2011年10月

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① HOT ROD TORNADO
② GOOD TIME'S R&R
③ LULLUABY OF JENNY
④ CARNIVAL

⑤ KEEP ON ROCKIN'
⑥ LONESOME WAY
⑦ ROLLING NIGHT
⑧ TOMORROW IN YOUR LIFE
⑨ SHORT PIECE

⑩ RAINY TRAIN
⑪ LAST SONG

※⑩⑪:BONUS TRACKS


山本恭司:Guitars,Vocals
斉藤光浩:Guitars,Vocals
佐野賢二:Bass
新美俊宏:Drums


 80年発表、6thアルバム。

 前作「GLORIOUS ROAD」が2月で本作が9月、今考えたら早いペースだが彼らにしては普通・・・だが、その間の5月には恭司さんのソロアルバムも出ている。凄い創作意欲?いやあ、バンド本体では本来やりたいこととは違うことをさせられてたから、ソロアルバムは「ガス抜き」としての意味合いが強かったらしい。

 さて本作、特筆すべきはプロデュースを当時「アリス」のドラマーだった矢沢透が手掛けていることだろう。
 事務所が一緒だった縁かららしいが、せっかく売れるためにポップ路線に転向したのに人気は下降線をたどったままだったので、ここで一発話題作りとテコ入れのためにそうしたのではなかろうか?と私は考える。

 アリスと言えば前年に「チャンピオン」「秋止符」等の大ヒットを飛ばし、まさに向かうところ敵なしだった。この年のヒット曲と言えば「狂った果実」くらい・・・まあ、アリス本体としてはやや勢いが落ちていた時期と思われることも多いが、谷村新司が「昴」、堀内孝雄が滝ともはるとの「南回帰線」をヒットさせ、ソロでの活動が好評を博していた時期だ。
 そんな中で透さん(矢沢さんと書けば永ちゃんと間違うし、キンちゃんという愛称で呼べばキンさんと紛らわしいから「透さん」とする)に声をかけたのは、フロントの2人がそんな状態だったら彼は体が空いてるだろうからというわけではなく(実際アリス本体としてのアルバムも出て、ツアーもやりーのTV出演もありーので、まだまだ多忙を極めていた)、彼の音楽的な素養が豊富だったことによるものと思われる。実際彼は、アリスのメンバー中でプロとしての活動歴が最も長く、アリスがまだ売れてない頃には本業のドラム以外にもピアノ等いろんな楽器を担当したことで、自然とそれが培われていたのだった。

 んで、透さんが彼らを手掛けたことによる驚きの1つは、ポップ路線転向後の2作のメインで歌った光浩さんではなく、ほぼ全編を恭司さんに歌わせたことだった。当時アルバム未収録で、現在CDのボーナス・トラックとして入ってる2曲も含め、アルバム本編の②を光浩さんが歌い、⑨がインストであることを除けば、全て恭司さんが歌っている。とは言え、これはハード路線に戻す目的ではなく、あくまでその方が曲に合うからという理由だったらしい。

 ではアルバム本編の話に行くが、今回は曲名が全て英語。これが2つ目の驚き・・・でも歌詞はやっぱり全部日本語なのだが。作曲者は各曲に注意書きが無い限り、恭司さんの作曲・・・ということは、他のメンバーも作曲で活躍しているということ。これがまた効果的というか、それぞれの個性が出ていて面白いんだよね。

 ①はシャッフル・ビートに乗ってハードなギターが鳴り、一瞬「おおっ!」と思うのだが、やはり曲自体はポップで明るい。但し、ソロアルバムで好きなように歌ったことで自信がついたのか、恭司さんのヴォーカルは以前より力強く感じられる。これがキンさんの作曲というのが面白い。1曲目から彼の曲を持ってくるとは・・・
 間髪入れずに始まる②は唯一光浩さんのヴォーカルだが、前作で既にパワーアップが感じられた彼の声が、ここでは更にそれが顕著。曲もなかなか格好いい。でも、作曲は光浩さん単独ではなく、恭司さんとの共作。
 ③はバラードだが、ピアノのみならずストリングスまで入っている。メジャー・キーだが、ほんのり哀愁の漂うなかなかの佳曲。
 いきなりドラムソロで始まる④は、やっぱりと言うかの新美さん作品。曲自体はポップだが、結構ハードな感じの演奏が嬉しい。

 ⑤は明るく軽快な曲。これは光浩さんが歌った方が似合いそうな気がするんだが。
 で、その光浩さんが単独で作った⑥を恭司さんが歌ってるのが面白い。でもこの曲は恭司さんが歌って正解だったかも。ちょっと切ない感じで始まり、途中でテンポが速くなるが、ハード・ロック時代みたいに凝った構成ではない。
 ⑦はギターがツインでハモるイントロから始まるポップな曲。サビなんか思いっ切りオールディーズ風で、何とも彼ららしくないのが逆に面白いかも。
 ⑧は重厚なイントロで始まるが、実はマイナー・キーの哀しいバラード。以前の彼らほどではないが、ドラマティックに展開し、やはりこういう曲が必要なんだな~と思わせる。ドラマ性に貢献してるのがバックのストリングスというのが複雑な気持ちになるが。
 ラストの⑨は1分程度のハードでスピーディなインストだが、せっかく⑧でいい気分になってたのに、これはちょっと蛇足に思う。

 シングル曲の方もちょろっと解説しとくと、⑩は普通のポップな曲で、⑪は哀しいバラード。私は泣きのギターの聴ける⑪の方が好きだな。

 メインで歌うのが恭司さんに戻ったことで、やはりポップ路線であるとは言えかつてのハード路線の雰囲気も感じられるのが嬉しい。でも、やっぱりこれが「ハード・ロックに戻そう」という流れには即つながらなかったようで・・・
 しかし、メンバーの中ではその気持ちが徐々に高まってきていたようだった。なんせイギリスではNWOBHMが勃発、アイアン・メイデンやデフ・レパードのデビューにジューダス・プリーストのメタル化といった動きが伝わってくれば、そりゃあ血が騒がない方がおかしいだろう。
 日本では、それに触発されたわけではなかろうが、OZを解散したカルメン・マキが新バンド「LAFF」をギタリストのジョージ吾妻と結成(後にこれは「5X」に発展)、紫を脱退したジョージ紫は「ジョージ紫&マリナー」を結成して、地道ながらも伝統的なハード・ロックを追求、同じく元・紫のドラマー・宮永英一はコンディション・グリーン再加入を経て自ら歌う「サンディエゴ」を結成、うじきつよし率いる「子供ばんど」がデビュー。そうした動きを横目で見て、彼らがそれに無関心だったということはなかろう。

 そして、彼らの周囲にバンドのポップ路線転向を促すきっかけになったと思われるレイジーが「ヘヴィ・メタル宣言」をして、本格的メタル作品である「宇宙船地球号」を発表。これはNWOBHMに影響された出来事だと思われるが、きっとBOW WOWのメンバーの気持ちを大きく揺さぶったことだろう。

 ・・・おっと、ここまで書いてしまったら、もう1枚書かねばならない作品の時期まで行ってしまうんだった。番外編とも言える作品だけど、やっぱり彼らの歴史の中では不可欠と思われるので、書かないわけにはいかないだろう。そんなわけで、そっちは(多分)また明日。

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① We're No.1
② Summer Time Baby
③ Sad Girl
④ 夜になっても遊び続けろ
⑤ 欲しいのはおまえだけ
⑥ Search Light

⑦ 忘れかけてたラブソング
⑧ 愛の鎖
⑨ Sky Diver
⑩ 負け犬になるのなら
⑪ Glorious Road
⑫ ラブ・ミー・テンダーを歌ってよ


山本恭司:Guitars,Vocals
斉藤光浩:Guitars,Vocals
佐野賢二:Bass,Crazy Voice
新美俊宏:Drums


 80年発表、5thアルバム。

 前作が78年末だったから、79年は珍しくまるまる空いたことになるが、その間に彼らはビクター→SMSと、レーベルを移籍していた。だからと言って動きが全く止まっていたわけではなく、「謎の行動」もあったわけだが・・・それは後日書くけど。

 さて、ポップ路線に転向して物議を醸した前作「GUARANTEE」だったが、本作もやはり同じくポップ路線、メインで歌うのは光浩さん(⑩のみ恭司さん、⑪はインスト)。だが、全体にソフトで活気の感じられなかった前作と比べ、本作はテンポのいい曲が多くなっている。作曲も全曲メンバー自身によるものに戻り、⑤が光浩さん、⑦⑧が新美さんで、他は全て恭司さん。曲数も12曲と、今までで一番多い。

 まず①からしてアップテンポ。前作では抑え気味だった光浩さんのヴォーカルも元気な感じ。ベンチャーズ風のテケテケ音や「キンサケ」がいいアクセントになっている。
 ②もアップテンポで、しかもギターはややハードな響きが戻っている。もうここで前作とはかなりの違いを感じる。①同様、やっぱりメロディは明るいけど。
 ③もまた速めで、引き続いてギターのハードな響きも聴かれる。明るい曲なのはここまでと同じだが。
 ④はマイナー・キーのシャッフル・ナンバー。やっとここで少し違った曲調が出てきた。しかし、ハード・ロック時代のような「ひねり」は感じられないが。なお、ここでも間奏に入る時に「キンサケ」が聞こえる。
 ⑤は再び明るくポップな曲。サビのコーラスが何とも彼ららしくないが、これはこれで面白い。
 ⑥はいきなりキーボードの音から始まるとは言え、それに絡むギターの響きが、久しぶりにハードな感じ。マイナー・キーで、本作の中では以前の路線に近い部類と言えるかも知れない。多分恭司さんと思われるが、ソロでもかなり弾きまくっている。

