実は小心者だろうし詐欺師として詰めが甘いと思います。

私のはあくまで個人的な意見ですし、もりもりさんのコメントにも非常に深く考えさせられました。
貴重なご意見、本当にありがとうございます。

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ご丁寧な返事をありがとうございます。本当に色々考えさせられましたね。

何月何日にどんな出来事があった、っていうのは単なる年表でしかなくて、そこに至るまでどういった流れがあって、それが後々どういった流れになったか。それが歴史の本質ですもんね。今この時代だからこそ起きた事件だと思います。

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今の時代、特に音楽・美術・文学といった芸術のジャンルは何か話題性がないと注目されないように思います。
だから口パクアイドルやエアバンドが人気を集めるわけで…
今回の件も、全聾という話題性やら数々の美談で注目されたわけで、それが無ければどれだけの人がその音楽を聴いてたの?って話ですよね。それまで絶賛してた人たちが、嘘のバレた途端に攻撃に回る…最初から聴いてもいない私が言うのも何ですが、まずは先入観を捨てて自分の耳と感性で判断せえよってとこですね。

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まったくその通りだと思います。ただ感性は感情や情報に左右される、って事なんでしょうね。

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ほんとそうですよね。
だからこそ我々リスナーはそういうものに流されない感性を持つべきだし、音楽をやってる側の皆さんも王道で勝負してほしいと思うんです。

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 文中で名前が出てしまってるので言うが、もりもりさんというのはFAIRY MIRRORのギタリスト(ステージ下手側)で、同バンドは大きな話題性も無いながら真っ向勝負で音楽に取り組み、幾多のメンバー交替を経ながらも誠実で根強いファンを持っている。こういうバンドが報われてほしいものだ。今、WINDZORが各方面で注目されているが、私が仲良くさせて頂いている一群の中でもそれに続いてほしいと思う人たちが多数おり、彼らもその一つ。初代ヴォーカルのSAEKOさんがドイツに渡ってソロで2枚のアルバムを発表、当時はそれなりに話題になったと思うが、現在個人の音楽活動はほぼ停止している。バンド本体の現ヴォーカル・JUNOさんも素晴らしい歌姫なので、是非もっと注目して頂きたいものである。

 …あ、そうそう。曲の作者云々の件で私が怒りを覚えた件をもう一つ。
 大黒摩季がレーベルを移籍した後、以前のレーベルから非公式に発表されたベストアルバムで作者名がそれまでの大黒摩季単独から「ビーイング・スタッフ」を追加され、更に後のものでは事務所の社長・長戸大幸が本人の作詞したものを大きく手直し、しまいにはほとんど書き直したという旨を暴露?していたこと。
 これは事実なのかも知れないが、いくら看板スターの一人だったのが離脱していったからと言って、その仕打ちは無かろう。それなら最初から「補作詞」とか共作として名前を載せるべきだったし、後から悪口(と敢えて言わせて頂く)を書いて彼女のキャリアに悪影響を及ぼすやり方には怒りを覚えた。
 マキさんがあれだけ人気を得たのは、歌詞に共感したからという人も多かろうが、やはり歌声の力と楽曲の良さゆえではなかろうか?いくら長戸が歌詞についてゴチャゴチャ言おうとも曲については触れてないし(確か触れてなかったはず)、ゴーストライター云々に関して問題視していない私にとっては、逆に自分の作った歌詞をいじくり回されながらもそれを自分のものとして消化して歌い切ったマキさんの凄さを思い知らすだけになったように思うんだが。
 亡くなった人について言いたくないが、それを言えば坂井泉水の歌詞だってそういうのがあったかも知れないし、泉水さんが終生ビーイングから離れなかったからそんな仕打ちをしなかっただけなのかもよ。結果、長戸の株を下げるだけになったと思われるエピソードである。

 数年前、玉置浩二がおかしなことになってムチャクチャになった安全地帯・大阪公演のニュースを受けて私がmixi日記に書いた所感を転記します。
 今頃蒸し返すなって言われそうだけど、ゴーストライター&嘘の障害と併せて「プロ意識」について改めて思うことがあったので。

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 今朝のニュースで知って、唖然としてしまった。

 一昨日のグランキューブ大阪での安全地帯ライブで、最初に「今日はちゃんと歌わないよ。好きなように歌う。嫌なら帰って」と言い、ろくに出ない声で歌うと言うより叫ぶような場面が多かったとか、寝転んで歌うとか、代表曲の数々を他のメンバーに歌わすとか、しまいに途中で切り上げてしまったとか・・・

 あんた、ファンをなめてんじゃない?

