2013年08月

 この夏はほんま異様な暑さでしたね~。こんなに暑かったら食欲も減退…と思いきや、そうでもないようで…と言いつつ、某うどん屋さんでは冷やしうどんしか食べてなかったのよ~。
 うどんやラーメンは汁まで全部飲んでしまう人なので、暑い時には避け気味なんだけど、カレーなら大丈夫?ってことで相変わらず週末には食べておりました(笑)。

 まずは、日本橋にある某店の「めっちゃわがままカレー」(大盛り)なんですが…

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 まあ、そんなに美味いもんではなかったような^_^;

 続いては、なか卯の「あいがけカレー」(大盛りにしてたっけ?)。

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 今のここのカレー、「和風」が売りなんだけど、その辺どうなんだろう?まあそれは置いといて、意外と私の口には合うようです。

 お次はココイチの「とろ~りチーズのミートローフカレー」(400g)。

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 とりあえず、味は濃いです。美味しいことは美味しいんだけどね。

 さて、ラストは上等カレーの「デラックスカレー」(大盛り)。
 
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 カツ、海老フライ、カツ&海老フライの3種類から選べて、私は最後のにしたんだけど、ここの味自体が好きなので(インデアンカレーのパクリくさいけど)、ペロリといけました。

 最近ようやく少し涼しくなってきたので、また美味しいものをガッツリ食べれる季節になりましたな~って、年中ガッツリ食べてるような(笑)。
 
 

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① HUNTER
② LOVE GAMES
③ DON'T THINK ABOUT YESTERDAY
④ GUITAR SOLO
⑤ CRY OF LOVE
⑥ GOING ON
⑦ FIGHT IT OUT
⑧ FICTION
⑨ COUNT DOWN
⑩ A-JAM(DRUM SOLO)
⑪ E-JAM


山本恭司:Guitars,Vocals
満園英二:Drums
満園庄太郎:Bass


 13年(つまり今年)、ライブ会場限定で販売されたタイトル通りオフィシャル・ブートレッグのライブアルバム。

 オリジナル活動期にフルアルバム2枚とミニアルバム1枚を発表した以外は、当時も不定期な再開後もその活動はライブが中心だったが、その割には1枚まるまるライブアルバムというのは全く存在せず、05年のDVDが1枚あるくらいだったこのバンド、なぜか今年になって唐突に本作がお目見えした。
 とは言っても近年のライブではなく、1stアルバム制作直前の全国ツアー最終日の模様を収録したテープが庄太郎宅から発見され、その内容が良かったために恭司さんと共にノイズ除去等の作業を手間暇かけて行い、どうにかこうにか聴ける状態に持っていったもの…らしい。

 さてその内容だが、正式なデビュー直前というかツアー最終日ということもあり、とんでもなく勢いに満ちている。ライブの度に英二はドラムのヘッドをぶち壊し、庄太郎は弦を4本とも切ったと言うが、それも誇張では無かろうというくらいの強烈さだ。
 元々ジャム・セッションを中心に曲を作っていったというこのバンドだが、アルバム制作直前ということもあってか、形としては既に翌年発表のアルバムに収められるものと大差ないくらいの完成形になっている。まあ、アルバムではギターを何重にも重ねて厚みを出していたわけで、それに比べればバッキングもソロもギターは1本だけだから薄く感じられるのは仕方ないのだが、それを補って余りあるのが満園兄弟の(当時の)若さゆえの爆発力だろう。⑩のドラムソロなんか、ほんま勢いのみ!そしてそれに触発されるかの如く、恭司さんもVOW WOW時代のきっちり構成されたものとは正反対の荒々しいプレイを展開している。

 細かいことを言えば、①でいきなり「次の曲は…」なんて紹介してるあたり、冒頭の何曲かが音源化出来る状態では無かったからカットされたんだろうとか、⑨の途中で突然音が悪くなってるとかが気になるんだが、その辺はご愛嬌ということで。ご愛嬌と言えば、⑥の途中でVの「DON'T TELL ME LIES」のフレーズが飛び出すのも聴いてる方はニヤリとしてしまう。ついでに言えば、⑪も「E-JAM」なんて題してる割には「PURPLE HAZE」そのものだし。