 B面に移って⑦は再びマイナー・キーだが、サビのコーラスとかメロディは、昔の青春ドラマの主題歌を思わせる。
 ⑧はちょっと切ない感じのメロディだが、ギターの響きはちょっとハード。バックのキーボードも効果的に使われている。
 ⑨も引き続いて切ない曲調。バックでアコースティック・ギターの音が聞こえる。
 唯一恭司さんが歌う⑩は、ハード・ロック時代を思わせるスピード・ナンバー。ソロでの弾きまくりの無いのが残念だが、こういう曲が入っているのは少し嬉しかったりして。
 インストの⑪は、ボレロ調に始まってハードに展開、2人のギターが交互にソロを聴かせ、短いながらドラムソロも入った、なかなか聴き応えのある曲。やはりこういう曲になると、彼らの本領が発揮されるようで・・・ズバリ本作では浮いているように感じられるが、これが彼らの本当にやりたいことだったのは明白。
 そして⑫はほんのり切ない感じのバラード。B!誌では、「この曲を今やるのは恥ずかしいだろう」などと書かれていたことがあるが、別に恥ずかしいような曲じゃないし、これはこれでいいと思うんだが・・・で、この曲でアルバムは幕を閉じる。 
 
 以上、本作を聴いて感じたのは、先述の通り同じポップ路線でありながら、前作と違ってロック色が少し戻ってきていること。とは言え、相変わらずギターソロも短めだし、かつてのハードさには程遠いが・・・この辺は前作に対するメンバーの不満もあったのだろう。外部の作家を起用しても、強い印象の曲は残せなかった。ならばメンバー自身の力量を信じ、全曲彼らに作らせてみようとなったのではなかろうか?結果それは、作品の出来としては成功したと言える。ポップ路線時代の作品では、本作が一番のおすすめかも知れない。

 しかし、バンドの人気を盛り返すには貢献出来なかった。ジャケットでおわかりの通り、恭司さん以外のメンバーは髪を短くしてしまい、やはりかつての彼らとは違ったイメージでの売り出し方がされていた。
 この時期はライブでも客の入りが激減し、ポップ路線転向後の曲をやってもさっぱり盛り上がらず、逆に初期の曲をやったら「待ってました!」とばかりに盛り上がる、非常に辛い時期になってしまったようだ。この辺も彼らにとって、「この時期は封印したい」と長いこと思わせた所以かも知れない。

 80年と言えば、YMOが全盛期だったことや、松田聖子・田原俊彦のデビューでアイドル人気が再び盛り上がっていた頃だ。そりゃあハード・ロックがウケる時代ではない。しかし・・・YMOの「TECHNOPOLIS」「RYDEEN」といった曲に混じって、かつて彼らの歌った歌詞が流用された同名曲「BEHIND THE MASK」があちこちで流れていたのを聴いた彼らの心境はどんなものだったろう?私個人としてはかなり複雑な気持ちになってしまうのである。

 私の出身大学は・・・

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 なんだけど、当時バイトしてた店が・・・

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 だったのである。とは言え、この建物は当時と同じではなく、95年の震災後の建て替えなのだ。昔はもっと古い建物だったが、あの震災で損傷したので一度取り壊し、数年後に同じ場所に規模をやや縮小して再建された。それが今の店である。

 ここしばらく忙しくて(はい、ライブ行きまくりに寺巡りが多かったのもあるけど、昨年末は土曜も仕事が入ったことが多かったし)昨年は全く寄ることが出来なかった。なので、ここには2年ぶりになる。

 さて、今回食べたのは・・・

(豚肉の)しょうが焼定食

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 ここの定食は全体的にボリュームがあり(なんせ「ご飯大盛り」を注文したら、ほんまに山盛りなんだから)、一つ一つのメニューの味も美味しい。
 近年の人気メニューは「わがまま定食」。上記のしょうが焼とチキンカツの組み合わせだが、私のいた頃には無かったメニューだ。バイト学生のまかないメニューを見たお客さんからのリクエストで誕生したものらしい。

 で、最近は雑誌にも取り上げられたんだが・・・昔は昼食の時間帯とか大勢のお客さんが押しかけたもんだけど、近年はそれも激減して、かなり寂しい状態のようだ。おばちゃんもかなりの高齢になってしまい、近年の様子を残念がっていた。

 というわけで、現役学生の皆さん、またこの近くを訪れたOBの皆さん、是非この店「ふくい屋」をどんどん利用してあげて下さい。値段も昔から変わらず安いから、ガッツリ食べたい時にはおすすめだよ!

 なお、学校には阪急の「甲東園」から行くのが近いけど、この店だけ行くなら、1つ向こう(宝塚寄り)の「仁川」(「インチョン」じゃなくて「にがわ」)から行った方が、坂道を登るしんどさも軽減されるので楽です。

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① さびしい遊戯
② ハリー&カレン
③ 飛び出しナイフ
④ ここから

⑤ いつもの場所
⑥ 風が吹く
⑦ ばんか
⑧ さびしさは知らない
⑨ 外人墓地のカフェテラス


山本恭司:Guitars,Vocals
斉藤光浩:Guitars,Vocals
佐野賢二:Bass
新美俊宏:Drums


 78年発表の4thアルバム。

 初のライブアルバムでライブ・バンドとしての勢いを見せつけたBOW WOWだったが、同時にそれはハード・ロック時代への区切りとなってしまい、本作で彼らは予想だにつかなかった(当時はそうだったと思われる)変身を遂げたのだった。

 まず、ジャケットからして青空&海&砂浜という、それまでの彼らからは考えられないものだし、曲名が全て日本語というのも例が無かった(「JAMES IN MY CASKET」には「ジェイムスの小箱」、「GET ON OUR TRAIN」には「天国行超特急」という「別名」はあったが)。歌詞も、それまでは英語・日本語が半々だったが今回は全て日本語。
 そして驚くべきは、外部の作曲家による曲が3曲も入っていること!歌詞はそれまでも外注が多かったので今回もそうであることに驚きはないのだが(でも①②の作詞は阿久悠!)、①が佐藤三樹夫という人で、②④はあの桑名正博によるもので、それまで作曲は全てメンバー自身がしてきただけに、これはかなりの驚きである。で、光浩さんが③⑥⑦と、3曲も作っているのは「頑張ったな~」と思うのだが、恭司さんが⑤⑧⑨の3曲だけというのが何とも寂しい。こうなると、初のLA録音という画期的な試みも「あら、そうだったの?」とばかりにインパクトが弱くなってしまう。

 しかし、それ以上の驚きは、⑤を恭司さんが歌ってる以外は全て光浩さんが歌い、ハード・ロック色がほとんど消えてしまったことである!

 まず①のイントロからして、それまでのハードな色合いは全く無く、非常にポップな感触。光浩さんの歌声も、ライブアルバムで聴けたワイルドさはどこへやら、何だか優しい感じになっている。ギターソロは、エンディングのコーラスのバックで長めのものが聴けるが、やや埋もれた感じ。
 ②もソフトな曲調で、ギターはイントロとエンディングで結構弾かれているのだが、以前ほど強い印象は感じない。
 ③でようやくテンポの速めな曲が出てくるが、それでも以前のハードさとは程遠い。ギターソロも短めだし。それはアルバム全編通してそうなのだが。
 ④はバラード。でも以前のような「泣き」とかドラマ性は薄く、最後まで静かな調子で淡々と終わる。

 ⑤は唯一の恭司さんヴォーカルなのだが、やはりハードな曲ではない。おまけに間奏はキーボード?と思いきや、どうやらギター・シンセのようだ。
 ⑥はちょっと地味な印象。これまた間奏はギター・シンセと思われる。
 ⑦は静かに始まって、すぐハードに展開・・・だがやっぱり曲はポップ。この曲の間奏&エンディングのギターソロは結構格好良かったりするのだが。
 ⑧はアコースティック・ギターのみをバックに歌われる。哀しいメロディはいい感じだが、もう少し何か足りないような・・・
 ⑨はイントロで恭司さんの「泣き」が!と期待させるが、実際には普通っぽいバラード。なお、この曲には唯一キーボードが入っている・・・とクレジットされているが、他の曲でもそれっぽい音は聞こえるのだが・・・それらはギター・シンセなのだろうか?それに、Bの時代でキーボードが入ったのは、V転身間近の「絆FOREVER」が初めてだと思っていたので、これはちょっとした驚きだった。まあ、ポップ路線に転向したのだから、時にはキーボードも必要になってきたのだろう。

 彼らがこういう変身を遂げた(そうせざるを得なかった)のは、前回書いた通り、CHARやゴダイゴがポップ路線に転向して成功したこと、パンク/ニュー・ウェーブ、ディスコ、フュージョンといった音楽の流行でハード・ロック・バンドには厳しい環境になり、紫の分裂やカルメン・マキ&OZの解散で、周りに近い音楽性のバンドが無くなってしまったことが考えられる。
 そしてとどめになったのは、高校生バンド「レイジー」がアイドルとして売り出され、かなりの人気を得たことではなかったろうか?
 本人たちは元来ハード・ロック志向で演奏力にも自信を持っていたため、アイドル的な歌をやることは相当嫌だったらしいが、それでも彼らはアイドルとして人気者になってしまった。それがBOW WOWの周囲の人たちに影響を与えたのではなかったか。
 それまでのようなハード・ロックをやっていたら、これ以上の人気は得られそうもない。ならば、当初の予定通りに光浩さんをメインに据え、ポップな曲をやってみればちょっとは違った展開になるのではなかろうか?と。レイジーの「赤頭巾ちゃん御用心」みたいな露骨なアイドル路線をやるにはちょっと年齢が行ってしまったが、でも光浩さんはまだ20歳だし、当時CHARがやってたくらいのポップさなら十分イケると考えたのでは・・・?