 皆、それぞれの思いを胸に抱き、生歌を聴ける大事な機会だからと、決して安くないチケット買って観に聴きに来てるんだよ。それを踏みにじるようなことをして・・・プロとして恥ずかしくないんか!?

 先日のシェラザードの後だから、余計にそう思ってしまったよ。

 熱中症で倒れた平山さんの分まで一生懸命演奏する他のメンバーの姿には感動したし、とても観応え聴き応えのあるものだった。

 陰陽座も、今回のツアーでは黒猫がダウンし、当日のライブでは他のメンバーが出てきてお詫びの言葉を述べ、「この埋め合わせは必ずします」と言って、約束通り振替公演の開催も決まった。そして復活した黒猫は、それまで通りの素晴らしい歌唱を聴かせているという。

 玉置さんも体調不良だったらしいけど、それなら最初からその日の公演は中止にして、振替公演をすればええやない。それなのにそんないい加減なライブやって・・・私が行ってたら、間違いなくその場でブチ切れてたよ。物が飛んできても文句は言えないと思う。

 マイケル・シェンカーやガンズのアクセルがプッツンしてライブを中断した話も聞くけど、その場に居合わせてたら嫌だったと思う。

 幸い、私がこの20余年で行った200数十回のライブでそういう体験はなかった。飲んだくれながら歌う人もいるけど、マイク持ったら渾身の歌声を聴かせてくれるし、アンコール最後に酔っ払って暴れたギタリストもいて、その場は呆気にとられたけど、その後のライブではそんなことは全くやってないし、暴れたのもスタッフがアンプの調整を怠ったのに怒ったという事情があったわけで・・・

 永ちゃんや達郎が地方公演であっても手を抜かない姿勢は見習ってほしいし(って、私が言うようなことちゃうやんか)、仲良くして頂いてるミュージシャンの皆さんが、小さなハコで限られた時間であっても、そこにどれだけの魂を込めてやってらっしゃるか・・・

 私は安全地帯が井上陽水のバックバンドやってた頃からその存在は知ってたし、「ワインレッドの心」でブレイクした時は嬉しく思った。その頃の気持ちを忘れないでほしいと思う。

 一部では、この秋の陽水のツアーのサポートを安全地帯が?という噂も流れてるけど、今の彼ら(というか玉置さん)にはやってほしくない。今回みたいなことになったら、陽水も可哀想だ。

 桑田佳祐は、ロバート・プラント(だったと思う)が言った、「俺たちにとっては何十回・何百回とやる中の1回のライブであっても、お客さんにとってはそれが生涯でただ1回のものかも知れない。だからそういう人のために、毎回一生懸命やるんだ」という言葉を胸に刻んでライブに臨んでいるという。
 観る聴くだけの私だって、無駄に沢山行ってるわけじゃない。毎回「これが最後であってもいいように」と悔いの残らないように、ステージからの熱意を受け止め、こちらからも必死に応援しているのだ。
 そりゃあ、仕事の関係で途中入場とか、終電時間・体調等で途中抜けはありますよ。でも、やってる皆さんが一生懸命なんだから、こちらもそれには応えないと・・・

 わざわざこの日のために休みを取ったり、遠方から来てる人だって多かったはずだ。そういう皆さんの気持ちを踏みにじった玉置さんの罪は重い。だから、この件に関しては公式に謝罪して、きっちり振替公演をやってほしいと思う。

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 結局この時の公演は払い戻しにもならず、後日の薬師寺公演への振替という形になった。のみならず、謝罪もせずに「これは新しいことへのトライです」などという文面を出し、その後の福岡公演が更にひどくてこちらは数曲で中止、さすがに払い戻しになったことは皆さんご存じの通り。

 それからあの人がどんな気持ちでいるのか(恐らく何も考えてはいまい)真面目にやっているのか知らないが(正直どうでもいい。どうせあの人の出るライブには行かないから)、あれが「トライだ」というのなら、資料として録画してるはずだから、DVDとして商品化してくんない?どんな凄いもんだったか興味あるから、1000円くらいだったら買ってやるよ。
 あ、ライブ会場限定販売だけはやめてね。

 ったく、これ考えたら同じく精神に爆弾抱えていながらも鬼束ちひろはいい加減なライブやんないから偉いと思うよ。

 近頃マスコミを騒がせている佐村河内介、じゃなくて佐村河内守…ほんま、「佐村」で一旦切って「かわちのかみ」って読みそうな名前だよな。でも、「さむらごうち・まもる」なんだよね。
 私は恥ずかしながらこの人物の存在を騒動になるまで知らなかった。現代クラシック(って、おかしな言葉だけど)って演奏者主体でしか聴かず(女の人にしか注目してない言うな)、作曲家にまで関心が持てなかったから。そりゃあロックの方で手一杯なんだから仕方なしとは思うけど。