 1stアルバムには入らず、ミニアルバムで日の目を見た⑥⑨だが、これらも既にこの頃から存在しており、特に⑥は「次のアルバムのオープニングに」というのがこの段階で決まっていたらしい。⑨はそちらにもライブ・バージョンでの収録となったが、スタジオ録音でこの曲の勢いを出すのは無理と判断したんだろうな。

 曲間のMCまでたっぷり収録し、観客の反応も生々しく、勢いと臨場感に満ちた本作は6月の東京でいきなり完売してしまい、8月の名古屋・大阪ライブでもこれが手に入るというのが売り文句だったのに無かったら困るということで急遽追加プレスしたといういわく付きの作品である。つまり一般のCDショップでは手に入らないわけで、その辺で私は本作のレビューを少し躊躇したのだが、是非ともレビューしてほしいという声もあり、それに背中を押されて書くことになった…というわけ。

 しかし…こういう商品が出たら期待してしまうのよね、このバンドの正式な新しい音源を。全部新曲の新作を作るのが難しい(面倒くさい?)とすれば近年のライブアルバムでもいいし、ライブで毎回やってる、観客に言わせた「好きな数字」を元に即興で作った曲に手を加えて「新曲」を作ってそれらを集めたアルバムを作ってもいいし。その場合、作曲クレジットはどうなんの?という問題もあるだろうけど。でも、今こうして(少ないながらも)ライブをやってる現在進行形のバンドなんだから、是非「今の」彼らの姿をパックした作品というのも聴いてみたいものである。

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 さあさ、無駄話してたらそれだけで字数食うのでさっさと行きます。

 とは言っても今回のライブが4月に予定されてたのの延期されたものであることは書いておかねばなるまい。ご存知の通り、恭司さんは3月末の札幌でスノーモービルを運転中に木に激突、右手首を骨折して全治2ヶ月の診断を下された。予定されていたライブも可能な限り左手のフィンガリングのみでこなしたが、WILD FLAGはコード・リフ主体の激しい曲が中心なのでその状態では不可能。なので予定されていた公演は全て延期となった。つーか、対バンの都合もあるので一旦中止扱い、名古屋はひとまず中止→仕切り直し、大阪はチケットのみ生かすやり方となった。とは言え、多くの方が一旦キャンセルして新たにチケットを取り直したようだが。
 で、大阪はGUNBRIDGEとMARY'S BLOODという若いバンドが予定されており、そっちも楽しみだったのだがそれは流れ、私の仲良しさんのバンドたちにも声がかかったが都合がつかず、結局こういうことになったらしい。

 というわけで盆の帰省から既にこちらに戻っていた私は開場時間少し過ぎくらいに到着したが既に行列が入場を始めており、客席の前の方は占領されていた。まあどうせ途中でトイレ行くだろうし、後方でいいやということに。そして知った顔もいくつか見かけつつ、定刻にはライブが始まった。

Python Blade

 知らない名前だなあと思ってたが、メンバーは知った顔がいくつか。ギターは某・島田さんだし、ベースの女の人も某・島田さん。ヴォーカルの人も知ってる顔だったような。そして始まったのは「COMIN' HOME」。第4期ディープ・パープル唯一のアルバム「COME TASTE THE BAND」からという渋い選曲。曲自体は渋くなくて曲の半分以上(歌のバックでも)ギターソロ弾きまくりなんだけど、島田さんは見事なトミー・ボーリンぶりだった。恭司さんもリッチーもこなす上にこれだから、ほんま大したもんだ。続くは「LADY LUCK」。あらら、第4期特集?「パープルを4曲やります」とのことだったが、残りの曲も「LOVE CHILD」「GETTIN' TIGHTER」と、結局全て第4期の曲だった。まあ、有名曲は昨年末のX-RAYメンバーや岡垣さんや金谷さんたちもやってたから、たまにはこういうのも珍しくていいだろう。でもヴォーカルのデスボイス寸前のガラガラ声はどうしたもんか…^_^; とは言え、演奏の方はさすがの貫録で聴き応えがあった。