 だが、そうは問屋が卸さなかった。ハード・ロックをやってた頃からのファンはその多くが離れてしまい、新たなファンを多く獲得することには成功しなかった。この辺は次作以降で顕著になるのでその時に書くが、彼らはどんどんドツボにはまって行くのである。

 さて、本作の話に戻るけど、私があんまり高評価をしていないのにお気づきだろうか?
 本作からしばらく続くポップ路線の時期は、彼らにとっての暗黒時代と言われ、本人たちも長いこと「封印したい時代」と言い、ファンにとっても辛い時期だったようだ。今となっては少し見直されてきてはいるものの、やはり長いこと廃盤だったことでファンの耳に触れる機会も無かったことから、後追いで未体験の人にはいろんな憶測を呼んでいた。私も「暗黒時代か・・・」という先入観はあったが、でも彼らの作品なら全部揃えたいと思い、CD化された際には勿論ソッコーで買ったのだった。そして聴いてみたら・・・
 恐れていたほど悪くはない。でも、今これを「隠れた名盤」と言うのにはためらいがある。それはポップに路線変更したことより、曲自体の印象が弱いからなのだ。全体に何だか焦点の定まらない感じで、どの曲もメロディ自体の魅力が弱い。これが一番のネックになっているように思う。どうせなら、思い切って筒美京平あたりを起用すればもっと印象に残る曲が出来たかも知れない・・・かな?その辺は実際そうなってみなければわからんかったろうけど。

 とにかく、まだしばらくこの路線は続きます。私が一番書きたい、ハード・ロック回帰時代の話はもっと後になるので、それまでしばらくご辛抱下さい。

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① INTRODUCTION(HEY YOU READY)
② HEART'S ON FIRE
③ JET JIVE
④ EXPLOSION
⑤ STILL

⑥ JUST A ROCKIN' TIME
⑦ GET ON OUR TRAIN
⑧ JUST ONE MORE NIGHT
⑨ THEME OF BOW WOW
⑩ SUMMERTIME BLUES


山本恭司:Guitars,Vocals
斉藤光浩;Guitars,Vocals
佐野賢二:Bass,Crazy Voice
新美俊宏:Drums


 78年発表、初のライブアルバム。

 76年末のデビュー以来、ほぼ半年ごとに新しいアルバムを発表し、確実に支持を得てきたBOW WOWだったが、前作からまたもや半年という短期間で届けられたのは、待望のライブアルバムだった。
 私を含め、後追いのファンが本作の歌詞カードの写真を見て驚くのは、光浩さんがセンターで恭司さんが上手側に立っていることだろう。デビュー当時から彼らを追ってる方なら違和感はないだろうが、私はこれが不思議で仕方なかった。我々が馴染んでる並びと逆やん・・・でも実は、元々光浩さんがメインで歌うことを想定してこの並びになったようで、結果として恭司さんがメインで歌うことが多くなったが、やはりリード・ギターは上手側というそれまでの定番通りにしたということだろうか。

 さて本作、同年4月に東京・芝の郵便貯金ホールで開催されたライブを収録したものだが、デビューからそう間もない彼らの若々しい勢いが感じられる。
 スタジオアルバムを3枚出してからのライブアルバムとなれば、それまでの作品からの集大成となりそうなものだが、何と本作にはここで初めて聴かれる曲が4曲も入っているのである!カバー曲の⑩を除いても3曲、短期間で3枚のアルバムを出してきた上にこれだから恐れ入る。

 で、そうした未発表曲の1つである①で始まるのだが、これはあくまでタイトル通りの「序曲」。ここで驚くべきは、キンさんの雄叫びが轟き渡っていること。「キンサケ」「Crazy Voice」と呼ばれるこの雄叫びは、本作全編に渡って聴かれるのだ。これがまた効果的なんだよね。
 その後に②③と、1st&3rdでオープニングを飾った曲が続くが、どちらもスタジオ盤よりテンポが速めだったり勢いを増していて、彼らがライブでもその演奏力を存分に発揮していたことがよくわかる。
 続く④も新曲で、これは恭司さん作のインスト。スローに始まるが途中でスピードアップしたり、新美さんのドラムソロが入ったりで、8分近い長さながらも最後まで飽きさせない構成になっている。
 ⑤は2ndのラストを締めくくったドラマティックなバラードだが、ここでも恭司さんのギターの「泣き」が見事。ラストは思いっ切り引っ張られ、11分に及ぶ大熱演となっている。

 で、B面に移って⑥は、光浩さんとキンさんという珍しい組み合わせの共作によるシャッフル・ナンバー。ここで聴ける光浩さんのヴォーカルは、スタジオ盤よりも随分迫力がある。
 そこから間髪入れずに⑦⑧と、2ndアルバムからの2連発。⑦では原曲に無かった間奏前の「キンサケ」が聴きもの。これは後のライブでも定番になる。で、⑦が綺麗に終わるのを待たずに⑧へつながる。その瞬間でも叫ぶキンさん、如何にライブで彼の存在が大きいかが実感出来る。サビでもガンガン叫んでるし・・・
 そしてこれまた間髪入れずに⑨。現在に至るまでライブ終盤には毎回演奏される(私はそれが無かった時に当たってしまったこともあるけど)定番曲だが、観客との「Oh,Yeah!」の掛け合いはやはり盛り上がる。
 ここで本編が終わったようで、ラストはアンコールだったであろう⑩。元々エディ・コクランの曲だが、彼らはザ・フーのバージョンを元にしたと思われる。恭司→光浩の順で歌い、間奏に入り、3番も恭司さんが歌って終わる。やっぱりここでもキンさんがイントロからサビから叫びまくり。いやー、実はBOW WOWのライブの主役はキンさんだったのかも知れない。「キンサケ」がその象徴と言えるが、彼のベース自体もバンドの音楽性には大きく貢献しており、細かいテクニックは抜きにして、そのドライブ感が「勢い」を強く演出していたと思われる。

 さて、ライブアルバムを発表したらそこでそれまでの音楽性に一区切り、次作からは大きな変化が訪れるというのはよくあるパターンだが、彼らも例外ではなかった。詳しくは次作の方で書くけど、恐らく前作「CHARGE」発表後に方向転換が構想されたのではなかろうか?同時期にデビューしたCHARが「気絶するほど悩ましい」「逆光線」「闘牛士」といった歌謡曲路線でヒットを飛ばし、ゴダイゴもドラマ「西遊記」に使われた「モンキー・マジック」「ガンダーラ」のヒットで、それまでのプログレ風味も感じられる本格路線からポップな方向に転換、次々とヒット曲を連発することになる。その辺が事務所サイドにはジレンマになったのではなかろうか?それまでのようなハード・ロックを続けていれば、確かにそういう音楽の好きな固定ファンは掴めるし、実際それに成功してはいるが、やはりもっと大きなヒットが欲しい。そういう邪心?が芽生えたのでは・・・?実際に、ハード・ロックをやり続けた紫はそれが大成功には至らず、バンド分裂(ここで解散したと思われることが多いが、実際にはジョージ紫・宮永英一といった中心メンバーが脱退、バンド自体は城間兄弟を中心にしばらく存続した)という事態に陥っているし・・・
 しかし、私なりに考えてみれば、彼らの人気が今一つ突き抜けられなかったのは、短期間で多くのアルバムを発表したことが原因じゃなかったかと思う。1作1作じっくり売り込めば良かったのに・・・特に2nd「SIGNAL FIRE」はもっと時間をかけて売り込めば、大きなヒットにつながったかも知れないのに・・・

 まあその辺は今どうこう言っても仕方がない。とにかく彼らはここでハード・ロックに一旦終わりを告げ、新たな道を歩み出すのであった。

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 しかも「アジアンテイスト」って・・・

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① JET JIVE
② MUST SAY ‘ADIEU’
③ BLUE EYED LADY
④ THE CLOWN

⑤ ROCK AND ROLL KID
⑥ FALLEN LEAVES
⑦ HEAVY
⑧ SISTER SOUL
⑨ BEHIND THE MASK


山本恭司:Guitars,Vocals
斉藤光浩:Guitars,Vocals
佐野賢二:Bass,Vocals
新美俊宏:Drums


 77年発表の3rdアルバム。

 素晴らしかった2nd「SIGNAL FIRE」が7月に出たばかりだというのに、その年の12月には早くも本作が発表された。この時代にはこういう早いペースでのアルバム発表は珍しくなかったようだが、それにしても5ヶ月で新作とは本当に早い。1stが前年の12月だったから、1年の間に3枚のアルバムを発表した計算になる。それだけ当時の彼らに勢いがあったのかも知れないし、契約の関係上そういうペースになったのかも知れないし、その辺はよくわからない。