 この人物がゴーストライターに頼っていたこと、そして全聾も虚偽であることは件の「週刊文春」に2号連続掲載されているので読んでみたが、まー嘘にまみれたその半生、ひたすら呆れるしかなかった。

 それでは、私が思ったこと等、とりあえず気の向くまま指の向くままに書いてみよう。

 今回の件はゴーストライターを担当していた新垣隆氏の告白によって明らかになったわけだが、問題のまず1点は自分が作らずに全て新垣氏に作らせていたこと。

 アイドルの自伝の多くが本人の書いたものでないことは松本伊代の「まだ読んでません」エピソードでご存知の方も多いだろうし、矢沢永吉ファンのバイブルである「成りあがり」の執筆者が糸井重里であることも周知の事実だろう。まあ、文章まであの口調そのままっていうのも考えにくいし。ただ、永ちゃんの名誉のために言っておくと、あの本は永ちゃんへのインタビューを元に糸井さんが文章を起こしたものであり、語られている内容は全て本人から出てきたもの、それは間違いない。そもそも最初から「自伝」じゃなくて「激論集」って冠してるでしょ?

 音楽そのものに関して言えば、ロックの世界は昔からパクリが伝統であり、それによる訴訟の例は枚挙にいとまが無い。面白いところではディープ・パープルにパクられたイッツ・ア・ビューティフル・デイがパクリ返して不問にした件もあるが、○'zの松○さんなんか何度訴えられてもおかしくないレベルだし、元ネタがあってもそれを自分のものとして消化、より良いものに仕上げていれば大きな問題ではないと思う。ブルースの世界では同じフレーズや歌詞の使い回しが常套化してるそうだし。だから、ブルースから発展したロックでそれが行われるのはさほど驚くべきことではない。

 ただ、最初から作曲者とされている人が作らずに別の人が作っていたとすれば…

 これ、実は身近な例ではオジー・オズボーンのアルバム「BARK AT THE MOON」がそうだ。
 全曲の作詞作曲がオジーということになってるけど、事実上の作曲はほとんどジェイク・E・リーで一部ドン・エイリー、作詞はボブ・デイズリーによるものだというのはジェイクたちの発言で明らかになっている。まあ、誰もオジー自身に曲作りを期待してはいないと思うが(笑)。
 これには契約上の問題もあるそうで、ロバート・プラントやグレン・ヒューズ、ブルース・ディッキンソンがそれぞれのバンドに入った最初のアルバムで創作者としてその名が無いのも、前に所属していたレーベルとの契約が切れてないから名前を載せられなかったという事情があるそうだ。

 バンドのモチベーションを下げないためとかギャラ配分による内紛を避けるためにメンバー全員の名前をクレジットするという方法もあるし、ビートルズの「レノン/マッカートニー」というのだって共作もあるけれど大半がどちらかの単独で作ったものだったりするし。

 そう、今回の件も2人の共作としていればまだマシだったのではなかろうか?佐村河内は断片的なフレーズを持ってきたりイメージを伝えたりタイトルを付けたりくらいはやってたようだから、まるっきり何もしてないのでなければ「佐村河内新垣」というユニット名で売り出したら良かったのでは?まあ、後々「ほとんど俺が作ってるのに」と新垣氏が不満を漏らして揉めることはあったろうけど。でも、クラシック界では異色のコンビ作曲家として話題になったんじゃないかと思うんだが。

 でも、大きな問題なのは佐村河内が幼くから英才教育を受けたように語っているが、楽器も弾けなきゃ楽譜も読めないズブの素人なのが実態であり、それを偽って虚像をでっち上げたこと。それによって多くのファンを騙したこと、そっちの罪の方が大きいと思う。

 そして2点目だが、こっちの方がより大きな問題…耳が聞こえてるのに「聞こえない」ふりをしていたことだ。

 全聾だの聞こえる時があるだのと言ってることが二転三転しているが、新垣氏をはじめとする周囲の人の証言では「聞こえないという印象は無い」とのことで、それが正しいと思う。
 話題性や同情を狙って全聾を演じていたとすれば、それは本当に全聾である人への冒涜であり、彼がそうであるからと応援してきた人たちへの背信行為だ。