GROOVE LINE

 このバンドも随分久しぶりだねえ。MARINOの吉田‘レオ’隆(Vo.)&鎌田学(Ba.)と44MAGNUMの広瀬‘Jimmy’さとし(Gt.)によって結成されたバンドで、3~4年前はよく行ったもんだが、山口‘PON’昌人(Dr.)が筋肉少女帯のサポート他のために多忙となって脱退、後任は迎えたものの活動は停滞していた。なのでほんまに久しぶりに拝見することになる。
 既にアルバム1枚作れるくらいのオリジナル曲があるはずなのだが、まずはレッド・ツェッペリンの「NOBODY'S FAULT BUT MINE」で始まった。えらい渋いカバーで来るなあと思ったら次もZEPの、今度はベタな「IMMIGRANT SONG」。何を歌っても自分のスタイルで自分の歌にしてしまうレオさんと、たたずまいはジミー・ペイジを意識した?と思わせながらもやはり自分のスタイルを崩さないJimmy、毎度のことながら面白い組み合わせだ。
 ここで片岡祥典(Key.)を迎え、GROOVE LINEとしてのオリジナルを2曲やった後、「ツェッペリンのマニアックな曲をやります」とのことで、ほんまにその通りの「NO QUARTER」、元基さんもナニワエキスプレスとのライブでよく歌ってる「SINCE I'VE BEEN LOVING YOU」と、まあ少なくともベタな曲ではない。レオさんいわく、ZEPは若い頃には避けてたが年をとってからその面白さがわかってきたそうで。
 さあその後は44MAGNUMの新しめの曲とMARINOの「BREAK」。Jimmyの右手の動きが、私が高校生の頃にTVで観たのとまるで変わらないのが驚きと言うか何と言うか…ついでにこの人、見た目も若々しいし。
 そして最後はこれまた驚きの「長い夜」、つっても松山千春じゃござんせん。シカゴの「25 OR 6 TO 4」の方です。80年代のシカゴしか知らない人にはそりゃ驚きだろうけど、初期シカゴのやってた音楽を知ってればそれほど驚くことではない。実際、そんなに違和感も無かった。というわけで、かつてお馴染みだったレオ&Jimmyの漫才コーナーも無く(笑)約1時間のこのバンドのステージは終わった。

WILD FLAG

 さあいよいよお待ちかね、トリのこのバンド。待ち焦がれたぜ~。一昨年名古屋で観てるけど、大阪では5年ぶり。但し恭司さんはそのことを忘れてたようで(笑)。一昨年はジミヘンを3曲やったし、最初のバンドがパープルで次がZEPで、じゃあこちらはジミヘン大会?と思ったがそうでもなかった。
 まずは「SHE'S SO HOT」。言わずと知れた?1stアルバムからの曲。ここで既に場内は熱気に包まれる。心配してた恭司さんの右腕も以前と同じように動いている。そしてリズム隊である満園兄弟のパワフルなこと。かつてはライブごとにヘッドを壊してたという英二(Dr.)、弦を4本とも切ってたという庄太郎(Ba.)だが、確かにそれぞれドカドカ激しいドラミングと走り回るベースラインにその面影はあるものの、年齢を重ねて無駄な力を使わない技術を身に付けたようで、最後まで先述のようなアクシデントは無かった。
 「DON'T THINK ABOUT YESTERDAY」「WILD STREET'S CORNER」と1stの曲を続けた後、恭司さんがギターで蒸気機関車の音を。それに続いて出てきたのは2ndからの「ROCK'N'ROLL TRAIN」だった。
 「次の曲は庄太郎が歌います」と紹介されたのは、お馴染み「FIRE」。はい、ジミヘンです(笑)。でも次は「WILD FLAGのバラード」こと「I AM A BOY」。しかし毎回思うんだけど、やっぱりこのバンドのライブでは2ndアルバムの曲は少なめだねえ。まあ、変化を求めてひねりを加えてみた分、ライブ向きではない曲が多くなってしまったからとも言えるが。
 次はこれまたお馴染みの、即興で曲を作るコーナー。観客に好きな数字を言わせ、それが3つ揃ったところでリフを作り、それを発展させて曲にする…実は私も5年前に適当な数字を叫んで採用され、その時にはヘヴィで不気味な曲が出来たという経緯がある。一昨年の名古屋では明るめの曲だったと思うが、この前日の名古屋では綺麗なバラードになったそうで。だが今回はストレートな速い曲だった。歌詞もアドリブで適当に歌ってると思われるが、こんなことが出来てしまうあたりにも3人の力量の高さを実感させられる。
 続いては「HUNTER」。英二をフィーチャーとのことで、確かにドラムが前面に出ていた。私はこの曲、どちらかと言えば1stの中では落ち着いた部類に思ってたのだが、激しく叩きまくるドラミングには圧倒された。
 さていよいよ終盤。ミニアルバム「THREE FACES」からの「GOING ON」なんだけど…この曲では旗を振り回すのが恒例なんだが、その旗を東京に忘れてきたそうで…仕方ないので庄太郎が上着を脱いで振り回していた。そして「COUNT DOWN」で激しく突っ走って本編は終了した。