 さて本作、それまでは恭司さんがほとんどの曲を作っていたのだが、他のメンバーも(少ないながら)全員が曲を提供している。演奏力のアップのみならず、創作意欲も掻き立てられたということだろうか。②がキンさん、③が光浩さんで、新美さんは④⑤の2曲を提供している(⑤は恭司さんとの共作)。

 今回のオープニングである①は、前2作のオープニングと比べるとやや地味な印象だが、それらとは違う明るく爽やかな曲調が新鮮。でも、私をズッコケさせた1stの3曲みたいにアイドルチックな可愛らしい曲ではなく、明るい中にもひねりが効いていて、なかなかに聴き応えあり。
 キンさん作曲の②は、初の彼自身によるヴォーカルも聴ける。鮎川誠を思わせる素朴な歌唱ながら、随所で彼のトレードマークであるシャウト(キンさんの叫び、略して「キンサケ」)が炸裂、これがまたいい味を出している。なお、この曲は途中にベースソロもあり、まさにキンさんの独壇場!?
 ③は光浩さんが歌うシャッフル・ナンバーで、歌詞は英語。光浩さんは英語の歌詞が苦手と思いきや、(流暢ではないにせよ)なかなかいい感じで歌っている。ギターソロは光浩さん本人だろうか?だとすれば、短期間でかなりの成長を遂げていることになる。まあ、前作のタイトル曲や「SILVER LIGHTNING」でも恭司さんに負けないようにと?張り切ってバトルを繰り広げているので、既にかなりの域まで上達していたのかも知れない。
 ④はアップテンポの爽快な曲で、この曲も近年のライブでよく披露されている。作曲者である新美さんのドラミングも冴えている。なお、新美さんは自作曲だからと言って(この曲のみならず現在に至るまでずっと)自分で歌ってはいない。

 B面に移って⑤は、2分前後の短い曲ながらなかなかにスリリング。
 続く⑥はアコースティック・ギターのみをバックに恭司さんが切ない歌唱を聴かせる。これも初めての試みだが、いいアクセントになっていると思う。
 ⑦はタイトル通りの重い曲調だが、メロディがはっきりしているので、重苦しくならずに最後まで聴き通せる。
 ⑧は軽快なシャッフル・ナンバー。これもやや明るめの曲。
 そして最後の⑨は切なく始まり、ドラマティックに盛り上がるバラード。前作の「STILL」はひたすら哀しい曲だったが、この曲はメジャー・キーなので気分が落ち込むこともなく、温かい気分で作品を締めくくっている。

 ここまで書いてというか、このために本作を通して聴いて思ったのは、全体に明るい曲が多いこと。「爽やか」「爽快」という表現で気付く方もおられようが、その辺が彼らの奥の深さを実感させられる。とは言っても、随所でひねりも効いているので、決して「能天気」にはならないのがいいところ(笑)。
 それに、過去2作もそうだったがバラエティに富んだ曲作りがされており、それまでにない実験的な部分も見受けられる。サビでコーラスの聴かれる曲も目立つし。
 私は本作を手に入れて聴いた時、それまでの2作と比べて地味な印象を受けたが、聴けば聴くほどに味わいの出る好作品だと今では思う。

 さて、⑨の曲名を見てピンときた方、なかなか鋭い!この曲(というか本作の半分近く)の作詞をしている「CARIBBEAN CHRIS」というのは、実はクリス・モスデル・・・ここまで書けばおわかりか。そう、YMOの同名曲の作詞をした人で、しかも両曲の歌詞はほとんど同じ、というか前半は全く同じなのである!
 YMOの結成が78年で、彼らのあの曲が発表されたのは79年。なので、BOW WOWの方が発表は早い。これがどういうことか・・・YMOの方があの曲のイントロ(リフ)を思いついた段階で、クリスはその歌詞が合いそうだと考え、そっちに同じ歌詞を少し手直しして流用したのではないか?詳しいことはわからないが、同じ歌詞でもバンドの音楽性で全く違った曲になったのが面白い。

 ここまで快進撃を続けてきたように思われるBOW WOWだが、その後大きな変化を遂げようとは、まだ当時のファンの誰も想像しなかった・・・はず。その前にライブアルバムがあるので、まずはそっちを書いてからの話にしよう。

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 ここしばらく仕事も忙しくて疲れ気味だし、今回のレポはどうしようかな~と思ったんだけど、やっぱりこれを待ってる人も多いだろうから、とにかく書いてみる。

 何だか最近は週末になると天気が悪くなる。この1週間前の東京行きの時もそうだったし、今回もやっぱり・・・だった。どうやら般若寺(奈良)のコスモスが見頃らしく、去年は絶景を味わえなくて悔しかったので今年は行きたい気持ちもあったのだが、雨が降ったり止んだりの中ではシャキッと咲いていない(だらーっとしおれてる)だろうと思って断念。そんなわけで土曜はダラダラと過ごしていた。
 明けて日曜も午前中はやっぱり同じ調子でダラダラ。適当にゴミを出したりしてる内にいい時間になったので、会場へ向かって出発した。

 江坂MUSEは、駅から近くて場所のわかりやすいのはいいんだけど、私のとこから江坂までがそもそも遠い。京都や神戸まで行くのならそれなりの心の準備ってものも出来るが、同じ大阪府内で中途半端に遠いのがすっきりせんのよね。
 それに、YAMA-B在籍最後のライブが心斎橋のMUSEを満員にして、小野正利が入ってからは梅田のAKASOって具合に、会場もどんどん大きなとこになってきてたのに、なぜここにきてこの会場?今の彼らには狭いんちゃう?という疑問を抱きつつ、会場に到着。ここに来たらまず、会場前のラーメン屋で食べていくのだが、その時の写真は無し。ラーメンの写真載せたら、そっちにしか食いつかない人が多いからね。

 また私の悪い癖で無駄話が長くなってきたので、本題に入ります。

 会場の入ったビルの前に来たら、いつもならエレベーターで最上階まで行くのだが、今回は怪談、じゃなくて階段の方に案内された。開場時間直前だったので、既にかなりの人が並んでいた。今回も来ることが分かっていた通りすがり堂さんとも遭遇、整理番号に開きがあったので少し話してから一旦離れたが、結局会場内で一緒になった。開場から開演まで30分って短いで~と思ったが、意外にサクサク入場は進んでいた。

 で、入ってみたらやっぱり大入り満員で、開演までの間にどんどん人が入ってきて、しまいには3年前のテラ・ローザの時ほどではないが、立錐の余地もないくらいになってきた。「もう1歩前にお進み下さい」のアナウンス。彼らのライブは3時間オーバーも珍しくないから、この調子でそんな長時間やられたらかないまへんで~という心配が。通りすがり堂さんと、同じ会場でもコンチェルト・ムーンだったらもっと空いてるのに、とかいう話をし、我々は顔見知りになる前に実はあちこちでニアミスしてることが発覚?したのだった。

 定刻を10分くらい過ぎて開演。まずは新作からの「TEAR OFF YOUR CHAIN」続いてYAMA-B最終作となった「REINCARNATION」からの「LAST NEW SONG」、そして再び新作から「SPIRIT OF STEEL」「SCARS」と続く。
 多分この辺のどこかでMCが入ったと思うが、小野さんが前日にホテルのある梅田から難波まで電車で行って、「金龍」のラーメンを食べてきたという話。Syuが「西宮にも美味しいラーメン屋ありまっせ」と言って、客席からもどの店がいいとか具体名が飛び交う始末。西宮だったら甲東園にも有名な店があったはずだが、私はあの辺に行ったらいつも昔バイトしてた定食屋にしか行かないので、いまだにその店に行く機会には恵まれていない。

 そんなこんなで、各メンバーのソロをフィーチャーしたインスト曲になり、小野さんのアゴヒゲにまつわるMCが始まったのはこの辺だったかな?たまたま伸びたままスタジオ入りしたら意外に評判悪くなかったのでそのまま伸ばしてるとか。

 そこからは小野さん加入後の曲が続く。「T.F.F.B.」「NO MORE TEARS」「A FAR-OFF DISTANCE」「STILL LOVING YOU」「BASH OUT!」場内は大盛り上がりだったが、ぎゅうぎゅう詰めのために私は拳を振り上げることもままならない。それでも「ちょろっと」腕を上げてはいたけどさ。
 で、最後は新作からの曲で、先行配信もされた「FUTURE NEVER DIES」。ここで本編は終わった。

 当然アンコールなのさっ。まずは、今のところ音源として発売はされていないが、パチンコ「蒼天の拳」に使われてるという「絆」。なかなかいい曲だったので、シングル発売でもしてくれたら嬉しいなっと。シングルと言えば、その次はYAMA-B在籍終盤のシングル曲「ALSATIA」で、新作からの「THE TIME HAS COME」でアンコール・その1は終わり。

 で、アンコール・その2。3rdアルバムからの「BRAVING FLAG」が出て、前作(小野さん加入1発目)からの「DESTINY」。これでようやくライブ全編が終わった。
 しめて2時間20分。思いのほか早く終わった(笑)。これで3時間とかなったら足腰もキツかったろうし、帰りも遅くなるからそれも心配だったんだけど、予想外に早く帰れたのでちょっと助かったかも。

 まーしかし、相変わらずその演奏力の凄いこと、そして小野さんのハイトーンの見事なこと。今回は彼のソロ時代の曲はやらなかったけど、あれは加入直後のファンサービスってことで、そう何度もやられたら有難みも無くなってしまう。それに彼は今「ガルネリウスのメンバー」なんだから、このバンドでやる時はそれに集中してもらわないとね。

 次にやる時は、もっと大きな会場でやってほしいなあ。もうBIGCATくらいでやってもいいんじゃない?ちょっと今回は狭くて往生しましたで~。前の方は背の高い人が多くて、Syuの手元なんかさっぱり見えんかったし、YUHKIさんの弾いてる姿もあんまりはっきり見えんかったからな~。

 ※このバンドの曲名をろくに覚えていない私がなぜ全曲書けたか?それは既にアップされてた通りすがり堂さんの方を参考にしたからです。勝手に参考にしてごめんなさいね~。Thank you so much!

