① HOT ROD TORNADO
② GOOD TIME'S R&R
③ LULLUABY OF JENNY
④ CARNIVAL
② GOOD TIME'S R&R
③ LULLUABY OF JENNY
④ CARNIVAL
⑤ KEEP ON ROCKIN'
⑥ LONESOME WAY
⑦ ROLLING NIGHT
⑧ TOMORROW IN YOUR LIFE
⑨ SHORT PIECE
⑥ LONESOME WAY
⑦ ROLLING NIGHT
⑧ TOMORROW IN YOUR LIFE
⑨ SHORT PIECE
⑩ RAINY TRAIN
⑪ LAST SONG
⑪ LAST SONG
※⑩⑪:BONUS TRACKS
山本恭司:Guitars,Vocals
斉藤光浩:Guitars,Vocals
佐野賢二:Bass
新美俊宏:Drums
斉藤光浩:Guitars,Vocals
佐野賢二:Bass
新美俊宏:Drums
80年発表、6thアルバム。
前作「GLORIOUS ROAD」が2月で本作が9月、今考えたら早いペースだが彼らにしては普通・・・だが、その間の5月には恭司さんのソロアルバムも出ている。凄い創作意欲?いやあ、バンド本体では本来やりたいこととは違うことをさせられてたから、ソロアルバムは「ガス抜き」としての意味合いが強かったらしい。
さて本作、特筆すべきはプロデュースを当時「アリス」のドラマーだった矢沢透が手掛けていることだろう。
事務所が一緒だった縁かららしいが、せっかく売れるためにポップ路線に転向したのに人気は下降線をたどったままだったので、ここで一発話題作りとテコ入れのためにそうしたのではなかろうか?と私は考える。
事務所が一緒だった縁かららしいが、せっかく売れるためにポップ路線に転向したのに人気は下降線をたどったままだったので、ここで一発話題作りとテコ入れのためにそうしたのではなかろうか?と私は考える。
アリスと言えば前年に「チャンピオン」「秋止符」等の大ヒットを飛ばし、まさに向かうところ敵なしだった。この年のヒット曲と言えば「狂った果実」くらい・・・まあ、アリス本体としてはやや勢いが落ちていた時期と思われることも多いが、谷村新司が「昴」、堀内孝雄が滝ともはるとの「南回帰線」をヒットさせ、ソロでの活動が好評を博していた時期だ。
そんな中で透さん(矢沢さんと書けば永ちゃんと間違うし、キンちゃんという愛称で呼べばキンさんと紛らわしいから「透さん」とする)に声をかけたのは、フロントの2人がそんな状態だったら彼は体が空いてるだろうからというわけではなく(実際アリス本体としてのアルバムも出て、ツアーもやりーのTV出演もありーので、まだまだ多忙を極めていた)、彼の音楽的な素養が豊富だったことによるものと思われる。実際彼は、アリスのメンバー中でプロとしての活動歴が最も長く、アリスがまだ売れてない頃には本業のドラム以外にもピアノ等いろんな楽器を担当したことで、自然とそれが培われていたのだった。
そんな中で透さん(矢沢さんと書けば永ちゃんと間違うし、キンちゃんという愛称で呼べばキンさんと紛らわしいから「透さん」とする)に声をかけたのは、フロントの2人がそんな状態だったら彼は体が空いてるだろうからというわけではなく(実際アリス本体としてのアルバムも出て、ツアーもやりーのTV出演もありーので、まだまだ多忙を極めていた)、彼の音楽的な素養が豊富だったことによるものと思われる。実際彼は、アリスのメンバー中でプロとしての活動歴が最も長く、アリスがまだ売れてない頃には本業のドラム以外にもピアノ等いろんな楽器を担当したことで、自然とそれが培われていたのだった。
んで、透さんが彼らを手掛けたことによる驚きの1つは、ポップ路線転向後の2作のメインで歌った光浩さんではなく、ほぼ全編を恭司さんに歌わせたことだった。当時アルバム未収録で、現在CDのボーナス・トラックとして入ってる2曲も含め、アルバム本編の②を光浩さんが歌い、⑨がインストであることを除けば、全て恭司さんが歌っている。とは言え、これはハード路線に戻す目的ではなく、あくまでその方が曲に合うからという理由だったらしい。
ではアルバム本編の話に行くが、今回は曲名が全て英語。これが2つ目の驚き・・・でも歌詞はやっぱり全部日本語なのだが。作曲者は各曲に注意書きが無い限り、恭司さんの作曲・・・ということは、他のメンバーも作曲で活躍しているということ。これがまた効果的というか、それぞれの個性が出ていて面白いんだよね。
①はシャッフル・ビートに乗ってハードなギターが鳴り、一瞬「おおっ!」と思うのだが、やはり曲自体はポップで明るい。但し、ソロアルバムで好きなように歌ったことで自信がついたのか、恭司さんのヴォーカルは以前より力強く感じられる。これがキンさんの作曲というのが面白い。1曲目から彼の曲を持ってくるとは・・・
間髪入れずに始まる②は唯一光浩さんのヴォーカルだが、前作で既にパワーアップが感じられた彼の声が、ここでは更にそれが顕著。曲もなかなか格好いい。でも、作曲は光浩さん単独ではなく、恭司さんとの共作。
③はバラードだが、ピアノのみならずストリングスまで入っている。メジャー・キーだが、ほんのり哀愁の漂うなかなかの佳曲。