 障害を抱えながら活動している音楽家たちは多数いる。だが私はそれを理由に特別視することは無い。楽曲・歌唱・演奏そのものが全てであり、障害を持たない人たちと同じ条件で聴く。その方がフェアだし、本人も嬉しいのではないか?
 私が聴く範囲ですぐ思いつくのは、デヴィッド・ボウイ(片目失明)、ブラック・サバスのトニー・アイオミ(ギタリストなのに指先欠損)、デフ・レパードのリック・アレン(ドラマーなのに片腕損失)、そして今のところたまに聴く程度だがスティーヴィー・ワンダー(全盲)くらいか。メンタル面の問題を抱えた人は枚挙にいとまが無いので割愛させて頂く。
 人間は五感の内の何かを失うと他の感覚が発達してそれを補うという。上記の視覚障害の2人はそれで独自の感性が発達して音楽に反映されてるのかも知れないし、トニーもリックもハンデを克服してこれまた独自の演奏スタイルを築いている。ただ、やっぱり私の場合は音楽そのものを気に入って、それがたまたま障害を持った人のやってるものだったという方がいい、っていうこと。

 ベートーベンも重度の聴覚障害(全聾とも言われるし、会話は聞こえなくても音楽は「振動」で感じ取っていたとも言われるし、程度には古くから諸説あり)を抱えながら多くの楽曲を作ったが、私の素人耳にも彼の背負ったものを感じさせる「重み」が聴き取れるように思う。もっと言えば、そういう自身の暗い宿命に立ち向かおうという意志の強さかな?だが、事実上(健常者である)新垣氏の作った佐村河内名義の作品にそれがあるのか?私はクラシックに詳しくないからその辺の判断は出来ないが、そっちに詳しい人なら一発でわかるのではなかろうか。

 新垣氏が公の場で謝罪したのに対し、佐村河内は全く出てこずに取ってつけたような謝罪文だけでお茶を濁す程度。これで人間性がよくわかるのではないか?自分の半生を嘘で固めて虚像を作ってきたことだから期待は出来ないが、是非とも本人が公の場で全てを打ち明けて謝罪、そして断罪されてほしいものである。障害者手帳や年金のこともあるし、詐欺罪に問われてもおかしくないよ。
 昔の彼を知る人の証言では、やはり当時から虚言癖があって大法螺吹きだったそうだから、どうせ出てきたって嘘八百並べるだけなんだろうなあ…



 …ここからは完全な余談だが、私は小学生の時に読書感想文で兵庫県のコンクールに2回入賞した。だが、その文章は私が書いたものそのままではなく、先生が全面的に書き直したものだった。つまり私の実力ではなく、先生がゴーストライターだったわけで…私の書いたものはあらすじの解説だけで終わってたり「感想」が無かったりしたからだろうけど、小学生の作文なんて大抵そんなものじゃないか?これが自我の芽生える中学生だったら、「俺の書いたものではないのに、ええんか?」って悩んだろうけど。
 でも、中学生になってからも同じく読書感想文、但馬地区では2回入賞したんだけど、こちらは先生から「ここはこうした方が良い」という手直しの指摘があっただけで、全て自分の言葉で書いていた。だからその後は自分の文章力に自信を持つことが出来た。ただ、大学の論文やビジネス文書に向いた文章ではないのが難点だが。熱がこもりすぎて冷静な文書には向かないんだよな。その分、ライブレポやアルバム評、はたまた旅日記は好評頂いてるようなのでその点は有難いのだが。

 そしてもう一つ余談。うちの弟は昔から今に至るまで筋肉バカで学問はさっぱりだから、中学の夏休みの宿題の短歌や俳句は全て私が作っていた。つまり私が弟のゴーストライター。しかもあの野郎、私の作品を自分の作品として学習雑誌に応募して入賞しやがった。そりゃ国語の得意な高校生の作品を中学生の学習雑誌に出したら高い評価されるに決まってる。あの時の貸しを返してないどころかあの野郎…まあいいや。ここで書く話じゃないし…って、全く関係ないオチでした。

「俺の肖像画と言われてきたのは俺じゃないらしいし、源頼朝と言われてきたのが俺の弟の直義らしいし、一体どうなってんの?」 by 足利尊氏。

「俺、後の方に生まれたから親父の不比等が名前考えるの面倒くさかったんだろうな」 by 藤原麻呂。

「和泉式部を母に持つと苦労するわ。歌詠みには代作疑惑かけられて、まあそっちは実力ではね返したけど。つーかうちの母、私が出来てからも男遊びに余念がないから代作する暇あるわけないやん」 by 小式部内侍。

「小式部ちゃん、私も『…奈良の都の八重桜』が紫式部の代作だろうって言う人がたまにいるみたいだけど、あの人実は歌詠み苦手で恥かくの嫌だから私に振ってきたんよ」 by 伊勢大輔。