「FUTURE NEVER DIES」


 http://www.youtube.com/watch?v=wnQdtzls5HM

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① PRELUDE
② GET ON OUR TRAIN
③ JUST ONE MORE NIGHT
④ SILVER LIGHTNING
⑤ ELECTRIC POWER UP

⑥ ROCK'N'ROLL DRIVE
⑦ RAINBOW OF SABBATH
⑧ TELL ME, TELL ME
⑨ SIGNAL FIRE
⑩ STILL


山本恭司:Guitars,Vocals
斉藤光浩:Guitars,Vocals
佐野賢二:Bass
新美俊宏:Drums


 77年発表の2ndアルバム。

 前年暮れに1stアルバムを発表、渋谷陽一のラジオ番組でも取り上げられたりしてかなりの期待を寄せられたBOW WOWだが、明けて77年の春には、当時来日したエアロスミスやキッスの前座に起用され、これがまた真打のバンド目当ての観客にも好評だったようだ。それに自信がついて確信が持てたのか、1stの時にはまだ模索中だった方向性も、本作ではハード・ロックに焦点が絞られ、よりまとまった、完成度の高い作品が出来上がった。

 じわじわと期待を煽る①を序曲として、今に至るまで彼らの代表曲の1つとして人気の高い②が始まる。前作では比較的シンプルな曲が多かったが、本作ではこの曲に代表されるように、かなり凝った構成の曲が目立つ。ソロが始まる前の掛け合い等、ギターが2人いることを存分に生かした曲作りが光っている。
 軽快なシャッフルの③を挟み、ヘヴィで凝った構成の④も聴き応えあり。この曲は実際にライブで観ればわかるが、間奏は2人のギターが交互にソロを弾いており、歌の部分の重いテンポと間奏部分の速いテンポの対比等、リズムに凝った部分も聴かせどころ。そしてスピーディな⑤で当時のA面は終わる。

 B面に移って、軽快な⑥は初の光浩さん作曲によるもの(他は恭司さんの作曲)。近年のライブでもこの曲は光浩さん自身が歌っているのだが、ここではどう聴いても恭司さんの声にしか聞こえない。ハード・ロック路線でいくと決めた際、統一感を出すためにそういう判断になったのだろうか?
 続いては複雑なリズム展開がユニークな⑦だが、本作は音が左右に行き来するというか、テープがヨレたようなエフェクトの掛けられた曲が目立ち、この曲はそれが顕著。ちょっとやり過ぎ?とも思うが、これはこれで面白い。
 哀愁のあるミディアム・ナンバー⑧に続いて、スリリングなインストの⑨。これまた今でもライブで演奏されることが多いが、ギター2人のソロ・バトルの他にもリズム隊の前面に出る場面があったりで、最後まで飽きさせない。
 そしてラストを飾る⑩は、ブルース色も感じられる哀愁のバラード。泣きまくるギターが印象的で、まだ21歳にしてこういうギターを弾ける恭司さんには改めて驚かされる。彼は年代的にブルースが土台にあるからこういうプレイが出来るのかと思いきや、最近のライブでご本人がおっしゃるには、「高校生までブルースとかアコースティックな音楽は好きじゃなかった」とのことで、だとすれば専門学校在学中に叩き込まれたものと思われる。彼が教わった先生が偉大だったのか、彼自身の資質が素晴らしかったのか?まあその両方だろうけど、間違いなく後者が大きいものと思われる。

 前作で多少見受けられた露骨なポップ路線の曲は無く、ほぼ全編がハード・ロックを中心に構成されているため、アルバム全体に統一感があり、非常に完成度が高い。そのため、本作を「B」時代の代表作に推すファンも多い。私も初期作品では本作が1番好きだし、まず最初に聴くべきアルバムとしては本作を挙げるだろう。

 VになってからはしばらくB時代の作品は全て廃盤となっており、ベストアルバム「LOCUS」1枚でお茶を濁されていたわけだが、「LOCUS」には本作から①②⑨⑩が選ばれており、メンバー自身にとっても大事な作品だったであろうことがわかる。それまで後期Bの曲しか知らなかった私にもこれらの曲は十分な聴き応えがあり、すぐにずっと前から聴いてるかのように馴染んでしまったのが思い出される。
 で、Vが解散する前後あたりに本作がようやく単体でCD化され、私はすぐに入手したのだが、恭司さんの声がまだ若いというか幼いのを除いても、その高度な演奏力には驚かされた。平均年齢20歳そこそこの若者がこんな見事な演奏をして、しかもこれだけ完成度の高い作品なんだから、彼らは最初から凄かったんだなあと。

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① HEART'S ON FIRE
② BROWN HOUSE
③ FOXY LADY
④ VOLUME ON

⑤ A LIFE IN THE DARK
⑥ JAMES IN MY CASKET
⑦ WITHERED SUN
⑧ THEME OF BOW WOW


山本恭司:Guitars,Vocals
斉藤光浩:Guitars,Vocals
佐野賢二:Bass
新美俊宏:Drums


 76年発表、記念すべき1stアルバム!

 BOW WOWと言えば、恭司さんがリード・ギターでなおかつほとんどの曲で歌ってるので、彼が中心になって結成されたのかと言えばそうではない。元はと言えば、74年にシングルを2枚だけ発表して解散したアイドルバンド「Do-T-Doll」に在籍した光浩さん&新美さんを軸に据え、実力のあるギタリストを迎えて「アイドル性もあって聴き応えも兼ね備えたバンド」を構想した事務所によって作られたバンドなのである。
 で、事務所が目をつけたのが、島根から東京の音楽専門学校に出てきて、その腕前が知られていた恭司さん。当初は光浩さんに歌わせ、アイドル性を強く押し出そうとしたのだが(まだメンバーは皆20歳前だった)、恭司さんを入れたことが大きな誤算?になったのだった。

 ベースも決まってなかったから、まず恭司さんが「いいベースがいるんですよ」と連れて来たのが、同じ専門学校に在学していた渡辺建。後に和田アキラとともに「プリズム」を結成する人なのだが・・・

「腕はいいけど、見た目がゴツすぎてダメ」

 と却下されてしまった・・・はい、実力者が2人も入ってしまったら本格志向が強くなりすぎて、アイドル性が薄れると判断されたからってのが一番の理由だってことはわかってますんで。

 そこで恭司さんは、同郷の後輩であるキンさん(佐野)が東京に出てきていることを知り、丁度良かったとばかりに彼を誘った。キンさんは細身で長身、当時はまだ顔も童顔だったからという理由で?合格。
 で、まずは外見から選ばれたメンバーたちで、演奏力のある人と言えば恭司さんのみ。光浩さん&新美さんは、前バンドのシングルのレコーディングでは演奏しておらず(スタジオ・ミュージシャンによる演奏)、キンさんも含めて未熟だったため、恭司さんがコーチ役となって合宿での猛特訓が開始され、演奏力はレベルアップしたのだった。

 さてここで新たな問題が。最初に出来た「HEART'S ON FIRE」は日本語の歌詞で、光浩さんが歌う前提で作られたが、どうもしっくりこない。歌詞を英語にしても合わない。それなら試しに恭司さんが歌ってみろってことになり、「お、いいんじゃない!」となって、結局恭司さんがメインで歌うことになるのだった。そして、恭司さんがハード・ロック大好き少年で、そっちの路線に進めたがったものだから、事務所側も「君たちの好きにしていい」ということになったんだそうな。

 ここからアルバム本編の話に行きます!