アンコール

 まだまだ曲はいくつもあるし、あの曲もこの曲もやってない、やってほしいってのが頭をよぎるけど、結局ジミヘンの「PURPLE HAZE」。まあ、この曲も重要なレパートリーだしね。
 さて!それで終わりとはならず、勢いでやると決めたセッションが始まる。レオ&Jimmyを呼び込み、再び「IMMIGRANT SONG」を。今度は恭司さんとレオさんがツインで歌い、間奏は恭司さんとJimmyのバトル…これがまた凄くってねえ…もう凄すぎて鼻血出そうやったわ。
 場内は熱狂の渦で、ここでようやく全編が終了した。

おまけ

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 庄太郎宅から発見されたカセットテープをCD化したものなんだけど、1stアルバム制作直前の新宿LOFTでのライブを収録したもの。今回のツアーの会場のみの限定販売なんだけど、東京で一旦完売してしまい、慌てて追加プレスしたという経緯あり。元が元なので音は悪いけど、バンドのスタート当時の「勢い」がパックされてます。字数の関係もあるので、内容は後日レビューの予定(予定は未定)。
 なお、本作を購入したらもれなくサインがもらえるのでご覧の通り頂いたんだけど、元Tで現KのA女史までが並んでサインもらってる光景は何だか不思議な感覚だったなあ…

 明日から16日まで帰省します。親父の初盆なので忙しくなります。
 というわけでしばらく留守にしますが、慌てず騒がずお待ち下さい。

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 いつも通りのレポ書こうと思ったけど、そもそも曲名あんまり知らないし、詳細に書けるほど冷静になれなかった。なので、論文形式で話を進めてみようと思う。

 行ってきましたよ、この前の日曜日、被ってたREGULUSを断念して。あらかじめ予定時間がロビーに貼り出されていたが、休憩を挟んでの2部構成とのこと。今年78歳と言えば、後期高齢者なわけですよ。そりゃ2時間ぶっ通しはしんどいだろうからなあと思ってたら、それにはちゃんと意味があって、前半は日常をテーマにしたオリジナル、後半はシャンソンを中心にした古今東西の名曲(カバー曲って言いにくい)を中心にした構成だからということ。
 思ったより若い人の姿が目立つ…それに1000人オーバーくらいのホールもほぼ満席。こりゃ去年の紅白効果だな…
 で、第1部の終盤で「ヨイトマケの唄」が披露される。もう1曲歌って休憩時間になり、これで「目的は果たした」ということで帰っちゃう人も多いのかと思いきや、そんな奴の姿はほぼ見かけなかったと思う。
 ステージセットは凝ってたが、別にそれが動いたり派手な照明が飛び交うこともなく、どちらかと言えばシンプルに歌と語りだけでステージは進められた。第2部最後の曲?で演劇的とも言える鬼気迫るものを披露した後、アンコールとして「愛の讃歌」を歌い、客席は多くの人が立ち上がっての満場の拍手。皆が神妙に聴き入っていただけに、これはまた大きな驚きだった。

 とまあ、大まかな流れはこんな感じなんだけど、ここから私の感想やら何やらを書いていきます。

 とにかく歌が素晴らしいというか凄いというか「とんでもない」代物だった。演劇もやってるだけあって芝居がかった歌い回し・台詞回しが目立つんだけど、これが否応なしに惹きつけられる。途中の語り(MCって言いにくいな)も面白いだけじゃなく、それまでに歩んできた壮絶な人生ゆえか、独特の重みも感じられる。TVの画面越しに観てさえ「凄い!」思った「ヨイトマケの唄」も生だと一段と凄味が増している。そして後半のシャンソン他もまた味わいたっぷり。こりゃ途中で抜け出すなんて出来へんわ…