いきなりドラムソロで始まる④は、やっぱりと言うかの新美さん作品。曲自体はポップだが、結構ハードな感じの演奏が嬉しい。
間髪入れずに始まる②は唯一光浩さんのヴォーカルだが、前作で既にパワーアップが感じられた彼の声が、ここでは更にそれが顕著。曲もなかなか格好いい。でも、作曲は光浩さん単独ではなく、恭司さんとの共作。
③はバラードだが、ピアノのみならずストリングスまで入っている。メジャー・キーだが、ほんのり哀愁の漂うなかなかの佳曲。
いきなりドラムソロで始まる④は、やっぱりと言うかの新美さん作品。曲自体はポップだが、結構ハードな感じの演奏が嬉しい。
⑤は明るく軽快な曲。これは光浩さんが歌った方が似合いそうな気がするんだが。
で、その光浩さんが単独で作った⑥を恭司さんが歌ってるのが面白い。でもこの曲は恭司さんが歌って正解だったかも。ちょっと切ない感じで始まり、途中でテンポが速くなるが、ハード・ロック時代みたいに凝った構成ではない。
⑦はギターがツインでハモるイントロから始まるポップな曲。サビなんか思いっ切りオールディーズ風で、何とも彼ららしくないのが逆に面白いかも。
⑧は重厚なイントロで始まるが、実はマイナー・キーの哀しいバラード。以前の彼らほどではないが、ドラマティックに展開し、やはりこういう曲が必要なんだな~と思わせる。ドラマ性に貢献してるのがバックのストリングスというのが複雑な気持ちになるが。
ラストの⑨は1分程度のハードでスピーディなインストだが、せっかく⑧でいい気分になってたのに、これはちょっと蛇足に思う。
で、その光浩さんが単独で作った⑥を恭司さんが歌ってるのが面白い。でもこの曲は恭司さんが歌って正解だったかも。ちょっと切ない感じで始まり、途中でテンポが速くなるが、ハード・ロック時代みたいに凝った構成ではない。
⑦はギターがツインでハモるイントロから始まるポップな曲。サビなんか思いっ切りオールディーズ風で、何とも彼ららしくないのが逆に面白いかも。
⑧は重厚なイントロで始まるが、実はマイナー・キーの哀しいバラード。以前の彼らほどではないが、ドラマティックに展開し、やはりこういう曲が必要なんだな~と思わせる。ドラマ性に貢献してるのがバックのストリングスというのが複雑な気持ちになるが。
ラストの⑨は1分程度のハードでスピーディなインストだが、せっかく⑧でいい気分になってたのに、これはちょっと蛇足に思う。
シングル曲の方もちょろっと解説しとくと、⑩は普通のポップな曲で、⑪は哀しいバラード。私は泣きのギターの聴ける⑪の方が好きだな。
メインで歌うのが恭司さんに戻ったことで、やはりポップ路線であるとは言えかつてのハード路線の雰囲気も感じられるのが嬉しい。でも、やっぱりこれが「ハード・ロックに戻そう」という流れには即つながらなかったようで・・・
しかし、メンバーの中ではその気持ちが徐々に高まってきていたようだった。なんせイギリスではNWOBHMが勃発、アイアン・メイデンやデフ・レパードのデビューにジューダス・プリーストのメタル化といった動きが伝わってくれば、そりゃあ血が騒がない方がおかしいだろう。
日本では、それに触発されたわけではなかろうが、OZを解散したカルメン・マキが新バンド「LAFF」をギタリストのジョージ吾妻と結成(後にこれは「5X」に発展)、紫を脱退したジョージ紫は「ジョージ紫&マリナー」を結成して、地道ながらも伝統的なハード・ロックを追求、同じく元・紫のドラマー・宮永英一はコンディション・グリーン再加入を経て自ら歌う「サンディエゴ」を結成、うじきつよし率いる「子供ばんど」がデビュー。そうした動きを横目で見て、彼らがそれに無関心だったということはなかろう。
しかし、メンバーの中ではその気持ちが徐々に高まってきていたようだった。なんせイギリスではNWOBHMが勃発、アイアン・メイデンやデフ・レパードのデビューにジューダス・プリーストのメタル化といった動きが伝わってくれば、そりゃあ血が騒がない方がおかしいだろう。
日本では、それに触発されたわけではなかろうが、OZを解散したカルメン・マキが新バンド「LAFF」をギタリストのジョージ吾妻と結成(後にこれは「5X」に発展)、紫を脱退したジョージ紫は「ジョージ紫&マリナー」を結成して、地道ながらも伝統的なハード・ロックを追求、同じく元・紫のドラマー・宮永英一はコンディション・グリーン再加入を経て自ら歌う「サンディエゴ」を結成、うじきつよし率いる「子供ばんど」がデビュー。そうした動きを横目で見て、彼らがそれに無関心だったということはなかろう。
そして、彼らの周囲にバンドのポップ路線転向を促すきっかけになったと思われるレイジーが「ヘヴィ・メタル宣言」をして、本格的メタル作品である「宇宙船地球号」を発表。これはNWOBHMに影響された出来事だと思われるが、きっとBOW WOWのメンバーの気持ちを大きく揺さぶったことだろう。
・・・おっと、ここまで書いてしまったら、もう1枚書かねばならない作品の時期まで行ってしまうんだった。番外編とも言える作品だけど、やっぱり彼らの歴史の中では不可欠と思われるので、書かないわけにはいかないだろう。そんなわけで、そっちは(多分)また明日。