「俺って変な名前…」 by 矢頭右衛門七。

「俺の名前がヒワイだなんて言わないでくれ~」 by オクタヴィアヌス。

「こら晶子!『…釈迦牟尼は 美男におわす…』って、鎌倉の大仏は阿弥陀如来だぞ!」 by 与謝野鉄幹。

「俺が大ムカデを唾べっとりの矢で退治したからって、本当にムカデが唾かけたら死ぬと思うなよ。あいつら首ちぎっても体だけで3日くらい生きてるほど生命力強いから。俺がゴッドサイダーだから出来た芸当だぜ」 by 藤原秀郷。

「♪人の不幸は大好きさ、人の不幸は大好きさ~」 by 梶原景時。

「夏目雅子以来、日本の『西遊記』で俺を演じるのが女優ばかりだから、俺が女だと思ってる奴もいるそうだな。とんでもねえ!」 by 玄奘三蔵。

「私が始めた歌舞伎は男だけで演じるようになったし私の名前は芸人に使われるし、私の存在意義って何なのよ?」 by 出雲阿国。

「歴史の教科書のわしの頭をモヒカンにするんじゃねえ!…正岡子規の頭にアイスラッガー付けてウルトラセブンにする奴もいるようじゃがの(笑)」 by 杉田玄白。

「姉ちゃん、またちびってもうたぜよ(T_T)」 by 坂本龍馬。

「うちの親分さん、俺たちには坊主頭にさせといて自分はパンチパーマってどういうことよ?」 by 釈迦十大弟子一同。

「俺のフルネーム、実はムチャクチャ長いんだぜ。いちいち書くの面倒くさいから、各自調べてくれ(笑)」 by ピカソ。

「俺の祖母さん、旦那もいないのにどうやって親父を産んだんだろ?」 by ニニギノミコト。
「あいつはわしが左目洗ったら出てきた子だから、深く考えんでよろしい」 by イザナギノミコト。

「こら相原コージ!私の対義語がアルチンゲールだとか茶化すんじゃないわよ!」 by ナイチンゲール。

「俺、漢詩いっぱい作ってるし中国人みたいな名前だけど、コッテコテの日本人だからね~」 by 頼山陽。

「兄貴、もういい年なんだから楽隠居でいいじゃん?つーかすぐいらんこと言って騒ぎになるから黙ってろって。『嵐を呼ぶ男』は俺だけで十分だぜ」 by 石原裕次郎。

「俺やクリームの連中が目立ちたくてデカい音でやったのがハード・ロックと呼ばれて、それが枝分かれして様式美だLAメタルだスラッシュだと内輪もめするなって言ってる内はまだ良かったが…『イジメ、ダメ!イジメ、ダメ!』って何じゃいありゃ?」 by ジミ・ヘンドリックス。

「エマニエル夫人やデヴィ夫人じゃあるまいし、皆もっと私のフルネーム覚えてよ」 by キュリー夫人。
「マリーさん、あんたはまだいいよ。俺たちいつも2人セットで片方ずつ注目されることなんかないもん」 by ライト兄弟。

「俺、清和源氏の始祖なのに影薄いなあ。承平・天慶の乱じゃ結構活躍してんのに」 by 源経基。

「俺、お市の旦那とよく間違えられるし、業績もあんまり知られてないし」 by 浅野長政。

「俺の詩が貧乏くさいだの愚痴っぽいだのって、李白みたいな飲んだくれとは違うんじゃい」 by 杜甫。

「刎ねられた入鹿の首の落ちたあたりが首塚?ないない。板蓋宮から首塚までどんだけ離れてる思てんねん?明日香村来た人ならわかるやろ?」 by 中臣鎌足。

「俺が発明した蓄音器を手で回して、イヨゥ!チェケラッ!だと?そんなことするために作ったんじゃないんだけどなあ(T_T)」 by エジソン。

「こら森進一!わしの許可も無しに『おふくろさん』にセリフ入れるな!罰として『死ね死ね団の歌』を歌ってもらうぞ!」 by 川内康範。

「柳に飛び付くカエルを見てスランプから立ち直るって、どんだけ単純なんだ俺…」 by 小野道風。

「俺が義賊だって?ははは、とんでもねえ!豪商の家は警備が甘いし体面を気にして奉行所に届けねえから盗みやすいだけ。盗んだ金?全部賭場で使っちまったよ」 by 鼠小僧の次郎吉。

「うちのオカン、俺をダシに引っ越ししすぎだろ」 by 孟子。
「たった3回で大口叩くな。俺なんか70回だ」 by ベートーベン。
「甘い甘い。わしの93回には叶わんじゃろ」 by 葛飾北斎。

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 ライブ翌日にレポ書くって久しぶりやな~。それも昼下がりに(笑)。