 そんなこんなで難産の末に出来た①は、新人バンドのデビュー作の1曲目にふさわしく、強い印象を与えられる。ちなみに初期段階で乗っかってた日本語の歌詞を作ったのは、あの故・阿久悠先生だったそうで、そんな偉大な方の歌詞をボツにしたとは、大胆な・・・
 でねえ、①の格好良さで惹きつけられた後に②③④でズッコケてしまったんですよ、私は。元々82年にBOW WOWを聴き始め、その頃にはすっかり風格のある本格的なハード・ロック・バンドという印象だったもんだから、後追いで買ったこのアルバムの中でその3曲は、あまりに明るくポップで、「何だかイメージと違う・・・」と思ったもんだった。多分この辺は、本格路線でやるかアイドル路線でやるか迷っていたからだろう。

 神秘的なインストの⑤から当時のB面に移り、⑥は10分近くに及ぶヘヴィな曲で(歌詞はジミヘンのことを歌っており、曲調もそれっぽい)、これがまた聴き応え十分。実はこの曲、デビュー前から恭司さんが温めていたものらしく、バンド結成当時は歌う予定じゃなかったと言いながら、実は弾きながら歌う練習もしてたらしいし、この曲も最初から自分で歌いたかったんじゃあ?とほくそ笑んでしまう。
 切ないバラードの⑦でしんみりした後は、現在に至るまでライブの定番になっている⑧。これもちょっと聴きシンプルでノリノリな曲なのだが、勢い重視の中にもひとひねりあったりして、ただの能天気な曲には終わっていない。

 私がこのアルバムを聴きたい、欲しいと思った頃には既に廃盤になっており、実際に手に入れるのは大学卒業前後まで待たなくてはならなかったのだが、勿論CD化されたらすぐに手に入れた。そして抱いた感想は、上の方にも書いてるけど、まだ方向性が定まってなくて、何をやろうか手探りの状態だったんだなあというところ。
 恭司さんによる猛特訓の成果か、演奏は今聴いてもこの年齢(恭司さん・新美さん・キンさんは20歳、光浩さんは18歳)の若者とは思えないくらい高度なレベルだと思う。ただやっぱり、ヴォーカルの弱さは如何とも成し難し。そりゃあ皆さん、専任でやったことのない人たちだし、日本人で手本になる人もそういない時代だったから、仕方ないと言えばそうなんだけど。82年頃でもあれこれ言われていたが、この当時の彼らの声はその上に幼い感じでもある。ちなみに、全曲を恭司さんが歌ったわけではなく、②③⑦は光浩さんによるものだが、この辺は彼をメインに据えたアイドル路線も残しておこうという名残だろう。

 しかし、ヴォーカルの弱さは置いといて、全曲を作曲した恭司さんの創作能力とギターのテクニックは当時から高く評価され、まずは順調なスタートとなったようだ。トレーラーを改造した移動ステージでの演奏なんかで話題作りをし(映画「トラック野郎」にもそのトレーラーが一瞬出たらしい。バンドの出演は無かったそうだが)、それまで日本に無かった華やかなイメージのハード・ロック・バンドとして売り出された。
 それまでにもフラワー・トラヴェリン・バンドやカルメン・マキ&OZ、そして同じ76年にデビューした(でも地元・沖縄で長いキャリアを持ってる)紫という実力派はいたが、若々しさ・華やかさには欠けていた。それらを持った期待の新人として、彼らのキャリアが始まった記念すべき第一歩、それが本作なのでござる!

 私がBOW WOW~VOW WOW、そして山本恭司・人見元基・厚見玲衣の大ファンであることは、ライブレポでも彼らの出演した時に思いっ切り力を入れて書いてることや、その他諸々の記事でおわかりだろうが、現ブログになってから「アルバム・レビュー」という作業はまだやっていない。先日買ったボックスセットの「XXXV」の感想や、所有している恭司さん参加作品を一堂に公開したことはあるんだけど、歴代のアルバムに関しては、現ブログ開設2年半になるのにまだ全然手つかずだった。

 旧ブログでは「V」だけ書いたんだけど、もうそっちはブログごと消してしまったしね・・・

 現ブログで全アルバムをレビューしたのは山下達郎と竹内まりやだけで(でも実はどちらさんも抜けてるアルバムがある)、これじゃ「こいつ、誰のファン?」って思われるだろう。いや、あの夫婦のファンでもあるし、抜けてるアルバム(ライブアルバムやアカペラの「ON THE STREET CORNER」シリーズ)も追い追い書いていこうと思ってるんだが・・・

 で、手つかずだったのは、SMS時代のアルバムがCD化されないままだったという理由もあるのだが、今年に入ってCD化が実現、ついにBもVも全部手元に揃ったわけで、そうなりゃレビューを開始する条件は全て整ったというわけ。

 なので、旧ブログの頃みたいなハイペースではなく、ゆっくりになるけど、各アルバムのレビュー・・・というか個人的な感想や思い入れなんかを書いていきたいと思ってます。

 で!ここでお願いがあるんですが・・・

まだBのアルバムについての話の時に、Vのシンガーさんの話題は極力避けて下さい!


 私はその人のファンでもあるし、その歌声を初めて聴いた時の衝撃ったら、生涯で他に経験したことのないくらい凄いものだったんだけど、それは該当するアルバムの時にたっぷり書きます。だから、まだ登場してもいないのにその人に関するコメ「ばっかり」書くのはやめて頂きたいなと。

 私は音楽評論家じゃないし、業界の人間でもないので、そういう人たちみたいな文章にはならない(というか敢えてそうしないようにしている)けど、1人のファンからの違った視点という見方をして頂ければ有難いと思ってます。

 では、ほんまにゆっくりになるし、日常の話題や他の話も間に挟むけど、楽しみに待っていて下さい!

 

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 ふう、疲れた・・・しかし凄かった・・・!

 先月に続いての東京行きは、体も疲れるが財布も厳しい。その上に来月もなんだから、いろいろ切り詰めないとやっていけない。
 それでもこの前の水曜のBAND OF LOTUS(三宅庸介・板倉淳・小笠原義弘)は行きたかったんだよね~。なんたって赤尾さんがゲストで出るし・・・火曜が仕事も早く終われたから、この調子なら行けるなと思ったんだが・・・なぜかその日に限ってめっちゃ忙しくて終わりも遅くなってしまい、体力的にも時間的にも難しくなったから断念したのだった。行った人の話では、とても良かったそうで・・・ほんま悔しいなあ(T_T)
 その晩に柳ジョージの訃報を知り、まだまだ活躍出来る年齢なのにと思い、去年行ったライブが最初で最後になってしまったことを残念に思っていた。ご冥福をお祈りします。
 そして金曜は仕事終わって帰ろうとしたら土砂降りで、東京行きは大丈夫かなと心配になったのだった。

 明けて土曜、前日の晩ほどの土砂降りではないものの、やはり雨降りの中を出発、東京も雨なのかな?と思って実際到着すればやっぱり雨。上野周辺の博物館・美術館でも良さそうな特別展もないし天気は悪いし、いつも通りCDショップ巡りをした後はネットカフェでうだうだ過ごしていたのだった。せっかく東京まで行ってこれかよ。勿体ない・・・でもまあ、動き回れる元気もなかったのでそれも仕方なしってことで。

 さて、とりあえず今回も宿だけは確保しておこうと、前回発見した道玄坂のカプセルに飛び込み、ちょっとの時間転がった後に出発、会場の「PLEASURE PLEASURE」に到着した。
 109横のユニクロの入ったビルってことで、場所としては非常にわかりやすい。しかし、開場時間が迫っても待ってる人は少ないし、当日券まで出てる状態。今回歌う人が出るライブはいつも「完売」になるのに、珍しい・・・まあ、座席指定で会場も大きめなら、そういうこともあるか。

 で、開場時間になって中に入れば、まるで映画館みたいな作りだった。椅子も大きくてゆったりしてるから、逆に落ち着かない。そうこうしている内にどんどん観客が入ってきて、知った顔も続々入場。いつも来てるのに今回はあの人来てないな~ってのもあったけど、8月に京都でやったばかりだし、それも仕方ないのかも。

 どんどん無駄話が長くなってるので、本題に行きます。

 予定を5分くらい過ぎて、まずはナニワのメンバーが入場。1発目は「RED ZONE」。この曲は、私が高校生の時に、先日電撃引退した某司会者が(漫才の傍らで)やってた番組に彼らが出演した時に披露されていたのだった。解散直前のレイジー、そして結成間もないラウドネスを観たのもその番組だったし、アマチュアバンドのコンテストなんかもあって、結構楽しめたもんだった。その番組で観た時に、ナニワの皆さんの演奏の凄さに圧倒されたもんだった。
 で、その後も彼らのオリジナルを2曲披露。曲名忘れたが、3曲目は岩見さんがアコギ(しかもガットギター)に持ち替えての演奏で、いつもと違った味わいが感じられた。

 さあここで聴き覚えのあるリズムを力哉さんが刻み始め、ゲスト(と言いながらほぼ準構成員となっているのはいつも紹介されてる通り)の元基さんが入場。歌い出された曲はお馴染み、「MOVE OVER」だった。
 前回の京都でもジャズっぽい大胆なアレンジがされていたのだが、今回は序盤が原曲通りで途中がジャズになるという、前回とはまた違ったアレンジになっていた。
 続いては「SITUATION」。まあいつも同じような選曲で、これが並のバンドだったら「芸がないなあ」って思うのだが、この人たちの場合は毎回違ったアレンジや歌い方で楽しませてくれるから凄い。

 そんでですよ、次は曲名忘れたんですけどね・・・この辺で思ったのが、元基さんの歌がいつもに増して凄かったこと!毎回凄い歌声で圧倒してくれるんだけど、ここ3年くらいでかなりの回数行ってるから感覚が麻痺してるみたいで、「この人が凄いのは当たり前」ってな感じになってきてたのよね。でも今回は、とにかく声の伸びがいつもの3割増しくらい強烈で、常々「歌ってない間は演奏陣にも注目しよう」って言ってる私が、もう彼から目を離せない状態になっていたのだった。

 で、「STORMY MONDAY」を歌って第1部終了、一旦休憩に入る。

 15分くらい経った後に第2部が始まった。再びナニワのメンバーのみで、「SPOT」「EARLY BIRD」の2曲を演奏。2曲目はまたもや岩見さんがアコギに持ち替えて、これまた素晴らしい演奏を聴かせてくれた。