 そう、この人の歌というかステージの上のこの人を表現するなら、「神々しい」「神がかってる」を超越して「神そのもの」に思えてきたんですわ。最近は若い人が「あのバンドは神だな」「あのセットリストは神だ」とか、しまいに「ネ申」とか、「神」って言葉を軽々しく連発するけど、そんな生易しいものではない(マイケル・シェンカーを「神」と呼ぶことの是非は別にして)、「日本の音楽界で神と呼ぶにふさわしいのは美輪明宏ただ1人」とさえ言いたくなる凄さだった。私は通常、とんでもない歌や演奏を表現する際には「バケモノ」「キチ○イ」を褒め言葉として使うけど、この人には素直にこういう表現をするしかないようだ。
 以前、この感覚に近いものと言えばカルメン・マキのソロのステージで味わうことが出来たんだけど、もうスケールが桁違い。集客数の話ではなく、美輪さんを神とすればマキさんが巫女さんに思えてしまうくらいのものだった。勿論、巫女さんつってもシャーマンとしての力を強く持った人って意味なんだけど、それでいけば鬼束ちひろはマキさんの後継者を目指してるくらいの若いながらそこそこ力のある巫女さん(但し現在は変なトランス状態長期化から抜け出せてない)、ならばそれに及ばない自己吐露型シンガーはバイトの巫女さん?真似しようとしてもなりきれない連中は巫女さんのコスプレしたギャル程度…と感じた。

 それに、紅白で興味を持って聴きに来たと思われる若い人たちが「ヨイトマケ」で会場を後にせずに最後までいたのも、やはり歌と言うか声の持つ魔力に惹きつけられたからに他ならないと思う。それが証拠に「愛の讃歌」終了後の割れんばかりの拍手。ありゃもう、「来て良かった」「凄いものを観た」というのがビシバシ伝わってきたな。
 だから…それまでお気軽なJ-POPやアイドルの歌ばかり聞き流してた連中があの場にいたとしたら、コペルニクス的に世界観が変わるほどの衝撃を受けたのではなかろうか?あんな凄いものを観て(聴いて)しまったら、二度とそれまで適当に聞き流してたものは聴けなくなるのではなかろうか?

 でもねえ…そこで言って欲しくないのは「美輪さんに比べたら矢沢も達郎も子供じゃん」…彼らの歌を聴き馴染んだ人ならまだしも、それまで子供だましなものしか聴いてないような連中に言われると猛烈に腹が立ってぶん殴りたくなるので、まずはこの人に行く前に矢沢永吉、山下達郎、井上陽水といった「本物」はしっかり聴いてもらいたい。彼らのファンである私でさえ「やはりあの人たちも『神』と言うような存在じゃないな」と思ったけど、逆に「美輪さんの歌は凄すぎだが、やはり私がいるべき場所はいつものあの人たちやハード・ロック/ヘヴィ・メタル&プログレの会場だ」というのを改めて思った。そう、根っからの美輪さんのファンは何度も来てることだろうけど、やはり私には刺激が強すぎて、このままじゃ日常に戻れない、いつも聴いてる人たちこそ私が追うべきものなんだと思い直すことにした。だもんで…終演後に西九条まで行ってハシゴしたWINDZORのステージでいつもの感覚に戻せたのは正解だったと思う。

 この人の音楽会にたびたび来てる人ってのは、普段からオペラやシャンソンを聴いてるとか、でなければこの人の歌しか聴けなくなった人なんだろうなあ…

 だから私はとりあえずこの1回で満足、これからはいつも通りの音楽生活に戻ります、ということ。ほんま、何度も行くと人生観・世界観が大きく変わってしまうことは間違いないんだから。そのくらいはまってしまう可能性が大きいものだった。

 あ、そうそう。「ヨイトマケの唄」で両親のことやら自分のことを思ったら聴きながら泣けてくるんじゃあ?と思ったが、そういう喜怒哀楽の感情すら超越して、ひたすら呆気にとられた感じだった。
 この感覚、どこかで体験したような?と思ったら、去年のUKだった。あの演奏に美輪さんの歌声を載せたら、まさに無敵の唯一神ですよ…なんて想像はもういいから、いつも通りに恭司さんのギターに心打たれる日常に戻ろうっと。