 この会場って、去年のKRUBERABLINKAワンマン以来だから、もうかれこれ1年ぶりか。早いな~。
 それにしてもキューズモールは(行き慣れないせいもあって)中で迷う。あっち行きこっち行きで、到着したら開場時間を過ぎてたぞ。まあ、それでも開演には間に合ったわけだけど。
 この日はあちこちでいろんなイベントが被り、その上に雪で交通機関が乱れて出演の皆さんも到着に苦労したそうで。

ALL IMAGES BLAZING

 今のクルベラでも鍵盤を弾いてる片岡祥典さんを中心にしたプログレ・バンドでベースは脇本さん。ヴォーカルが女性で、以前観た時は鈴木広美さんがギター弾いてたこともあったけど、今回は女性?見た目女性以外の何者でもないんだけど、いやーわからんで~、荒牧さん(赤坂タカシとニューコパカバーナ)やHIZAKI(VERSAILLES/JUPITER)みたいなのもおるからな~。
 基本は変拍子バリバリのプログレに女性ヴォーカルが乗るスタイルなんだけど、ボサノバ風に始まってみたり途中でレゲエになったりする曲もあって、一筋縄ではいかないのが面白いところ。
 高い演奏力が楽しめて、なかなか良かったと思います。

REGULUS

 このバンド観るのは結構久しぶりかも。ヴォーカルMikkaさんと鍵盤じょんタマさんの女性2人を含む様式美系の音楽性はお馴染みだが、今回は新曲も多めに披露。これがなかなか格好良くて、次の作品にも期待が持てるというもの。Mikkaさんの歌声には惹きつけられるし、じょんタマさんは小柄な女性が弾いてるとは思えない豪快なオルガンの音色に派手なアクション、そしてコーラスでも大活躍。
 女性2人に比べたら男性陣が地味かな~と以前は思ってたんだけど、やっぱりその実力は大したもんです。
 ついでに、MCでの駅員さんの話が音楽性とのギャップもあってなかなか面白かった。

EBONY EYES EXCELLENT

 今回唯一の全員男性のバンド。ハードでありながらも渋めの音はいつも通り格好良く、私は「MATADOR」「OSLO」という欧州旅情シリーズが好きだったりするんだけど、これを連発でやってくれたのは良かった。暑い国(スペイン)と寒い国(ノルウェー)というギャップはあるけど。
 田中(明)さんのビミョーにすべってるような、でも何だか笑えるMCもさながら、パワフルでなおかつ渋い歌声はとても魅力的。なお、1週間後のライブの後はしばらくお休みするそうで、それがちょっと残念だけど気長に待つとしよう。

CLOUD FOREST

 REGULUS同様にヴォーカル&鍵盤が女性の5人編成なんだけど、ダウン・チューニングによる重い音にクリーンな女性ヴォーカルが乗る、初期ブラック・サバスとアトミック・ルースターを合わせたような音楽性?というのは何度も書いてるけど、意外に速い曲もあったりして。でもそれらも重い感触。
 ヴォーカルK.JUNOさんは背中に蝶の羽根をかたどったものを付け、「今回のイベントタイトルに合わせ、日本を代表するモンスター…モスラをイメージしてみました」言うてたけど、モスラは蛾やぞ~。ひなさんが浪漫座別館での「罪深き蝶々」で同じものを披露してたが、K.JUNOさんの場合はアクションが派手なのでまた違った印象。観応え・聴き応えとも十分だった。「モハメド・アリ!そんなんあり!」はちょっとすべってたけど(笑)。

 …見た目の派手さも無く(強いて言えばREGULUSの女性陣くらい?)奇をてらったとこのないバンドの競演だったが、その分やってる音楽そのものに耳を傾けられたイベントだった。それに4バンドでそれぞれの持ち時間も長めだったし、その点も私個人的には満足いくものだった。先述の通りあちこちでの被りと雪のせいもあってかホール内の来客数はちょっと寂しかったけど、充実度は高かったと思う。

 まだ完全に復調してないからか簡単なレポにしか出来ないけど、今のところはこんなとこでいいでしょ。

「勉学のためと言ったら誰もが簡単に金貸してくれてチョロいもんだ。ほとんど酒代に消えてるのに。こんな俺が千円札っていいのかよ?」 by 野口英世。

「最近の俺の覚え方って、『ナベアツに似た人』かよ!?」 by 安重根。

「家斉様には負けるけど、俺だって37人作ったんだぜ」 by 徳川斉昭。

「光瀬さんに萩尾さん、『百億の昼と千億の夜』での私の扱い、ひどくないですか?」 by キリスト。
「私だって途中半魚人にされてるからそんなに良くはない」 by 釈迦。
「馬鹿野郎!俺だって女にされてんだぞ!」 by 阿修羅。