 その後に元基さん、とはならず、ナニワのメンバーのルーツを探るというテーマ?の元に、各メンバーをフィーチャーした曲を1曲ずつ披露。これは今までにない試みで面白かった。
 まずはキーボードの中村さんがエルトン・ジョンの曲を、自ら歌いながら演奏!さすがに本職のシンガーや、玲衣さんみたいな「半分本職」には及ばないが、それでもなかなか健闘していた。
 続いてベースの清水さんが、マディ・ウォーターズの曲をこれまた自ら歌った。こちらもなかなか良い感じ。
 次の力哉さんは、叩きながら歌うということはなく、ベンチャーズの「CARAVAN」を。ドラムを強力に押し出したアレンジで、毎度お馴染みのことながらその迫力をたっぷり味わえた。
 最後の岩見さんは、モップスの曲を・・・ってことで・・・「月光仮面」!それも原曲とは全く違ったメロディ(アニメのバージョンとも違う)で歌って驚かせてくれた。ちなみにこの人、物真似も得意なのだが、元を知ってる人が少なくてわかりにくい(笑)。

 さてここで、元基さんが再び入場。まずは「SUPERSTITION」で、次は曲名忘れたけどバラードだったんだが・・・ここでの歌唱もまた凄いのなんのって。いやー、しばらく麻痺してたけど久しぶりにこの人の歌聴いてマジでシビレましたよ。

 ここからは毎度お馴染みのZEP連発で、「COMMUNICATION BREAKDOWN」「GOOD TIMES, BAD TIMES」「WHOLE LOTTA LOVE」だったんだけど、歌は凄いわ演奏もそれに触発されたかの如く凄いわで、いつも以上の興奮を味わえたのだった。

 ここで本編終わり、当然アンコール。予想通りの「ROCK AND ROLL」だったんだけど、もう完全に昇天!ものだった。

 ・・・全部終わったら10時過ぎだったが、しかしまあ何度も書いた通り今回はほんまに凄かった。会場の音響も良かったし、ひょっとしたらそれでナニワの皆さんが気持ち良くリハ出来て、演奏がいい感じだったから元基さんの方がそれに触発されてたのかも知れないけど、今回は演奏もそうだし、歌も今までこの人の歌ったのを聴いてきた中で最高だったかも知れない。ズバリ、この秋は連発してるから今回は飛ばしたって人、損してます。そのくらい凄い歌声だった。

 それから毎度お馴染みのメンバーで飲みに行ったんだけど・・・お開きが朝の4時で、それからカプセルに戻って寝て・・・起きたら10時前。実は7時過ぎに1度目が覚めてたんだけど、まだ酒が抜けてないからともう1回寝たんだけど・・・出来たら早く帰りたかったのに、ちょっと悔しかった。おまけに帰りののぞみの中でも、ウトウトし始めたら後方の家族連れの子供が大声で泣き出すし・・・おかげで寝そびれて、部屋にたどり着いたら2時半くらい。また虚しい休日になってしまった。

 でも、ライブはとてつもなく凄かったので、満足満足。以上、おしまい。

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俺は立ち上がるだろう
 
お前たちと共に
 
何があってもこれから生きなければならない
 
強い意志と勇気を持ってもう一度立ち上がれ
 
不死鳥の如く

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DISC-1:
① HEART'S ON FIRE ② VOLUME ON ③ JAMES IN MY CASKET ④ WITHERED SUN
⑤ PRELUDE ⑥ GET ON OUR TRAIN ⑦ ROCK'N'ROLL DRIVE ⑧ SIGNAL FIRE ⑨ STILL
⑩ JET JIVE ⑪ BLUE EYED LADY ⑫ THE CLOWN ⑬ BEHIND THE MASK
⑭ 外人墓地のカフェテラス

DISC-2:
① 欲しいのはおまえだけ ② 忘れかけてたラブソング ③ GLORIOUS ROAD 
④ GOOD TIME'S R&R ⑤ TOMORROW IN YOUR LIFE ⑥ SOLDIER IN THE SPACE
⑦ RAINY TRAIN ⑧ 絆FOREVER ⑨ FUGITIVE ⑩ JUDAS(IN BLUE) ⑪ SEARCHING
⑫ ROCK AND ROLL TONIGHT ⑬ IN MY IMAGE ⑭ DON'T CRY BABY ⑮ YOU'RE MINE
⑯ 20th CENTURY CHILD ⑰ CLEAN MACHINE

DISC-3:
① SILVER LIGHTNING ② DEVIL WOMAN ③ WARNING FROM STARDUST ④ LET IT ROCK
⑤ ARMAGEDDON ⑥ WHAT'S GOING ON ⑦ THE RIVER ⑧ ROCK ME ⑨ FALLEN ANGEL
⑩ THEME OF BOW WOW(LIVE)

DISC-4:
① KING OR QUEEN ② DRAGON'S HEAD ③ SILVER TRAIN

 曲目書くだけで疲れた・・・それは置いといて、BOWWOWデビュー35周年記念のボックスセット、大枚はたいて購入してしまいました!

 大枚と言っても実は知れていて、6800円也。しかもタワレコで6000円分溜まったポイントを使って実質800円で買ったんだから、大した出費はしていない(笑)。

 さて、VOW WOWの「THE VOX」を買わなかった私が今回なぜこれを購入したか?それには幾つか理由があって・・・

 まずは値段。「THE VOX」は2万円だったんだよ~。全アルバム紙ジャケ化して、今では入手不可な「REVIVE」も付いてたし、貴重映像のたっぷり入ったDVDとTシャツも付いて、というのが売りだったんだけど、あれの出たのは全アルバムのリマスター再発「前」ではなくて「後」だったのが痛かった。

 それに、唯一のライブアルバムは、CD版「HARD ROCK NIGHT」じゃなくてLP版「LIVE」の再現で、ジャケットのみならず中身もそっちに合わせていたんだから、これまた痛し痒し。

 どうせ全作品リマスターの後に出すんだったら、別に全作品をご丁寧に並べなくても、美味しいとこだけ選曲して、「REVIVE」全曲の他にも「U.S.A.」日本語バージョンとか「WANNA GET HOME」みたいなシングルのみでアルバム未収録の曲とか、アルバムとはミックスやアレンジを変えてシングルに収録された曲もあるんだから、そっちを入れた方が良かったんじゃない?

 Tシャツなんか、サイズが合わなきゃそれまでだから別に欲しくないし、DVDも美味しい映像はあるらしいが、とても観ちゃいられないようなのも混じってたらしいし、それならわざわざそれだけのために万札2枚も出す必要はないんじゃない?と思って、今の今まで買ってない。DVDも小出しになってるレディングの映像が単品で発売されたらなあ・・・を期待しているのだが、今のところそれは実現していない。これだけのために2万円も使わすより、そっちを単品で出して、「REVIVE」+シングルのみの曲で構成したアルバムを出す方が安上がりだし、皆喜ぶんじゃない?

 ・・・「THE VOX」の話が長くなってしまったので、こっちの話に軌道修正。

 こちらは76~83年までのオリジナル活動期(DISC-1、2)と、98年以降の再結成後(DISC-3)の音源で構成されているんだが、オリジナル活動期の選曲はまあ妥当かなと思う。細かいことを言い出せばキリがないけど、全アルバム持ってるんだから、漏れた曲はそっちで聴けばいいってことで、私自身は今回の選曲に大きな不満は・・・あるか。シングルのみ発表だった「TAKE ME AWAY」の日本語バージョンとか、「絆FOREVER」のB面だった「MIDNIGHT YANNIGHT」が入ってないとか。まあどっちも別にあってもいいけど無くても損した気分にはならないんだけどね。
 ・・・でも、再結成後の方には結構不満がある。「BACK」「ANCIENT DREAMS」がリメイク中心の作品だったとは言え、数少ない新曲(当時)にもいい曲があったんだから、出来ればそっちを入れてほしかった。そして、アコースティック・アルバムの「ANOTHER PLACE」からは1曲も入っていない!あれにもいい曲が結構あったのに。まあ、そっちも全アルバム持ってるからそっちを聴けば済むだけのことで。

 さて、今回の「売り」というか私が購入を決意した大きな理由は、05年のアルバム「ERA」以来になるまっさらの新曲の入ったDISC-4と、貴重なライブ映像の入ったDVDだったんだけど・・・

 どっちもこれがまあ、中途半端!