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① SAIL AWAY
② 銀河のマシンヘッド
③ ONE WAY DRIVER
④ SUNDAY SUNSHINE
⑤ SUMMER DAYS
⑥ BLACK JACK WOMAN
⑦ リトル・サークル
⑧ CASINO DRIVE
⑨ SISTER
⑩ SWEET RED FLOWERS
⑪ WILD AND VAIN


SHAKE(木暮武彦):Guitars
DIAMOND☆YUKAI(田所豊):Vocals
小川清史:Bass

向山テツ:Drums
厚見玲衣:Keyboards


 カジノ・ドライヴを解散させたシャケがサイコデリシャスと並行する形で(これはあくまで結果的にだが)レッド・ウォーリアーズを96年に復活させ、断続的な活動を続ける中で99年に東名阪ツアーを行い、その3公演からのベスト・テイクを選んで2000年に発表されたライブ・アルバム。

 このバンドに関しては既にあちこちで何度も書いてるから詳しいことは省略するが、80年代のオリジナル活動期4作目である「Swingin' Daze」から既にキーボードを大幅に導入していたため、再結成後のライブでも当然それを必要とする場面が出てくることは想像に難くない。そしてこの時のツアーで白羽の矢を立てられたのが、カジノ・ドライヴでシャケと活動を共にした玲衣さんであった。
 
 この時点では玲衣さんがオリジナルのレコーディング時点で参加していない曲ばかりだから、元々キーボードの無かったところにどう割り込ませるか?元に入ってる曲では元をなぞるのか?アレンジするのか?私がこのバンドをデビューからずっと追っていればその辺も詳しく書けるのだが、悲しいかな玲衣さんが参加しているという理由だけでこの次作となるスタジオアルバム「JUPITER TRIBES」を最初に買って、つい最近本作と先述の「Swingin' Daze」を購入したばかりという状態だからとてもとても…だが、まだこの時点ではバッキングが中心であるとは言え、随所で「厚見玲衣ここにあり!」とばかりに顔を出しているのが興味深い。

 ③では各楽器のソロバトルが聴けるのだが、そこに玲衣さんのオルガンが加わってるし、④や⑧のピアノも効果的。8分に及ぶ⑦ではイントロでシンセが独自の浮遊感を演出したかと思えばサビやエンディングでメロトロンが盛り上げ、⑨でもピアノとメロトロンが目立ってるし、10分オーバーの熱演である⑪では再びオルガンが活躍と、あくまでサポートでありながら主役たちに負けない存在感を主張している。でも、シャケやユカイほどの強力な個性の持ち主たちだからそのくらいで済んだのかも知れない。これが他の凡庸なバンドだったら完全に玲衣さんに食われているところだ。
 また、話は戻るけど⑦⑨でのメロトロンのドラマティックさはスティーヴィー・サラスの2作品では味わえなかったところだ。玲衣さん本来の音楽性と違うという点では同じなのにあっちでその威力を発揮出来なかったのは、やはり根本に持っているものが共通するかしないかだったんだろうか?
 
 昔からのファンにとっては、⑧のアコースティック・バージョンが面白かったことと思う。また、カジノ・ドライヴ(曲名じゃなくてバンドの方)でもセルフ・カバーした⑨はアレンジもあっちと大きく変わらないが、やはりオリジナルの歌い手であるユカイが歌った方がしっくりくるように思う。

 歌も演奏も文句なしに素晴らしい本作なんだけど、観客の拍手や歓声があんまり聞こえないのでライブアルバムと言うより「ライブ録音したベストアルバム」に思えてしまうのが弱点と言えば弱点か。まあ、会場のキャパを考えたら「それはおかしいやろ~」と言いたくなるような大歓声を後で被せるのも嘘くさくなるから嫌なんだけど、熱気とか生々しさの演出のためにはその辺ももう少し考えてミックスしてほしかったと思う。

 なお、本作というかこのツアーで好感触を得たからか、その勢いのまま玲衣さんは同年の次作「JUPITER TRIBES」にも参加、そちらでも全面的に持てる鍵盤群を総動員して、以前のこのバンドには無かったと思われる独自の音楽を作り出した…というのは既にそちらで書いた通り…って、あんまり前だから覚えてる人も少ないか、ってか読んだ人自体が少ないか。ま、その辺はあんまり気にせんとこ(笑)。

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