「視力検査やっても他の人の半分の時間で済むのは、楽でもあり寂しくもあり」 by 伊達政宗&柳生十兵衛。

「俺の名前って官兵衛か如水としか言われなくて、誰も「孝高(よしたか)」って呼んでくれないんだよな」 by 黒田官兵衛。

「私の旦那、立派な天皇みたいに言われてるけど、都を何度も移したり大仏建立で民の負担を増やしただけのアホやねん。ま、その分うちら藤原一族の言いなりになってくれるからええねんけどな」 by 光明皇后。
「聖女だなんて誰が言えたもんだか、この腹黒様(笑)」 by 藤原仲麻呂。

「こら定家!なんで六歌仙の中で俺だけ百人一首に入れへんねん!?」 by 大伴黒主。

「俺のmixiネーム『法性寺入道前関白太政大臣』は長すぎるとか、誰だかわかんないってよく言われるんだよな。そういう方はFacebookで絡んで下さい」 by 藤原忠通。

「作曲家の俺が楽譜読めなくて、ピアニストの嫁に採譜してもらってるって、なんだかヒモみたいだな」 by シューマン。

「ラヴェルめ、たった2つのメロディを延々繰り返すだけの『ボレロ』が代表作だぁ?あんなんでいいのなら、4夜費やさないと終わらない『ニーベルングの指環』作った俺の立場はどうなるんだ?」 by ワーグナー。

「あー奈良漬食べたい…」 by 阿倍仲麻呂。

「本当の初代は俺。大陸から渡ってきて大和を支配した」 by 崇神天皇。
「やがて九州から来た俺が乗っ取った」 by 応神天皇。
「その後は俺が越前から南下。今の連中は俺の子孫」 by 継体天皇。
「俺たちの立場は?」 by 欠史八代一同。
「お前ら物部氏だろ?」 by 崇神・応神・継体。

「ジジイのイメージしかないみたいじゃが、わしにも若い頃はあったんじゃぞ」 by 老子。

「死ぬのは嫌だ、怖い。おーい、不老不死の薬はまだか!?」 by 始皇帝。
「(全体に公開)今探してるからもうちょっと待って下さいな」「(一部の友人に公開)日本でサボってたりして(笑)。もう帰らねえよ」 by 徐福。

「俺を殺したいなら水爆でも持ってきやがれ!」 by ラスプーチン。

「♪ゴンベさんの赤ちゃんが風邪ひいた~ゴンベさんの赤ちゃんが風邪ひいた~って、うるせえ!俺は『ごんべえ』じゃねえ、『ごんのひょうえ』だ!」 by 山本権兵衛。

「俺が暴漢に刺された時になんて言ったかって?『ぐへっ』に決まってるじゃん」 by 板垣退助。

「結局俺たちはきちんと皇位に就いてたのか?担ぎ上げられただけなのか?」 by 安閑天皇&宣化天皇。

「女の天皇つったら飛鳥~奈良時代だけだと思われてるけど、江戸時代にも私たちがいたのよね~」 by 明正天皇。
「そうそう、2人とも行かず後家だったけどね」 by 後桜町天皇。

「俺は悪人みたいに言われてるけどな~、人が酔っ払ってるのをいいことに集団でメッタ斬りにした近藤や土方の方がよっぽどひどくないか?」 by 芹沢鴨。

「小野妹子は『俺は男だ』って言えるからいいですよ。私なんかいまだに男か女か議論されてて明確な答えが出てないんで、どっちの言葉でつぶやいたらいいかわかんないんですから」 by 稗田阿礼。

「俺たちの絵が子供のいたずら描きみたいだって?モローの晩年のもあんまり変わらんぜ」 by ミロ&カンディンスキー。

「俺、いつも『落穂拾い』の人と間違えられるんだよな。あの人はミレー、俺はミレイ…日本語表記じゃ違いがわかりにくいからフルネーム名乗るか、代表作は『オフィーリア』!って言うしかないんだよな」 by ジョン・エヴァレット・ミレイ。

「わし、修験道の開祖にされてるけど本当はただの民間祈祷師だったし、あんな全国あちこち回ってへんし」 by 役小角。

「赤穂なんかに養子に行ってなきゃ、腹も切らずに済んだのに(T_T)」 by 堀部安兵衛。

「ゴタゴタに巻き込まれたくないから飲んだくれてたのに、こんなジジイになってから即位させられるとは思わなんだ。まあいい、聖武・孝謙のボケナス親子よりはまともな政治やれるじゃろうて」 by 光仁天皇。

「わし、初代執権と言われとるが厳密には執権とは名乗っとらん」 by 北条時政。
「私も北朝初代にされてるが、鎌倉幕府が後醍醐を追放しての即位で尊氏は絡んでないから本当は全く違う」 by 光厳天皇。