 新曲はたった3曲。ここ何年もライブ活動が中心だったり、各自の活動もあったことだから創作の時間もなかったんだろうけど、それにしても3曲とは少ない。各曲の出来はいいからそれはいいんだけど・・・

 で、DVDもまた中途半端で、81年の映像と82年のレディングのダイジェストで、たった25分!しかも各曲ブツ切りでつなぎ合わされているような状態だから、かえって欲求不満が溜まってしまった。これじゃあ「THE VOX」のDVDがどうのこうのと言えた義理じゃない。

 でも、なかなか美味しいと思った点もありましてねえ・・・

 「GET ON OUR TRAIN」は、「PRELUDE」から続けて聴くのが王道パターンなんだけど、たまには「PRELUDE」無しでいきなりこの曲から聴きたい時もある。でも、この曲の入ったアルバム「SIGNAL FIRE」では、いきなりそこから再生しようとしても、「PRELUDE」の終わりが少しだけ入ってくるのが難点だった。が!ここではそれが無しにいきなり「GET ON OUR TRAIN」のみ聴くことも可能なのである!
 ・・・へー、そりゃ良かったねって程度の話ですが。

 で、もう1つ嬉しいのは「絆FOREVER」がシングルで発売された時のミックスで入っていること!
 この曲は、山本恭司名義の編集盤「GUITAR MAN」が再発された時にボーナス・トラックとして入ってたので、あの時は嬉しかったものだが、今回の「XXXV」にも入ると知った時には「あら、そしたら『GUITAR MAN』の価値がなくなっちまうよ」と思ったもんだった。
 が、「GUITAR MAN」に入ったこの曲は、ミックスが大幅に変えられて、発表当時はまだサポート参加だった厚見麗(「玲衣」になるのはVOW WOWになってから)のキーボードが引っ込められていたもんだ。あのキーボードの音がこの曲のいいアクセントになっていたのに・・・と悔しがっていたものだが、今回はキーボードの前面に出た、シングルの通りのミックスに戻っている!これからはこっちを重点的に聴けばいい。そして、「GUITAR MAN」の方は・・・貴重な別ミックスとして手元に置いておけばいいのさっ。
 ついでだけど、この曲の入ってる位置がおかしい。いくら「GUITAR MAN」のおまけになってたとは言え、これじゃSMS時代に出た曲だと思われてしまうよ。VAPでの旧BOW終焉直前に出たものだから、DISC-2のラストに入るべきなんだけど・・・まあ、入ってるだけで御の字か。

 というわけで、痛し痒しの面もあるけど、大筋では満足出来た買い物なのでありました。

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 土曜日のブランニューが大盛況で楽しかった余韻も冷めやらぬまま、翌日(ってまだ昨日か)のSHOW-YAにも行ってきたのでござる。
 会場は、東心斎橋のSOMA。ジェラルド他、日本のプログレ系をよく観に行ってるハコなのだが・・・このバンドには小さくない?という疑問を抱く方も多いだろう。かつての彼女たちをよく知ってる皆さんなら。
 しかし・・・

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 何ですかこれは。キャパ350人と言われる会場でそれはないんじゃない?でも、丁度1年前に行った名古屋でもELLが満員にならなかったくらいだし、私の今回のチケットも10番台。どうしちゃったんだよ、一体・・・?

 で、会場に入ってみれば更に驚きというか拍子抜けで、半分も埋まっていない!何だか寂しいなあ・・・
 それでも開演時間が近づくにつれてだんだん増えてきて、後方ガラガラのままではなくなったが、それでも大入り満員には程遠い。
 まあそれでも、近くで観れるからいいかと気を取り直し、私はお目当てのキャプテンこと中村美紀の鍵盤群の置かれている前方に陣取った。

 さて定刻を少し過ぎ、それまで流れていたBGMがフェイドアウト、レッド・ツェッペリンの「IMMIGRANT SONG」が流れる。場内に大きな歓声。ミッタン、キャプテン、サトちゃん、SUN-GOの順に入場してきて、寺田恵子ネエさんが登場した時には一際大きな歓声が。真っ赤な衣装で、髪はいつものストレート?じゃなくて、ややパーマがかかった感じ。出てきただけで場内がパーッと華やかになる、これは凄い。

 そして1発目は「OUT OF LIMITS」。アルバム「OUTERLIMITS」のオープニングだ。私が大学生の時、彼女たちのアルバムで唯一リアルタイムで買ったものだけあって、よく聴いた作品だし、思い入れも強い。他の皆さんも同じなようで、いきなり大きく盛り上がっていた。
 次の曲も同じアルバムからの「TROUBLE」。やっぱりファンもあの作品の好きな人が多いようだし、本人たちもそれがわかっているのだろう。

 さてここで、寺田さんのMCが入る。「2曲目終わったとこでいきなり長い話になるんだけど」という前振りで、「私、普段は寝坊ってしないんだけど、今日は珍しく遠足の前の日みたいに眠れなくて、目の覚めたのが出発時間の30分前!でも・・・間に合った!」どうやって?と突っ込みたくなったが、まあ何とかなったみたいで良かった良かったってことで。

 で、しばらくうだうだ喋った後、「BAD BOYS」「魔性」「奪いとれ」と続く。去年は東名阪で3回に分けて選曲を変えてきて、各地で第1夜は速い曲・激しい曲中心でやって驚かせてくれたが、今回も何だかそれに近いものを感じた。最初からこんなに飛ばして大丈夫?でも去年はそれで大丈夫だったから今年もOK牧場!ってことかも。なお、「魔性」は作曲者のキャプテンが大活躍の曲。なんせソロはギターじゃなくて鍵盤のみだし。歌の間は寺田さんに目が行き、ギターソロではSUN-GOに目が行くのは当然だが、その合間にキャプテンを追い続けていた私の目は彼女に釘付けになるのであった。

 続いてまたMCが入るが、ここでは後方の2人が見えない人も多いだろうからと、ミッタンとキャプテンに話を振る。ミッタンは1人で話すのに慣れていないようで(しかしこの人、大林素子に似てるんじゃ?)、何だかしどろもどろ。いつの間にか寺田さんがドラムのとこに行ってて、バスドラをドンドン叩いて煽りを入れていた。キャプテンはなぜかSUN-GOのギターを手渡され、「弾けないよ~」と言いつつストラップを首にかけるが・・・右腕を通さないままだったので、寺田さんに助けられて腕を通して・・・無茶苦茶な音で鳴らしていた。この人、ほんまにギター全然弾けないのね・・・大抵は自分の担当でない楽器でも、他のメンバーの演奏してる様子を真似してどうにかこうにか出来るもんだったりするのをいろんなバンドで見てきたが、まあ自分の担当楽器を極めるにはそこまで手が回らんわい!ってことに解釈しておこう。

 続いて、寺田さんから現在新しいアルバム制作中のニュースが!でも、まだ曲を作ってる途中ってことで、「ここから3曲連続でやるけど、反応が良かったらアルバムに入れるよ!」
 実際に披露された3曲は、昔の曲と並べても全く違和感も遜色もない格好いい曲ばかり。場内の反応も非常に良かった。これは新作も楽しみにしてていいかも。

 「叫び」の後はキャプテン→ミッタンのソロのコーナー。キャプテンは昔のDVD観てたら、3段積みのセットを2組くらい使ってたけど、今は3段積みが1セットだけ。機材の進歩で少ない機材でも多彩な音色を出せるようになったからかも知れないし、必要な音だけ選んだらこうなったということかも知れないし。でもその腕前が素晴らしかったことは言うまでもない。
 ミッタンは、去年もそうだったが女性であるにも関わらずとてもパワフル。女性ドラマー数あれど、ツーバスをドコドコやる人って彼女以外あんまり見たことないし、その迫力はその辺の男性ドラマーにも負けていない。

 そして寺田さんによるメンバー紹介。ミッタン、サトちゃんと続き(どんな紹介だったか覚えてなくてごめんなすって)、「この前誕生日を迎えましたが、年と共にどんどん若返っていく、妖怪度の高いうちのメンバーでも1番の妖怪・・・いや、いい意味でね」とキャプテンを紹介したが、確かに○○歳であんなフリフリの衣装の似合う人ってそう多くはない。間近で見たら実年齢が・・・というのは言いっこなしってことで、あんな若々しい○○歳、他には藤あや子くらい(そう、キャプテンと藤さんは同い年)だろう。
 さーて、SUN-GOの紹介はなかなか笑えた。「うちの裏番、闇の似合う女!」とか何とか、結構好き放題言ってたような。SUN-GOも負けずに寺田さんを「うちで一番大きな・・・口!」と言い、寺田さんも「まあ否定はしないけど」・・・ってな感じだったかな?まあ細かいツッコミは抜きにして下さい。
 で、そのまま「YOU TURN ME OVER」へ。この曲はライブアルバム「TURN OVER」にしか入ってなくて、私はそれを持ってないのだが、織田哲郎の作曲らしい。「織田さんは昨日と今日、大阪でライブやってるみたいだけどね。おだ、と言っても和正じゃないからね」・・・はいはい、わかってます。

 その後はさっきまでのお笑いっぷりと打って変わってしんみりした話になり、バラードを・・・ってことで、私は「祈り」かなと思っていたのだが、「限りなくはるかな自由へ~go again~」が歌われた。それまでじっくり聴き込んでいなかったのだが、これまたいい曲だねえ・・・

 さていよいよ終盤。「ギャンブリング」「BATTLE EXPRESS」と飛ばしていき、「限界LOVERS」!ここで場内は完全にヒートアップ、私も理性が吹っ飛んだ。大興奮の後、メンバーは一旦ステージを後にした。

 当然アンコールの拍手がされ、しばらく待たされた後にメンバー再登場。物販で販売のTシャツを着て出てきた。そして「私は嵐」「FAIRY」で再び盛り上がって、SEとして「地下水道の月」が流れて本当に終了。しめて2時間弱、近年にしては短め?でもとても充実した時間だった。

 終演後には、物販でTシャツ購入者対象に握手会があったけど、去年名古屋でもあったし、その時に少しだけど話も(寺田さんとキャプテンを重点的に)出来たから、今回は早く帰るためにまっすぐ帰途へ。

 女性鍵盤奏者フェチ(笑)な私がキャプテンを重点的に観てたのは勿論だけど、やっぱり寺田さんは華やかだし、SUN-GOも格好いい。他の2人もそれぞれ魅力的だし、女性ばかりのバンドや女性Vo.のバンドが盛り上がってる昨今だけど、やはりその存在感は群を抜いてると思った。
 そして、新作が出たらまたライブ観たいと思ったよ。これからも一層の活躍を楽しみにしてます!

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