「ドイツのスコーピオンズってバンドが私の『荒城の月』をカバーして以来、あの曲はそっち方面に好まれてるようで…じゃあ、日本のハード・ロックの始祖は私ということでいいんだな?」 by 滝廉太郎。

「誰だよ?『よみ人しらず』って人はあちこちでたくさん和歌を残してるって言う奴は?サウンドトラックじゃあるまいし」 by 平忠度。

 年末からの忙しさやら体調不良やらで文章を書く気力が起きず、相変わらずライブにもよく行ってたにも関わらず、レポを全く書けない状態が続いた。少し前にそれを脱して連発で書いたが、やはり完全復活とはいかないようで、いつもと比べたらやはりあっさり目だ。まだまだこの状態は続くかと思われる。

 さて、なんでこんなことになったんだろう?

 仕事が忙しくてクタクタ、同時に心身の不調も出てきて突発性ストレス熱を発したり、この辺は珍しいことではないし、そんなんでも小康状態になればレポを書き上げたりしてたもんだ。それが出来なくなったのは…やっぱり「あれ」か?

 そう、一昨年秋のジェラルドのライブ…魅力的なオリジナル曲を期待してたのにカバー曲がほとんどだったことに失望、その上昨年の東京での様子を聞けば、コスプレでの寸劇もあったりと、「本来の音楽で勝負するのをやめちゃったの?」と感じられるような望ましくない噂だった。
 だから秋の大阪でのワンマンも、既に先約が被っていたというのもあるが、期待は持てないだろうからと断念した。恐らくその辺から頭が凝り固まって難しく考えるようになってたんだろうな…

 そんな状態でも名古屋での矢沢永吉や、岡垣さんの「様式美大作戦」は渾身のレポを書き上げた。だが、その後から何だか書けなくなり、年末のカシオペアも年が明けてからの数本も、ライブが終わってすぐには書けずにしばらく経ってからの執筆となってしまった。
 
 もうズバリ書いちゃいますけどね、赤坂タカシとニューコパカバーナ、これのレポを書くことに悩んで(結局書かなかった)その辺から葛藤が生じてきた、それに間違いない。

 そちらのライブがとても面白くて楽しめたことは言っておきたい。だが…私がジェラルドに対して「そんなことやらないでほしい」と思ったものとどう違うのか?
 赤コパはこれまで例のない独自の音楽だった上に、曲中で寸劇のようなものもあり、それが「面白い」と感じたんだけど、なぜ彼らが良くてジェラルドがやっちゃダメなのか?
 ひいては、私が嫌っている米米CLUBの大仕掛けなオチャラケ…彼らを好きになることは今後も無いだろうが、Gacharic Spinのコント仕立てのMC、そして派手なステージングがそれとどう違うのか?
 そして、カバー曲をやるのがジェラルドはダメで、恭司さんや岡垣さんたちはいいの?
 …そんなこんなを考えてたら頭が混乱して、パソコンを打つ指が進まなくなった、そんなところだと思う。

 私は基本的に、大がかりな仕掛けに頼らずにシンプルなステージングで音楽一本で勝負、そんなライブが好きだ。そしてMC…曲をやるより喋る方が長いのも困るけど、適度に面白い話のあった方が緊張と緩和のバランスがとれて良いと思っている。また、カバーもやって数曲、それはあくまで「おまけ」としてオリジナル中心でやってほしいし、カバー中心になるのはトリビュート・バンドとか誰かに対するトリビュート・イベントとか、もしくは一時的なスーパー・セッションとかアコースティック・ライブとか、バンドが結成間もなくてオリジナルが少ないとか、そういうのならOKなんよね。

 でも、そんなことを難しく考えだすとキリがないのでは?そして、最近私はライブに行っても曲目を追ったり演奏や歌唱の良し悪しを気にしすぎてライブそのものを楽しんでいないのではないか?
 ライブレポを書くのもいいが、あくまで「今日のライブは楽しかった~!よし、この勢いで明日書くぞ!」と思って指がウズウズして翌日書き上げる、それがいいのであって、「レポ書かなきゃな~」という義務感で書いても良いものは書けない。それを忘れちゃいかんのよね。

 だから…ガチャピンも赤コパもそれまで同様単純に楽しむとして、ジェラルドが寸劇やカバーやっても「少しくらいなら」気にすまい。次のライブは最初から不満を抱えた状態でなく頭を真っさらにして臨むとしよう。まあ、1年空けたからそういう心境になれたのかも知れないけど。
 チケット代払って粗探しばっかりするのも面白くないもんね。それじゃ最初から行くなってことになるし。

 よし、もう難しく考えない!それが一番!

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